ラグビー

両親ともオリンピアン、関東の有望選手、海外からも―― 関西Aリーグのルーキーたち

桐蔭学園の花園2連覇に貢献、高校日本代表の司令塔でもあった丹羽は同志社大学へ(すべて撮影・斉藤健仁)

関西の大学ラグビー界は近年、天理大学と京都産業大学の2強が目立つ。今春は、そのほかの大学にも有望選手が続々と入部。関西大学Aリーグのルーキーをまとめた。

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昨季王者・天理大学には45人 海外からも

昨季は4年ぶり13回目の関西制覇を果たした黒衣軍団・天理大学には45人の新人が入部している。

天理高からはキャプテンだったCTB内田旬を筆頭に、FL山元大暉、平岩悠三、NO8竹内喜心、SH渡辺天心、SO安川和志、CTB飛峪龍馬の7人が大学でも競技を続ける。

その他、FWの第1列から見ていくとPR青木寛(浮羽究真館)、田中聖也、名古路幸大(ともに光泉カトリック)、平島拓真(石見智翠館)、身野航基(常翔学園)、森成悟(都島工業)、岡田豊隆(日本航空石川)、奥田蒼生(飯田)、HO本多正嗣(長崎南山)、長位剛臣(金光藤蔭)、台湾からの留学生・許偉倫(竹圍)の11人が加入した。

LOは森田一毅(京都工学院)、高田聖龍(興國)、鈴木悠介(洛北)、伊東悠汰(萩商工)。FLは米田令(日本航空石川)、本吉駿太郎(大産大付)、中西健(朝明)、玉田隼斗(京都成章)、大庭蓮(高川学園)、兄が今季のキャプテンの一人である上ノ坊友騎(市立尼崎)。NO8にはカイアヌアヌ・セニセニ(日本航空石川)、オースチン・ニーム(ブリスベンボーイズ)が加わった。

BKはSH山口廉(御所実業)、 林駿吾(日新)、中尾一心(セントトーマス)。SO林翔吾(日新)、小島咲汰郎(山梨学院)、新晴人(御所実業)。CTBフコフカ・ルカス(高知中央)、神田純太(上宮太子)、安達奏太(報徳学園)、米澤泰成(神戸科学技術)、WTB恩田暖(東海大相模)、 大西瑠海(青森山田)、上田悠真(御所実業)、FB堀元喜(関商工)、久住誓蓮(石見智翠館)が入部している。

石見智翠館の久住は関西王者・天理大学に進学

ルカスが早稲田大学に勝利した強化試合に先発した。

現在は部員の不祥事で活動自粛中。秋のリーグ戦に出場ができるかどうか、今のところ見通しはついていない。

京都産業大学には西日本の有力校を中心に23人が入部

昨季2位に入り、全国大学選手権でも4シーズン連続ベスト4に入った京都産業大学。今季も23人の有力な選手が加わっている。

伝統的にスクラムとモールが強いFWには、強豪校を中心にPR打田群己(大阪桐蔭)、津曲勇紀(高鍋)、小方蓮斗(城東)、PR/NO8佐野零樹(東海大相模)、HO池本虎雅(常翔学園)、濱田素良(東海大大阪仰星)、LO住田美尋(京都成章)、ピニラ・ハンス(名護)、LO/PR浅田王輝(東海大大阪仰星)、LO/NO8ガロビィ・イオセフォ(大分東明)、LO/FL飯沢慶大(日本航空石川)、FL渡辺遥己(京都成章)、NO8本多守人(御所実業)、ベネディクト・アカウオラ(興国)と14人が加わっている。

東海大大阪仰星から京都産業大学に進んだ浜田はすでに存在感を発揮

BKにはSH森安優裕(御所実業)、上村純大(四日市工業)、SO朝野楽(常翔学園)、SO/FB丸尾拓真(関大北陽)、CTB/WTB乗松龍志(京都成章)、CTB/NO8徐志聖(大阪朝鮮)、CTB若山遙斗(御所実業)、WTB広川陽翔(京都工学院)、隅田陸斗(東海大大阪仰星)の9人が入部した。

昨季の花園で準優勝した東海大大阪仰星出身の濱田と隅田、さらにイオセフォ、上村が関西大学春季トーナメント出場を果たした。同トーナメントでは準優勝。新人の力を借りながら、今季は関西王者を奪還し、初の大学選手権決勝を目指す。

近畿大学には関東の強豪も含む31人の新人 

昨季は全国大学選手権出場を果たした近畿大学には31人の新人が入部した。

近大付からLO和田海凛、中村輝摩、FL市野悠真、SH/WTB今泉幸輝、CTB/SO渡邉壮一郎、CTB/FB中野颯大の6人、近大和歌山からLO/FL田中珂偉が大学でもプレーする。

