陸上・駅伝

連載:西村菜那子の大学陸上もっと推し活!!!!

西村菜那子が振り返る、春の高校伊那駅伝 テレビに映りきらなかった選手たちの活躍も

伊那駅伝の番組応援サポーターを務めさせていただきました!(撮影・齋藤大輔)

みなさんこんにちは!

3月24日に春の高校伊那駅伝が開催されました。長野県伊那市で全6区間、42.195kmで行われるこの大会は、1、2年生のみが出場する春の新人戦となっています。今年は男子127チームが伊那路に集結。そしてありがたいことに番組応援サポーターとして出演させていただきました。ご覧いただいたみなさん、ありがとうございました!

洛南高校が3年ぶり2度目の優勝!

大会前日の伊那市はあいにくの雪。発着となる伊那市陸上競技場には雪が積もっていました。ただ当日は雪がやみ、天気は曇り。選手たちは少し肌寒そうでしたが、比較的走りやすい気候でもあったと思います。

今年の伊那駅伝は、洛南高校(京都)が3年ぶり2度目となる優勝を果たしました。1区の井上優人選手(2年)が区間賞の走りで好スタートに成功すると、2区の加嶋翼選手(2年)は少し順位を落としましたが4位で耐え、3区橋本颯人選手(2年)へ。

ここで橋本選手が先頭の学法石川高校(福島)をとらえ、トップに浮上。続く4区の三宅悠斗選手(2年)が後続を突き放す走りを披露し、見事に区間賞を獲得しました。5区の前田結人選手(1年)と最終6区の谷口僚哉選手(1年)の1年生コンビもトップを守り抜き、優勝をつかみ取りました。

昨年の全国高校駅伝で7位に入り4年連続の入賞を果たすなど、安定した強さを見せている洛南高校。昨年の秋に奥村隆太郎監督にインタビューしたところ、「今年度のチーム状況は誰かが突出しているというより、みんなが力を試し合い、成長し合うまとまりの良いチーム」とおっしゃっており、チームの状態が上向いていることは実感していました。

昨年12月の全国高校駅伝で洛南高校は7位入賞でした(撮影・新井義顕)

ただ、今回の伊那駅伝はチームの主力である井上朋哉選手(2年)や、スピードが持ち味の川口峻太朗選手(2年)、奥野恭史選手(1年)が欠場。私は優勝を予想していなかっただけに、洛南高校の粘り強さと駅伝力に感服しました。

洛南高校のOBには順天堂大学を卒業された三浦龍司選手や、駒澤大学の佐藤圭汰選手(2年)など数多くの有名ランナーがいます。以前、奥村監督に「強くなるランナーに共通してること」を尋ねたところ、「自分は強くなれると信じている選手」と教えてくださいました。

強くなりたいという意志以前に、まずは自分のことを信じて自己肯定感が高いことが大事で、過去強くなった選手に共通していたそうです。今回の結果を受け、さらに洛南高校から日本を代表するランナーが誕生する予感がしました。

洛南の主力・井上朋哉選手。写真は2月のU20日本選手権クロスカントリー競走(撮影・藤井みさ)

改めて際立った、スーパールーキーの強さ

2位には地元の佐久長聖高校(長野)が入りました。

昨年の全国高校駅伝で優勝、今回の伊那駅伝も優勝候補筆頭でしたが、エース格の佐々木哲選手(2年)が体調不良で欠場というハプニングがありました。それでも全国高校駅伝で活躍した篠和真選手(2年)や濵口大和選手(2年)の活躍が光り、見事な準優勝でした。

アンカーを務めた濵口選手は、地元の徳島県からご両親が応援に駆けつけたそうです。濵口選手には、大会の1週間前にインタビューさせていただきました。少し話はそれますが、濵口選手はホームシックになったことがなく、実家にあまり帰らないため両親から「たまには帰ってよ」と連絡があったそうです。アンカーで順位を一つ上げ、2位に導いた走りを見られたことは親御さんにとってうれしかったと思います。

佐久長聖の濵口大和選手はU20日本選手権クロスカントリー競走で優勝も(撮影・藤井みさ)

3位は学法石川高校でした。最も注目を浴びたのは2区の増子陽太選手(1年)。17位で襷(たすき)を受けると、レース中盤4.7km付近で先頭集団に追いつき、止まることなく抜き去り、区間記録を2秒更新する走りでトップに立ちました。

増子選手は入学当初からトラックで活躍し、昨年11月には5000mで高校1年歴代2位の13分54秒16をマークしています。全国高校駅伝ではエースが集まる1区に起用され、区間5位。さらに4月24日から開催されるU20アジア選手権大会に3000m代表として選出され、正真正銘の世代ナンバーワンルーキーです。

今回の伊那駅伝はスーパールーキーの強さが改めて発揮された大会になりました。

52人抜きに、区間記録更新も!

また、放送に映りきらなかった活躍もありました。

1人目は2区を走った埼玉栄高校の岸本駿吾選手(2年)。1区で64位と出遅れましたが、なんと52人抜きの走りでチーム順位を12位に上げました。九州学院高校(熊本)の4区・椙山一颯選手(2年)は24位で受けた襷を8位にまで押し上げました。5区を走った札幌山の手高校(北海道)のガユサミュエル選手(1年)は驚異の13分56秒(5.1km)をマークし、区間記録を更新しました。

これらはほんの一例です。

伊那駅伝は出場チーム数が多いため、放送で映しきれない選手が大勢いたのですが、大会を通じて様々な選手を知ることができました。

ここからまた4月に新入生が加わり、チームは生まれ変わっていきます。高校も伊那駅伝、全国高校駅伝、インターハイと注目すべき大会がたくさんあります。

未来の箱根ランナーたちを高校時代から応援していきましょう!

西村菜那子の大学陸上もっと推し活!!!!

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