大学陸上

連載:M高史の駅伝まるかじり

12大学の230人が集合、 大学の垣根を超えた「多摩川会」に行ってきました!

多摩川会の合同練習。大八木監督も選手たちの走りを見守ります!(すべて撮影・藤井みさ)

7月20日、多摩川沿いにキャンパスのある大学、多摩川沿いでトレーニングしている大学が集まって研修や練習をする「多摩川会」へうかがってきました!

「長距離を強くしたい」との思いで始まった

多摩川会が発足したのは11年前。会長の駒澤大学陸上競技部・大八木弘明監督、顧問のコニカミノルタ陸上競技部・酒井勝充副部長を中心に「男子長距離界を強くしていきたい」という思いからスタートしたそうです。

「大学の垣根を超えて強化しよう」ということで、多摩川会沿いにキャンパスのある大学、多摩川沿いでトレーニングしている大学に声をかけたそうです。「大学の長距離を強化することが実業団や日本のマラソンの強化につながる」と、大八木監督は発足時を思い出しながら話されました。

冒頭で熱いメッセージを送った「多摩川会」の大八木弘明会長

多摩川会では年に2回、研修と練習会があります。春は新入生、夏は2、3年生が対象。陸上への意識を高めるだけでなく、多摩川や普段使っている練習場所の清掃など社会貢献活動にも取り組んでいます。この多摩川会を経て駅伝やマラソンで活躍する選手も多く、今年の9月に開催されるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)やドーハの世界陸上に出場する選手もたくさん送り出しています。

今回は2、3年生が対象で、12大学から約230人の学生が参加しました。亜細亜大学、慶應義塾大学、國學院大学、駒澤大学、専修大学、創価大学、中央大学、帝京大学、日本体育大学、日本大学、法政大学、明治大学。実業団のコニカミノルタ、JR東日本、ヤクルトからも指導者のみなさんが来られていました。

大八木監督の熱いメッセージでスタート

駒澤大学の玉川校舎で午後1時から研修がスタート。まずは会長の大八木監督があいさつ。思うように記録が伸びていない選手たちに向けて、「~してくれない」「~させられている」という受け身の意識ではダメだという話をされました。「自発的、積極的に学び、自分を生かせるように。自分の殻を破る。自分自身は自分で変えられる」という熱いメッセージで始まりました。

今年から創価大学で指導をされている榎木和貴監督。学生時代は箱根駅伝で4年連続区間賞を獲得

続いて第1部は、創価大学駅伝部の榎木和貴監督による講演です。宮崎県立小林高校在学中、全国高校駅伝に出場。2年生では4区の区間賞を獲得し、2、3年生でともに総合3位。中央大学では、箱根駅伝で4年連続区間賞の快挙(1年8区、2年8区、3年4区、4年4区)を果たされます。卒業後は名門旭化成で実業団選手として競技を続けますが、思うように走れない状態が続き、悔しい日々を過ごされたそうです。スランプを乗り越え、入社3年目の別府大分毎日マラソンは2時間10分44秒で優勝。その後、実業団選手として7年間の競技生活を送られたあとは、実業団のコーチ、監督を経験。1年間の会社員生活を経て、今年から創価大の駅伝監督に就任されました。

参加された選手の皆さんも真剣に耳を傾けていました

今回の講演ではご自身の経歴をもとに「考える力」「学ぶ力」「行動する力」という三つのキーワードを用いて話されました。

別の大学の学生同士でグループワーク

第2部は慶應義塾大学の保科光作コーチが担当。東北高校、日本体育大学、日清食品グループと第一線で活躍し続けた保科さん。実は僕と同学年です。大学1年生のときに出雲駅伝3区で区間賞を獲得。ロードでもトラックでも活躍し、圧倒的な存在感があったのをよく覚えています。2017年4月に始まった「慶應義塾大学箱根駅伝プロジェクト」に関わり、長距離専任コーチに就任されて今年で指導3年目です。

慶應義塾大学・保科光作コーチからグループワークの説明がありました

まずは保科コーチからグループワークの説明がありました。最初のエキスパート活動ではアクティブラーニングを成立させるための3つの条件として「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」を挙げ、陸上のトレーニングに置き換えてグループワークをしました。

皆さん積極的に参加されていました!

グループ内の誰かがリーダーシップを発揮して初めから活気づいているチームがある一方、最初は静かだったチームも徐々に盛り上がっていきました。

普段はストイックに走りこむ選手たちが真剣にグループワーク

その後はクロストーク活動に移り、各グループで話し合った内容を発表します。陸上競技、とくに長距離種目は球技などのスポーツにくらべ、競技中に話すことはほとんどありません。黙々と走り続けている種目ということもあり、人前で話したり自分の考えを話したりすることが苦手という選手も少なくありません。学生時代から話し合ったり、自分の考えを整理し、人前で意見を述べる経験はとても有意義だと感じました。

マネージャーの血が騒ぐ、インターバルトレーニング

各大学、サブユニフォームが揃うのも新鮮ですね!

研修会のあとは希望する大学が残って合同練習です。400m×13本のインターバルトレーニングにA、B、Cの3チームに分かれて取り組みました。

タイム計測、給水・・・マネージャーの血が騒ぎ、思わず体が反応します(笑)

玉川校舎のグラウンドは僕が学生時代にずっと過ごした場所なので、懐かしい気持ちになりましたね。思わず「タイム計らなきゃ」と、体が勝手に反応します(笑)。

3チームを手分けしてタイム計測するマネージャーさんたち

タイム計測の仕方、タイムの読み方が大学によって微妙に違うこともあるので、マネージャー同士も練習前にお互いに確認。大学の垣根を超えて一緒に練習すると、いい刺激が入りますね。

練習後、大八木監督に挨拶する選手の皆さん。大八木監督は大学の垣根をこえてお声かけされていました

練習が終わったあとは、各大学の学生はそれぞれ指導者の方にあいさつ。常々「情熱」「本気」で陸上に人生を捧げていらっしゃる大八木監督。どの大学の選手にも熱いメッセージをかけられていたのが印象的でした!

今年も多摩川会から駅伝で活躍する選手、さらには将来、日の丸をつけてトラック、マラソンで活躍する選手が出てくるのを期待したいです!

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