他にも得意とするFW第1列にはPR中山珀(城東)、鈴木俊宇(尾道)、PR/FL/HO眞鍋蓮之輔、HO光安翔平(ともに大阪桐蔭)の4人。さらにLO/NO8山本力優(石見智翠館)、FL吉澤崚介(熊野)、古谷元太郎(常翔学園)、FL/NO8神保友海(石見智翠館)、NO8平野聖明(関大北陽)が加わった。

BKはSH尾﨑心哉、SO松原一希(ともに流通経済大柏)、SO土屋心和(高鍋)、SO/CTB寺本大睦(報徳学園)、CTB吉田幹太(大分東明)、WTB/FB藤原悠平(尾道)、FB山﨑祥永(天理)が入部した。

春季トーナメントに平野、吉田が出場。今季もFWを武器に、関西でも上位、さらに全国を目指したい。

中高大連携の関西学院大学は内部進学のほか強豪からも

昨季は4位で大学選手権を逃した関西学院大学は中高大で連携して強化している。兵庫県内の強豪でもある関西学院高からは、PR植浦駿介、川越寛太、FL居場嘉士、FL/SH熊野貴心、FL/NO8藤本涼雅、CTB杉山莞二郎、WTB成田陸の7人が入った。

さらにFWはPR山下大輔(東海大大阪仰星)、HO/PR河内晟歩(流通経済大柏)、HO中居春之助(芦屋)、HO沼壱希(石見智翠館)、LO/FL梁瀬将斗(東福岡)、廣瀬陽太(京都工学院)、山田涼太(石見智翠館)、FL伊藤倫太朗(西南学院)、FL宮本武宗(筑紫)、NO8/FL佐藤英翔(大分舞鶴)、福田周平(尾道)、立木碧(嘉穂)の12人が加わった。

BKはSH柴崎允希、SO/CTB原田崇良(ともに石見智翠館)、SO/FB田中義政(九産大九産)、CTB/SO榊原柔太(中部大春日丘)、CTB青田佳三(尾道)、田中眞耶(京都成章)、WTB山添仁琴(大阪桐蔭)、土屋嘉之介(静岡聖光学院)、WTB/FB牟田凌凰(御所実業)、FB/SO新井竜之介(石見智翠館)、FB/SO池田紘生(名古屋)の11人が入部した。

春季トーナメントでは新井、原田、成田が先発、川越と青田もベンチメンバー入り。30人の新人がチームの大きな力となる。

東福岡でレギュラーだった双子の梁瀬兄弟は、弟・将斗(左)が関西学院大学、兄・拓斗(右)は立命館大学に

年代別代表経験者ら入部の立命館大学

昨季は下位チームには勝利して3勝したが、上位チームには勝つことができず5位だった立命館大学。今季は27人が加わった。

FWはU19、U20日本代表で活躍したLO加賀谷太惟(東海大相模)を筆頭に、PR荒玉龍之介(常翔学園)、木澤翔斗(流通経済大柏)、長谷冠熊(光泉カトリック)、宮本将司(石見智翠館)、廣岡凜太郎(大阪桐蔭)、新屋晴仁、PR/HO児嶌隼士、HO浅井翔伍(いずれも福岡)、田邊陽(洛北)、LO/PR矢野倖涼(名古屋)、FL梁瀬拓斗(東福岡)、大塚凜汰(三島)、FL/NO8齋藤善(東海大相模)、保立凌汰(静岡聖光学院)、NO8木村心翔(明和県央)が加入した。

BKはSH石橋飛佑(立命館宇治)、SO有村昇祐(神戸科学技術)、SO/CTB木田斗来(東海大大阪仰星)、CTB川口慧大(大分東明)、井上然心(済々黌)、松村崇弘(千種)、WTB/CTB中田悠太(長崎北陽台)、齊藤泰生(東海大大阪仰星)、WTB/FB宗景桜大(佐野日大)、WTB安河内俊介(福岡)、FB宮﨑奏斗(四日市工業)が入部した。

京都産業大を下して初優勝を果たした春季トーナメントでは川口、加賀谷が先発し、中田、齊藤、廣岡らが途中出場。すでにチームの力になっており、勢いのまま12年ぶりの関西制覇を目指す。

東海大相模から立命館大学に進んだ加賀谷はU19、U20日本代表に入った注目選手

同志社大学には花園2連覇の司令塔や両親がオリンピアンのルーキー

昨季は入れ替え戦こそ回避したが、6位に終わった「関西の雄」同志社大学。OBの永山宜泉監督が就任した今季こそ、上位進出を果たしたいところだ。

ルーキーは22人が入部した。最注目の新人は桐蔭学園を花園2連覇に導いた高校日本代表の司令塔SO丹羽雄丸だろう。さらに大阪桐蔭のFWの中軸だったHO芦髙優一、両親ともにオリンピアンのLO朝原大河(京都成章)、東福岡の司令塔だったSH中嶋優成も入った。

