野球

特集:第74回全日本大学野球選手権

東北福祉大が7大会ぶり4度目の優勝、福井工大を8-1で下す 全日本大学野球選手権

三回2死一、三塁、東北福祉大の小山凌暉が右前適時打を放ち、ベンチに向かってガッツポーズ(すべて撮影・井上翔太)

全国各地の27大学野球連盟を勝ち抜いたチームで頂点を争う第74回全日本大学野球選手権大会は6月15日、明治神宮野球場で決勝があり、東北福祉大学(仙台六大学野球連盟)が福井工業大学(北陸大学野球連盟)を8-1で下して2018年の第67回大会以来、7大会ぶり4度目となる優勝を飾った。

流れを食い止めた櫻井頼之介のバント処理

一回に1死一、三塁のチャンスを作りながら無得点に終わった東北福祉大は、その裏の守備で相手に傾きかけた流れを食い止めた。無死二塁からの投前バントを先発の櫻井頼之介(4年、聖カタリナ学園)が素早く処理して三塁へ送球。二塁走者がタッチアウトとなり、ピンチの芽を摘んだ。

打線は直後の二回、先頭の松本大輝(2年、智弁学園)が二塁打を出塁すると、無死一、三塁から小山凌暉(3年、東海大菅生)の併殺打の間に1点を先制。三回は新保茉良(4年、瀬戸内)と小山の連続適時打などでリードを広げ、四回も佐藤悠太(3年、報徳学園)の適時三塁打などで加点。五回まで毎回安打を放ち、試合を優位に進めた。

一回無死二塁、バントを処理した東北福祉大・櫻井頼之介の好フィールディングで二塁走者の渡部千博をアウトにする

東北福祉大は大会2日目の1回戦から登場。九州産業大学(福岡六大学野球連盟)との初戦は垪和拓海(4年、智弁学園)の満塁本塁打で挙げた4点を守り切った。2回戦は今秋のドラフト候補にも名前が挙がる堀越啓太(4年、花咲徳栄)と櫻井頼之介の完封リレーで、東日本国際大学(南東北大学野球連盟)に4-0。午後10時過ぎに終了したナイトゲームを制すると、翌日第2試合の準々決勝では新保、松本、小島慎也(3年、帝京)にそれぞれ一発が飛び出し、8-3で西南学院大学(九州六大学野球連盟)に快勝した。

準決勝の相手は、大会連覇中の青山学院大学(東都大学野球連盟)。1-4と3点を追う五回、垪和の2点適時打などで同点に追いつくと、代打で登場した冨田隼吾(4年、花咲徳栄)が勝ち越しの2点二塁打。五回からマウンドに上がった猪俣駿太(3年、明秀日立)が好リリーフを見せ、決勝に駒を進めていた。

東北福祉大学の先発投手・櫻井頼之介
東北福祉大・新保茉良 退部撤回し花開いた"遊撃手3兄弟"の2番目、託された父の夢
東北福祉大・滝口琉偉「幼かった」1年時を経て、4年越しに大観衆が見守るマウンドへ
東北福祉大・垪和拓海 腰の痛みに耐え満塁弾、中高で逃した「日本一」の目標が原動力
東北福祉大・堀越啓太(上)激動の1年経て、ドラフトイヤーで真の「無双状態」体現へ
「イップス」で野手転向した東北福祉大・佐藤 全国大会で4安打

in Additionあわせて読みたい