名城大学ルーキー・細見芽生と橋本和叶がそろって表彰台、駅伝は「4年連続で優勝」を

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2025日本学生陸上競技個人選手権初日の4月25日、女子10000m決勝が行われ、名城大学の両ルーキー・細見芽生（1年、銀河学院）と橋本和叶（1年、新潟明訓）がそれぞれ2位と3位に入った。大会後には、2人そろって7月にドイツで開催されるFISUワールドユニバーシティゲームズ（以下、ユニバ）の日本代表にも内定。昨年は2大駅伝で連覇が途絶えたチームに、心強い新戦力が加わった。

対照的だった10000m決勝後の言葉

出場した全11選手の中で、1年生は細見と橋本の2人だけだった。スタート直後から昨年の日本インカレ女子10000mを制した立教大学の小川陽香（3年、順天）が積極的に引っ張り、最初の1000mを3分16秒で通過。細見と橋本は大東文化大学の野田真理耶（3年、北九州市立）、筑波大学の白川朝陽（2年、大塚）、関西大学の前田彩花（3年、愛知）といった力のあるランナーのすぐ後方につけ、集団の真ん中あたりでレースを進めた。

レースはユニバの日本代表派遣標準記録（33分30秒）を切るペースで展開され、5000mから6000mに向かうところで先頭集団は9人。7000mにかけては7人に絞られた。残り2周に差し掛かったところで前田がスパートをかけると、細見と橋本、野田がついていった。ここから野田が遅れ、優勝争いは三つどもえに。前田が逃げ切って優勝し、続いて細見、橋本とゴールした。

初の10000mにもかかわらず、両選手ともユニバの派遣標準記録を切る好走を見せた。ただ「小さい頃から名城で走りたいという思いをずっと持っていたので、すごくうれしいです」と充実した表情でレースを振り返った細見に対し、橋本は「芽生が頑張ってるから『私も頑張らなきゃ』と思っていたんですけど、自分が離れちゃったことはすごく悔しい」と満足した様子はなかった。

橋本は2日後の5000m決勝にも出走

橋本は2日後に行われた女子5000m決勝も走った。10000mで2位までに入ればユニバへの出場が有力視されるところ、惜しくも3位だったことが理由の一つだった。「10000では芽生と『ワンツーフィニッシュで行く』と話していたんですけど、決められなかった分、『5000で絶対に決めなきゃいけない』と思ってスタートラインに立ちました」

しかし、5000mはレース途中で強い風にあおられてバランスを崩した場面もあり、ユニバの派遣標準記録（15分55秒）を切ることができずに12位。「ラストの早い段階で仕掛けられたら、またちょっと違ったかもしれない。前に出る勇気があまり出せなかったです」と淡々と振り返った。大会後の4月28日には、2人とも10000mでユニバ代表に内定することが決まった。

「日本一に貢献できる走りを」「自分が引っ張る」

近年の大学女子駅伝界を引っ張ってきた名城大は昨シーズン、大きな悔しさを味わった。10月の全日本大学女子駅伝は序盤の出遅れが響いて4位となり、連覇が7で途絶えた。年末の富士山女子駅伝は8位に終わり、6連覇でストップ。今シーズンは「走りで魅せる！王座奪還！」をスローガンに掲げ、米澤奈々香主将（4年、仙台育英）を中心に再スタートを切った。

今年入学したルーキーたちは、細見と橋本をはじめ粒ぞろいだ。8選手いるルーキーのうち、昨年の全国高校駅伝で最長区間（6km）の1区を走ったのは4選手。全員が区間10位以内に入っており、準優勝を飾った仙台育英からは1区3位の長岡みさきと最終5区2位の細川あおいが加入した。

すでに、1年目から主力として駅伝を走りたいという趣旨の発言も出ている。10000mのレース後に細見が「1年生から大学駅伝に出走して区間賞を。日本一に貢献できるような走りを自分がしていきたいです」と言えば、橋本も「名城大学のユニホームを着て走れることは、すごくうれしくて楽しいことです。『王座奪還』という目標に向けて、自分がチームを引っ張るというぐらいの気持ちで、勢いづけたいです」と力強く語った。

お互いを励ましながら、高め合えている

同期はどんな存在ですか、と橋本に尋ねてみると「高校にも同じ学年に部員はいたんですけど、毎回同じ練習ができていたわけではないんです。名城では、同じ練習を大人数でできる。自分はずっとそういう練習がしたかったんです。みんなで声を掛け合ったり、励まし合いながらお互いを高め合えたりしているので、楽しく練習しています」と話してくれた。

近年はトラックシーズンで思うような結果を残せていなかった印象もある名城大。しかし今年は、強いルーキーたちが早くも結果を残し始めている。「駅伝でも長い区間を走りたいと思っているので、今年から4年生まで、4年連続二つの駅伝で優勝できるようにしたいです」と橋本。駅伝シーズンで一度だけ結果が残らなかったからといって、そう簡単に強豪校の歴史や伝統は崩れない。それを象徴するようなルーキー2人の走りだった。