司令塔として出色のセンスで高校時代から注目を浴びていた丹羽は出身地・関西でのプレーを選択

他にFWはPR竹ケ原大輝(函館ラ・サール)、HO浦松大也(國學院久我山)、FL家大祐(常翔学園)、FL 木下航平(磐城)、前川竜之介(大阪桐蔭)、NO8西本龍太(報徳学園)、BKはSO田﨑果(長崎北陽台)、CTB河野剛大(高鍋)、CTB阪本貫太(大阪桐蔭)、園田攻晴(常翔学園)、幡享祐(東海大大阪仰星)、吉田篤史(筑紫)が加入した。

系列校の同志社香里からはPR朝長秀斗、LO辻本駿、SH立山朔馬、CTB高岡勇仁、FB土手野蒼良の5人、同志社からWTB笠野将暉が入部。すでに丹羽のほか浦松、西本、中嶋らがAチームの試合に出場している。

摂南大学、関西大学も有望新人が続々

近年、上位チームとの接戦が増えて確実に、力を付けている摂南大学。ただ昨季は1勝しか挙げられず入替戦で残留を決めた。

新人は28人。関西の強豪校を中心にFWが18人加わった。FWはPR大石俊太(関大北陽)、中山晴斗(東海大大阪仰星)、峯松音和(彩星工科)、米丸颯哉(日新)、PR/LO岩月耀賢(甲南)、HO岩谷竜太郎(石見智翠館)、島崎一星(天理)、山田登路(洛水)、LO木下凱登(東山)、西村俊哉(大産大付)、FL奥島悠斗(東海大大阪仰星)、押谷吉都(京都工学院)、野田涼太郎(折尾愛真)、広田晟太郎(興國)、松井海(常翔学園)、NO8河村大空(天理)、新田竜生(門真西)、本多喬晟(常翔学園)が加わった。すでにNO8河村が春季トーナメントに出場している。

BKはSH鈴木陽太(山形中央)、谷川絆(神戸科学技術)、山中琉生(京都成章)、SO大谷虎太郎(和歌山工業)、CTB木戸秋芽(折尾愛真)、水口文太(御所実業)、CTB宮崎開久(松山聖陵)、WTB南琉太郎(東海大大阪仰星)、FB辻優年(若狭東)、FB藤井星成(東山)の10人が入部している。

中部大春日丘でキャプテンを務めた川島は関西大学でも中心選手を目指す

摂南大と同じく、入れ替え戦で残留を決めた関西大学は吹田みらいキャンパス内に、ラグビー部専用の人工芝グラウンドが新設された。心機一転、今季は40人ものフレッシュマンが加入した。

系列校であり、関西の強豪校に成長した関大北陽からPR達智陽、LO/FL中江燈汰、FL戸倉優和、和喜昴空、SH坂本蒼莞、CTB般谷一慧、有冨隆之輔、WTB細井一志、WTB/FB殿谷琉生の9人が入った。

そのほかFWはPR川島大虎(中部大春日丘)、川相喜由(大阪桐蔭)、門脇諒真(天理)、HO臼井大晟(桐蔭学園)、沢田隆盛(東福岡)、LO桑田剛志(城東)、藤宗磨(常翔学園)、LO/FL小森幹太(東海大大阪仰星)、辻井春希(尾道)、FL吉川大貴(石見智翠館)、渡邊稀⼋(洛北)、FL/NO8坂本剣心(筑紫)、横内大悟(東海大大阪仰星)が入部。

BKもSH中川翼(石見智翠館)、SH/SO池田晃太朗(高鍋)、SO/FB堂免遙生(尾道)、CTB古川煌梁(筑紫丘)、CTB石原武(東福岡)、深澤和真(國學院久我山)、成瀬律旗(尾道)、中西佑吾(木本)、CTB/SO溝端琉碧(石見智翠館)、江守逢貴(光泉カトリック)、CTB/FB安藤駆(大分舞鶴)、WTB森岡泰望(倉敷)、森康之祐(長崎北)、岩﨑敬也(尾道)、山口武蔵(天理)、遠藤義久(東福岡)、WTB/CTB金也郁(芦屋)、FB/SO岡本大樹(大分舞鶴)が加わっている。すでに公式戦では堂免が10番を背負い、岡元、安藤、川島、有冨、坂本、山本がメンバー入りを果たしている。

天理大、京都産業大の2強時代が続く関西大学Aリーグ。今季は新人が台頭し、2強の間を割って入る大学が現れるか注目したい。

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