今年1月に沖縄で開催されたBリーグオールスターゲーム ©︎B.LEAGUE
BリーグはEY Japan株式会社と、2024年1月12~14日に沖縄市において開催された「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA」(以下「オールスターゲーム」)の経済波及効果および社会的価値を算出した。約8.4億円の経済波及効果と約28.2億円の社会的価値を創出し、その非財務的価値の合計は約36.6億円となった。
また、全ステークホルダーが投下したコストに対するSROI(Social Return on Investment=社会的投資収益率)は、3.46となり、オールスターゲームへの100円分の投資が346円分の社会的価値の創出につながったと分析。さらに、別途、オールスターゲームの「バスケットLIVE」でのLIVE配信における社会的価値を測定したところ20.8億円という結果になった(*)。
Bリーグは、EY Japanと2022年10月にサポーティングカンパニー契約を締結し、Bリーグならびに参画するクラブの基盤である地域コミュニティの活性化や地域社会の経済循環を促し、社会課題解決に向けた取り組みを行っている。本調査は、パートナーシップの一環として、2023年1月に開催された「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」における調査に続き実施したもので、オールスターゲームが地域やステークホルダーにもたらす経済的・社会的価値の測定・分析を行い、成長のための計画立案やスポーツファイナンスの活性化に役立てることを目的としている。
オールスターゲームの経済波及効果および社会的価値は、アンケート調査結果および各種データに基づいて算出。経済波及効果は、当日の来場者による消費やイベントの運営費用などを通して域内(沖縄県)に発生する直接効果と、直接効果に誘発される間接波及効果の合計で算出した。また、アンケート調査による観戦者の宿泊者割合は約33%で、一定程度の宿泊需要が発生したことがわかった。
社会的価値の算出指標となる「アウトカム」には、オールスターゲームに参加した人を対象に、①ウェルビーイング(幸福感、楽しさ)、②ヘルスリテラシー(健康意識)、③ヒューマンキャピタル(自己成長)、④ソーシャルキャピタル(コミュニティでのつながり)、⑤集団的アイデンティティ(シビックプライド)の5項目を選定。この5項目についてアンケート調査を行い、消費者が支払っても良いと考える対価を調査し貨幣換算する手法(WTP:Willingness to pay)によって、社会的価値を金銭換算した。さらに、メディアへの広告掲出の状況から金銭換算した⑥沖縄のブランドバリュー向上の金額を加えた。
本調査結果では、43%もの沖縄県民がオールスターゲームの開催を認知しており、バスケ熱が高く最先端のアリーナを擁する沖縄らしい開催効果が集団的アイデンティティやウェルビーイングの高い数値に表れている。他方、ヘルスリテラシーを感じた人の割合が少なく、健康サービスを提供するパートナー企業とのアクティベーションや、体験型のイベントなどにより、社会的価値のさらなる向上が期待できるという示唆が得られた。今後は、地域特性を踏まえた上で、イベントやスポーツが地域にもたらす効果を定量化する本調査のアプローチをスポーツファイナンスなどに活用することを検討していく。
本調査の詳細はこちらのレポートから。
(*)LIVE配信における社会的価値は、オールスターゲームにおける社会的価値の合計金額36.6億円に含めていない。
■B.LEAGUE チェアマン・島田慎二 コメント
オールスターゲームの経済波及効果および社会的価値の算出を、昨年に続き本年もEY Japan様のご協力のもと実施いたしました。「革新性」と「地域創生」を目的とした「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA」は、Bリーグ史上初の3DAYS開催でした。アリーナのみならず隣接する陸上競技場でのアーティストライブや花火、ドローンショー、グルメフェスや様々な体験ブースなど実施し、ライブスポーツエンタメの飛躍的なレベルアップに挑戦した取り組みです。その挑戦の結果、琉球ゴールデンキングスと沖縄アリーナが地域で育んできたバスケ熱も加わり、非常に高い経済波及効果と社会的価値をもたらすことができました。BリーグはEY Japan様と共に、本調査から得た学びを活かしながら、全国のクラブと共に地域創生や社会的価値に通じる取り組みへの挑戦を続けて参ります。