大学バスケ

河村勇輝はなぜすごい 東海大の小さな大型新人の秘密

B1三遠の入団会見で笑顔を見せる河村勇輝(左)と鹿毛誠一郎GM(撮影・松本行弘)

男子バスケットボールで東海大学へ進んだ河村勇輝(19)が、Bリーグの2019-20シーズン表彰で新人ベスト5に選ばれた。福岡第一高を全国高校選手権2連覇に導いた後、特別指定選手として三遠ネオフェニックスに加入。11試合の出場だったが、強烈な印象を残した。身長172cmのポイントガードは何がすごいのか。三遠が発信するYouTube『カゲトーーク』でも人気がある鹿毛(かげ)誠一郎ゼネラルマネジャー(GM)に聞いた。

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東海大学の一員となった河村勇輝(c)Tokai Univ. SEAGULLS

『カゲトーーク』の鹿毛GMが感じたこと

昨年暮れの高校選手権で有終の美を飾った河村は、125日の千葉ジェッツ戦でデビュー。22分出場して8得点を挙げ、出場と得点のB1最年少記録(188カ月23日)を作った。3月下旬までの契約で、1試合平均の12.6得点と出場時間2213秒は、学校に在籍しながらプレーした特別指定選手の中で1位だった。もちろん、体の強さや連係などに課題はあるが、鹿毛GMは「スタッツ(成績)は大学生のトップと並べても負けていない。新人ベスト5は文句なしじゃない?」と語った。

最年少でB1に出場した三遠の河村勇輝(撮影・宮沢崇志)

GMはコミュニケーション能力の高さも評価する。「ミスしたときに、ベンチから『分かってミスしたのか、分かっていないのか』と思ったときに、こちらを見て手を挙げて『分かっています』とやる。そうすると『おおそうか』ともうちょっと使いたくなる。人たらしです」

高いコミュニケーション能力

三遠は開幕16連敗など勝率でB1最下位だったが、最後はチームが上向きだった。それも、少なからず河村の存在が影響していたとみる。「すべてが初めてで、新鮮にバスケットを楽しみ、思い切りのいい河村のプレーに、活を入れられ、原点に立ち返ったところはあった」。チームは来季に向けて立て直しの最中。「昨季は後半に離される試合が多かったので、粘り強いタフなチームにしたい。彼が帰って来たくなるようにしておかなければいけないですね」とGMは続けた。

全国高校選手権で福岡第一を2連覇に導いた河村勇輝(撮影・河合博司)

数字もすごいんです

GMが数字で注目したのが、フリースローを打った本数のFTAと、シュートを打った本数のFGAだ。

1試合平均のFTA3.9本は日本人選手全体で3位。多くのファウルを誘った証しで、「速攻でどんどん切れ込んでいく。それに100%のスピードから瞬間に止まれる緩急。必死についていって止まるとファウルしてしまう」と解説。FGA9.8本は日本人選手で6位。攻撃2回で1本シュートの計算という。さらに、「勝負所をつかむ感覚、そこで自分の力を出せる集中力」を感じたという。

強豪の東海大学へ進んだ河村勇輝(撮影・瀬戸口翼)

「なぜ、高校生を」 疑う外国選手の心をつかんだ初練習

河村は入団会見の控室ではそわそわしていたが、会見に出た瞬間に顔つきが変わり、キリッと応答。初練習で、外国籍選手には「なぜ高校生を連れてきたんだ」という雰囲気があったが、いきなりいいアシストを続けて見せ、心をつかんだ、というエピソードも鹿毛GMは教えてくれた。

フィジカルと経験を積めばさらに成長

河村がさらに上を目指すにはどうすればいいのだろうか。「ホントしっかりしている。課題としたらフィジカルのところ。オフェンスだとスピードでなんとかなるが、ディフェンスだとフィジカル負けするとどうしても1歩2歩遅れる。そこでシュートを打たれる。ボールがあるところはいいが、ボールがないところの動き。オフェンスもディフェンスも。あとは経験。大学でやるのももちろん、毎年、プロの世界でやっていくといい経験がどんどん積み重なる。代表に早く入ってほしい」と鹿毛GMは期待を込めた。

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