野球

神奈川で初選出 監督は選手で選抜優勝 21世紀枠の県立・横浜清陵

ブルペンで投球練習する横浜清陵の内藤大維(手前)と、見守る野原慎太郎監督(撮影・朝日新聞社)

 第97回選抜高校野球大会の選考委員会が24日、大阪市内で開かれ、21世紀枠で横浜清陵が選ばれた。神奈川県は全国で唯一、21世紀枠の地区候補になったことがない「21世紀枠空白県」で、神奈川から初の同枠による出場となる。

98年ぶり大阪勢ゼロ、21世紀枠は壱岐と横浜清陵に 選抜高校野球

 横浜清陵は清水ケ丘、大岡の両校が統合し、2004年に横浜清陵総合として開校。17年に現校名となった。

 練習は他部とグラウンドを共有する。21年以降は秋、春、夏1回ずつ県8強入りと、強豪校がひしめく神奈川において、上位を狙えるチームに成長した。

 右腕・内藤大維(2年)、左腕・西田豪(1年)の2本柱で守備からリズムを作る。モットーは「全員攻撃・全員守備」。昨秋の神奈川県大会は準々決勝で東海大相模に0―5で敗れたが、直前の4回戦までは1試合平均1失点以下と堅い守りを発揮した。

 チームは一体感を売りにする。部活動研究の教授を招き、「部活動とは何か」と指導者と生徒がそろって考えた。

 「可能な限り生徒の『自治』によって行われることが望ましい」という共通認識を持ち、選手ミーティングを定期的に行い、自分たちで練習メニューを考えることを重視している。

 野原慎太郎監督(42)は東海大相模3年だった2000年の第72回選抜大会でベンチ入りし、優勝を経験した。

 横浜国立大を経て家庭科の教員となり、20年夏から監督に就任した。大学時代にジェンダー論を学び、女子マネジャーに対しては従来の高校野球における「選手を補助する役割」だけに従事させるのではなく、「『マネジメント(管理)』する立場になるように」と主将と同じようにチーム運営を任せている。

=朝日新聞デジタル2025年01月24日掲載

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