5大会連続伊勢路の札幌学院大 東北各地から選手が集まり、めざす最高順位更新
第54回全日本大学駅伝対抗選手権大会 北海道地区選考会
8月13日@札幌市モエレ沼公園内周回コース
1位 札幌学院大学 5時間30分21秒
----------ここまでが本戦出場------------
2位 北海道大学 5時間38分16秒
3位 札幌国際大学 5時間47分25秒
4位 北海道教育大学 6時間39分17秒
(星槎道都大学は途中棄権)
全日本大学駅伝の北海道地区選考会は8月13日、札幌市のモエレ沼公園周回コースであり、札幌学院大学が5大会連続29回目の出場を決めた。札幌学院大は今季、北海道から道外へのレースに参戦して経験値を積み、伝統のユニホームも一新。全日本で目標とする、過去最高の19位以上が狙えるチームに仕上がりつつある。
「あくまで全日本。ここは通過点」
選考会は8区間、計101.06kmを走って争われ、札幌学院大は2位に約8分差をつけて完勝した。だが、レース後、主将の木村一輝(4年、札幌山の手)に満足する様子はなかった。「あくまで全日本で戦うために準備してきた。ここは通過点で、当然の結果だと思う」
レースは前日までの涼しい気候から一転し、気温が28度まで上がる過酷なコンディションで始まった。札幌学院大は1区の大柳達哉(3年、明成)が1位で襷(たすき)をつないだが、2、4区で暑さの影響もあり失速。5区の山田陽翔(1年、久慈東)は2位で襷を受け取った。「(鹿内万敬)監督から自分の走りをすれば何とかなると言われていた。焦りはなかった」と山田。2km手前で先頭に立つと、後に続く選手は8区まで一度もトップをゆずらずフィニッシュした。
1、2年生だけで全部員の約3分の2
アクシデントがあっても、それを補える力が今年のチームにはある。特に、1、2年生は選手層が厚い。札幌学院大は現在の2年生が入学したとき、初めて1学年の入部人数が2桁を超え、15人が入部した。次の1年生もほぼ同数が入り、1、2年生だけで全部員45人うち約3分の2を占める。
部員が増えた理由は、東北各地から選手が集まってきたことだ。それまでは北海道出身の選手がほとんどだったが、鹿内監督が東北の大会を視察し、声をかけてきた。
鹿内監督は「以前は私の方が『東北からわざわざ来てくれないだろう』と勧誘に後ろ向きでした。今は連続で全日本に出場できているので、全日本に出るビジョンを選手も描きやすかったのでは」と話す。4年前には初めてケニア人留学生を迎えいれた。
目標は最終走者までの襷リレー
人数が増えた上に、今季はトラックでの成長も著しい。7区を走った山崎樹羅(2年、池田)は、5000mで昨年までの自己ベストを約1分更新する14分36秒76をマーク。高校時代の5000mの自己ベストが16分台だった佐藤匠(2年、久慈東)も、今季のチーム内日本選手トップとなる14分15秒39を出した。チーム内の多くの選手が今季、自己ベストを更新している。
飛躍の理由は、道外での実戦強化だ。これまでは道内のレースを中心に出場していたが、全国を意識してより高いレベルを求めた。4~6月は月に1回、関東の有力選手らも多数出場する日体大長距離記録会に参加。5月上旬には、佐藤が宮崎県であった日本グランプリシリーズの「ゴールデンゲームズ in のべおか」(GGN)に出場した。佐藤は「これまでは大事な試合で力を発揮できないことがあった。経験値を積めたのは大きい」。個人のタイムを見れば、「過去最高のチーム」と主将の木村も自信を見せる出来に仕上がった。
全日本では、まだ一度も実現できていない最終走者までの襷リレーが目標だ。今年は大学の「ブランディング事業」の一環で、伝統の青色のユニホームから上が黄色、下がグレーに変わった。木村は言う。「自分たちのカラーをしってもらえるよう、過去最高順位(19位)を更新したい」。札幌学院の新しい歴史が始まる。