ラグビー

「花園」優勝の桐蔭学園や系列校、海外からも 関東大学リーグ戦の注目ルーキーたち

昨季の花園を制した桐蔭学園から法政大学に入ったCTB徳山(すべて撮影・斉藤健仁)

春のシーズンも一段落した大学ラグビー。関東大学対抗戦に続き、関東大学リーグ戦1部の各チームに入ったルーキーを紹介したい。

【対抗戦はこちら】世代別代表に父が元日本代表、医学生―― 注目ルーキーが続々入部 

2連覇目指す大東文化大学には高校豪州代表の司令塔ら25人

1980年代から90年代にかけて「トンガ旋風」を巻き起こした大東文化大学。昨季の関東リーグ戦で9年ぶり7度目の栄冠に輝いた。全国大学選手権では初戦となった京都産業大学に12-59で敗れただけに、今季はさらなる強化に余念がない。

モスグリーンジャージーの門を、今季は25人のフレッシュマンがたたいた。

FWから見ていくとスクラムを支える第1列はPR林春翔(札幌山の手)、山梨栞太郎(清水南)、高校日本代表候補だった芳賀空、HO小林淳弘(ともに御所実業)、HO武田裕仁(東福岡)、HO/FL井川太陽(大東大一)の6人。バックファイブは高校代表候補だったLO黒木新夢(御所実業)、安部智史(浮羽究真館)、FL外山雄飛(東海大相模)、FL佐藤淳平(御所実業)の4人が入った。

PR芳賀(中央)は御所実業から大東文化大へ

BKは15人。SHは高校代表候補の遠藤陽紀(黒沢尻工業)、徳重隼(御所実業)、村上栞汰(大阪桐蔭)と有望な3人、司令塔のSOには高校豪州代表のニコ・バックリー(キングスクリスチャンカレッジ)、小田島功弥(黒沢尻工業)、山内淳之助(明大中野)の3人が入り、大きな力となりそう。

CTBは丸山貞(明和県央)、中山稜斗(札幌山の手)、ブリス・ホワイト(豪・ブリスベンボーイズカレッジ)、川原慶久(東福岡)。バックスリーはWTB吉岡聖太(石見智翠館)、大原麟(中部大春日丘)、高野宙(秋田工業)、大石悠斗(御所実業)、FB千葉煌生(札幌山の手)と強豪校のランナーがそろった。

芳賀、黒木、徳重、バックリー、吉岡らはすでに春季大会で先発をしている。若い力も借り、今季は2連覇を達成したい。

初優勝を目指す東洋大学は少数精鋭

昨季は、最終戦で惜しくも優勝を逃してリーグ戦で2位だった東洋大学。初優勝、そして全国大学選手権上位進出に向けて少数精鋭の16人が加入した。

FWは第1列のPRが白幡塁斗(札幌山の手)、湯浅虎太郎(旭川龍谷)、玉水天規(報徳学園)、HO新井靖憲(深谷)、岩崎ヴィージェー純(目黒学院)。さらにLO吉川昌宗(札幌山の手)、LO/FLアルメイダ聖(日本航空石川)、FL吉村由(NZ・セントピーターズカレッジ)、FL/NO8各務陽向(関商工)、FL/NO8コウベ オオツキ(NZ・オークランドグラマー)の計10人が加入した。

BKはSH荒木好摩(関商工)、SO髙田哲也(東福岡)、CTB石掛諒眞(目黒学院)、SO/FB真鍋逸平(御所実業)、WTB井戸川ラトレル(國學院栃木)と小菅優斗(北越)の6人が入った。

東洋大の井戸川はスピードを武器にすでに7人制の大会に出場

4月の東日本大学セブンズで快足ランナー井戸川がメンバー入り。続く春季大会でも井戸川のほか髙田が先発した。国際色豊かで、チーム力が高い東洋大。今季こそチーム一丸となってリーグ戦初制覇を目指す。

復活目指す東海大には期待の大型FWなど40人

2000年代に入ってから13度の優勝を誇るなどリーグ戦を引っ張ってきた「シーゲイルズ」こと東海大学。昨季は3位で、7連覇を逃した。捲土重来(けんどちょうらい)を期す今季、40人の新人が入部した。

高大連携で強化していることで知られる。まず系列校からは8人が入った。

昨季、花園準優勝の東海大大阪仰星からPR兵庫大晟、HO今津虎之介、バックローの青野寛大と山中晴勇、SH中村直人の5人。選抜ベスト8の東海大相模からFL/HO金澤壱樹、東海大甲府からFB/WTB矢澤嵐、そして東海大福岡から高校日本代表のNO8/LOランギ・トゥポウが入部した。

