B.Hopeのオンライン授業で中学生と交流する茨城ロボッツの平尾充庸選手 ©B.LEAGUE

コロナ禍でも子どもたちへ元気を届ける プロバスケ選手による中学生のためのオンライン授業

2021.1.29

1月15、16日に開催予定だったB.LEAGUEの「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2021 IN MITO」は新型コロナウイルス感染症の影響で中止になり、オールスターゲーム前日に予定されていたB.LEAGUE選手による、開催地・茨城県水戸市の中学校訪問も見送った。こうした中、コロナ禍で多くのプレー機会が失われた中学生にエールを送るために、「#バスケに卒業はない!」と題して、茨城県内のバスケットボール部に所属する中学生に向けたオンライン授業が行われた。

選手と中学生がオンラインでつながる、B.Hopeの活動

2016年よりB.LEAGUEの社会的責任活動の一環として立ち上がったB.LEAGUE Hope(以下B.Hope)。これまで震災の復興支援活動やオールスターゲームでのチャリティーオークションなど、選手たちを巻き込んでさまざまな活動を行ってきた。しかし、昨年から続く新型コロナウイルス感染症の影響により、活動も形を変えざるをえなくなった――。

昨年は、「コロナ禍でバスケットボールを思いきり楽しめない子どもたちに何かできないか」という思いのもとクラウドファンディングの特設サイトを開設し、子どもたちへボールのプレゼントなどを行ってきた。そして、子どもたちに少しでも“元気を届けるために”“バスケを楽しむために”B.Hopeが1月14日に開催したのが、オールスターゲーム出場予定だった選手によるオンライン授業だ。

中学生約90名(約45名×2回)が参加したオンライン授業 ©B.LEAGUE

食育やコンディションの授業から、選手たちの中学時代のエピソードまで

食育やコンディションの整え方、そして選手たちの中学時代などについて、選手と中学生が交流する約40分の特別授業。2回開催されたオンライン授業の第1回に参加したのは、宇都宮ブレックスの比江島慎選手、千葉ジェッツの富樫勇樹選手、そして地元・茨城ロボッツの平尾充庸(あつのぶ)選手だ。

まず3選手が話したのが中学時代の話。「当時からプロ、日本代表を目指していたので、バスケ漬けでしたね」。そう語るのは、日本代表のガードである比江島選手。青春の大半をバスケにかけていたからこそプロ選手としての“いま”があることを中学生に伝える一方で、「中学時代はバスケ以外の情報や知識を勉強することも必要です」と語る。

日本代表の司令塔・富樫選手は「その頃から将来はバスケで生活がしたかった」。中学3年時には監督だった父のもとで全国優勝。中学卒業後はアメリカに留学し、さらなる飛躍を遂げた。

茨城ロボッツの主将としてチームを引っ張る平尾選手も、中学時代から「プロになりたい」と考えていた。自主練習にも兄弟で励んでいたという。平尾選手は「プロになった今、中学時代にもっと英語を勉強しておけば良かったです。プロになりたいのなら、中学時代はいろいろなことを学べる時期なので、バスケ以外に必要だと思うことにもチャレンジしてほしい」と勧める。

授業にはB.LEAGUEのサポーティングカンパニーでもある大塚製薬監修の「食事とコンディション」をテーマにした講義も開催。試合当日に最高のプレーをするために試合前日の夜に食べるのを控えたほうがよいものの話から、睡眠を上手に取る方法、そしてコンディションの整え方の話まで、選手の経験もまじえて中学生プレーヤーに向けての授業が行われた。憧れのプロ選手の中学時代のエピソードに、真剣な表情でじっくり耳を傾ける中学生たちの表情が印象的だ。

コンディションの整え方の授業は、選手にとっても参考になったようだ ©B.LEAGUE

憧れのプロ選手との交流でモチベーションを高める

選手と中学生の交流の時間では、プレーからメンタル面の話まで及んだ。「自分のプレーにどうすれば自信が持てるか?」という質問に、「人それぞれだと思うが、練習でやったことしか、コートでは表現できない。練習を繰り返すことが大事」と平尾選手。「ワンハンドシュートの練習をするときは何を意識すればいいのか?」という質問に対し、富樫選手は「シュートは手だけではなく、足を使うことも大事。フォームを身に付けるには少しずつ距離を遠くしていくのも一つの方法」と実践的なアドバイスをする。

2回目の授業には川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手、サンロッカーズ渋谷のベンドラメ礼生選手、茨城ロボッツの福澤晃平選手が参加。こちらも中学生が目を輝かせながら、トップ選手の話を聞いていた。最後は篠山選手が「みんなに直接会えなかったのは残念だが、絶対に為になる内容だったと思うので、これを機会に何か明日からバスケに対する意識や行動をちょっとずつ変化させてみてください。これからどんどん進化していく日本のバスケットボールをみんなで一緒に盛り上げていきましょう!」と中学生へ呼びかけた。

中学生に向けて話をする篠山選手 ©B.LEAGUE

B.LEAGUEで活躍するトップ選手と触れ合えたことは、中学生にとって得難い経験。中学生たちは、「すごく楽しかった。もっとバスケのことを知りたいと思った」「オールスターゲームが中止になったのは残念だったけど、オンライン授業があってうれしかった。高校でもバスケを続けるので、食事の話が聞けて参考になった」「コンディションを整えるのは難しそうだけど、Bリーグの舞台に立つのを目標に取り組みたい」など、声を弾ませた。

オフコートでも世の中を元気にしたい

今回のオンライン授業は、選手にとってもよい機会になった。比江島選手は「あらためて新しい知識を吸収できました。これからのパフォーマンスにつなげたいです」と話す。「オンラインにはなりましたが、地元の中学生と触れ合えて良かったです」と振り返るのは平尾選手。「コロナ禍だからこそできることはたくさんあります。自分たちができるB.Hopeの活動を、実際の行動に移すことが大事」と続ける。富樫選手は「プレーだけでなく一人のプロ選手としてオフコートでも発信をすることで、何か感じてもらえると嬉しいです」と言葉に力を込める。B.LEAGUEの選手はこれからもオンコートではもちろん、オフコートでも世の中を元気にする、そして子どもたちのためにB.Hopeの活動を継続していく。(文・上原伸一)

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