東海大福岡から東海大に進んだ高校日本代表FWトゥポウは注目ルーキー

そのほかにもFW第1列はPR石川里来(國學院栃木)、戸田公大(國學院久我山)、小松原洸陽(浜松工業)、田浦剛成(九州学院)、HO/PR山直佑梧(尾道)、HO川上聖翔(日本航空石川)、山﨑由太郎(九州学院)、小嶋悠照(鹿児島実業)と8人が入部した。

FLとLOでプレーできるのは篠田晃成(大阪桐蔭)、山崎寛人(明治学院東村山)、市原広大(同朋)。FL神田夢大、辻口豪都(ともに御所実業)、中靏直宏(東京)、松本陽山(北越)。

BKにもSH池田翔大(青森山田)、清藤ジャスティン(日本航空石川)、SH/SO/WTB山口幸信(長崎北陽台)、SO芳野修(松山聖陵)、CTB立花幹太(常翔学園)、新垣勇人(長崎北陽台)、CTB/FL/NO8小林功弥(崇徳)、CTBテビタ・ ラトゥ(NZ・オタゴボーイズ)、WTB山口廉太(昌平)、安永圭蔵(筑紫)、WTB/SH鬼頭慶(中部大春日丘)、WTB/FB佐々木悠汰(青森山田)、大野陽世(茗溪学園)、水島功太郎(大阪桐蔭)、下釜烈志(長崎北)、FB納冨暉生(筑紫)、FB/SO説田万次郎(西陵)が入部した。

春季大会ではトゥポウ、大野、篠田が先発し、今津が途中出場を果たした。今秋は1年生の多くがメンバー争いに絡みそうだ。

春季大会ですでに公式戦デビューを果たした東海大の大野

4度目優勝狙う流通経済大学には系列校の9人を含む39人

3度の優勝を誇る流通経済大学は昨季4位で全国大学選手権出場を逃した。39人の新戦力とともに復権を狙う。

系列の流通経済大柏も強豪で知られる。今季もPR/HO伊藤倖人、高張陸駈、PR/LO笹岡友輝、HO松本悠生、FL/CTB松元樹、SO/FB日野結心、寶起慎之助、WTB熊谷宇太矢、WTB/FL加藤大地の9人が大学でも競技を続ける。

さらにFWはPR谷口咲稀(栄徳)、河村凛太郎(大分舞鶴)、高校日本代表のHO齋藤丈太郎(國學院栃木)、福永琉士(京都成章)、正司貫太(尾道)、HO/LO宮入蓮(岡谷工業)、LO/PR益田遥眞(東京)、LO木下凛太郎 (光泉カトリック)、オ・テユン(韓国・ベクシン)、FL金森珀(秋田工業)、髙山羚太(正智深谷)、鈴木柊一郎(秋田工業)、西山智也(海星)、FL/NO8澁澤歩夢(熊谷工業)が入部した。

BKはSH奈良夏(京都成章)、土田基偉(常総学院)、SO杉井龍哉(開志国際)、SO/FB隈江隆希(高鍋)、CTB河合元輝(光泉カトリック)、植木秀哉(仙台育英)、山口健志(高川学園)、CTB/SO吉田快斗(大分舞鶴)、CTB/WTB横山敢大(日本航空石川)、湯田藍琉(日大明誠)、CTB/FB西條歩(常翔学園)、WTB山下仁大(高川学園)、WTB/FB白石呂偉(中標津)、海島泰雅(京都工学院)、宮里流空(大産大付)、中川快星(福岡工大城東)が加入した。白石が春季大会でメンバー入りを果たした。

高校日本代表HOの齋藤は流通経済大で大学の頂点を目指す

法政大学に花園優勝校から2人加入 立正大学には大量33人

リーグ戦で13度を誇る法政大学。今季は22人のルーキーが入部した。

FWはPR鈴木心温(公文国際学園)、西垣眞之介(大分舞鶴)、HO/LO/FL加藤廉太郎(城西大川越)、LO/NO8諏訪賢介(茗溪学園)、LO森将太郎(國學院久我山)、FL/LO伊東愛晄(秋田工業)、FL小関僚(関商工)、神取千裕(中部大春日丘)、FL/HO安田颯汰(早稲田摂陵)、FL/LO横溝育朗(國學院栃木)が入った。

BKは花園を制した桐蔭学園からSH飯田隼敏、CTB徳山凌聖の2人が加入。さらにSO/FB小林利仁(昌平)、CTB/SO工藤大和(清真学園)、CTB中尾日南汰(昌平)、CTB/SO福本亘(報徳学園)、村瀬開(北園)、WTB/CTB石山潤(法政第二)、WTB/FB朱啓太朗(法政第二)、WTB山崎祐吾(昌平)、FB/CTB菅原幹太(大阪桐蔭)、FB/SO星野瑛太(明和県央)が入った。

春季大会で小林、福本、星野が先発の座を射止め、森、小林も途中出場した。昨季は5位で全国大学選手権出場を逃してした法政大とっては、1年生がチームに大きな活力を与えるかもしれない。

昨季6位の立正大学は今シーズンで4年連続1部での戦いとなる。悲願の全国大学選手権出場を目指し、33人が加入した。FW第1列はPR大久保太智(青森山田)、加藤藍斗(男鹿工業)、小田翼(北越)、 鈴木誠基(國學院栃木)、HO澤田晃希(本庄第一)、大森悠音(仙台育英)、小澤勇人(熊谷工業)と7人が加入した。

LOは横山翔(熊谷工業)、藤村仁胡(黒沢尻工業)、寺原智哉(大分東明)、佐藤礼二郎(作新学院)、今田武蔵(南山)、ヴェア・シオシウア(NZ・ディルワーススクール)。バックローはFL宮下隆誠(東福岡)、塚越陽(開志国際)、平岡駈琉(仙台育英)、河野遼太郎(高鍋)、杉田脩(本庄第一)、山内海愛(國學院栃木)が入部した。

BKはSH下井田雄斗(國學院栃木)、畠山凛星(黒沢尻工業)、山下航汰(鹿児島工業)、SO小磯泰殻(石見智翠館)、惣坊漣(昌平)、CTB石丸獅旺(倉敷)、牧野兼昇(桐生第一)、武曽博利(天理)、若林慶(大阪桐蔭)、吉富恋音(鹿児島工業)、WTB林凛太郎(石見智翠館)、原田壮真(深谷)、山田一雅(東福岡)、FB岩崎瑛汰(本庄第一)が加わった。春季大会では宮下が先発し、畠山、杉田、横山、武曽、河野、山内、原田らがベンチ入りを果たした。

日本大学と関東学院大学はFWの新人に注目

昨季は7位となり、やや不本意に終わった日本大学には24人のルーキーが加入した。伝統的にスクラム、モールが強くFWの新人にも注目。高校から大学ではスクラムのルールが変わるため、1年生の台頭はもう少し時間がかかりそうだが、秋にはルーキーがメンバー入りするかもしれない。

PRは大宮悠希(中部大春日丘)、大石暖人(高川学園)、高野大誠(熊本西)、青山修輔(目黒学院)、長田聖也(東海大相模)、橋口幹太(石見智翠館)、中辻大凱(佐賀工業)と7人。HO片渕築(佐賀工業)を加えると、FW第1列は8人が加入した。

バックローは大塚惟士(東海大福岡)、田所壯心(東海大相模)、尾形仁(大分東明)、川内柊(長崎北)、藤原悠希(盛岡工業)、斎藤楓太(目黒学院)、吉田勇玖(盛岡工業)が入部した。

BKは9人と少数精鋭。SH初鹿野樹(日川)、SO松下亮介(國學院久我山)、SO/FBサミペニ・オツコロ(NZ・デラセラカレッジ)、CTB須藤大智(國學院栃木)、櫻井喜丸(目黒学院)、CTB岩崎倫也(東海大相模)、WTB/FB市ノ川瑛仁(東京)、FB/WTB吉田丞志(崇徳)、FB五島悠翔(東海大相模)が入った。

春季大会の最終戦では市ノ川が先発し、大宮、初野鹿、吉田が控えメンバーに入った。

昨季は最下位で入替戦に回った後、中央大学に勝って残留を決めた関東学院大学は、全国大学選手権勝6度を誇る名門。今季こそ飛躍のシーズンにしたいところだ。

今季はFWが15人、BK7人の22人が入部した。FWはPRがレイルア・カイロス(倉敷)、菊地怜央(盛岡工業)、佐藤大翔(仙台育英)、小島慶大(倉敷)、菅原央介(昌平)、錦城遼星(石見智翠館)、宮下拓実(新潟工業)と7人、HOは西岡凌我(石見智翠館)、星加泰弥(西条)、LOは多川慶次郎(栄徳)、北井寛人(日川)が入った。FLは横田実優(明和県央)、増渕陽太(國學院栃木)、岡本大輝(湘南工科大付)、坂本翔宇(報徳学園)の4人。

BKはSH室伏勘太(開志国際)、SO二宮海渡(東京)、CTB遠藤夏輝(開志国際)、大野瑛介(新田)、WTB都留応允(明和県央)、上田健心(札幌山の手)、大竹光(宮古)が加入。好調の春季大会ではすでに多川、室伏、都留が先発し、坂本が途中出場した。

各チームとも夏にかけて新人がどれだけ伸びていくかが、上位進出の鍵を握りそうだ。

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