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日清食品株式会社の米山慎一郎さん(執行役員・宣伝部長) 日清食品ホールディングス株式会社の米山慎一郎さん(執行役員・宣伝部長)

高校生世代のバスケをサポート 日清食品の思いに迫る

2022.07.27

「チキンラーメン」や「カップヌードル」、「日清のどん兵衛」、「日清焼そばU.F.O.」など、数多くのヒット商品とロングセラー商品を世に送り出してきた日清食品。食の安全とともに環境や社会貢献事業にも力を入れているが、アスリート支援もそのひとつだ。「HUNGRY TO WIN~世界に食ってかかれ~」をテーマに、挑戦を続けるアスリートたちのチャレンジを後押し。バスケでは「ウインターカップ」や、昨年の関東ブロックを皮切りにはじまった「U18日清食品リーグ」など高校生世代へのサポートも手厚い。そこで日清食品ホールディングスの執行役員で宣伝部長の米山慎一郎さんに、その思いについて話を聞いた。

高校生世代のバスケ界にリーグ戦公式大会が誕生

昨年11月、高校生世代(U18)のバスケ界に、新たな大会が誕生した。大会名は「U18日清食品リーグ」。

これまでは高校生世代の公式戦というと「ウインターカップ」や「インターハイ」などトーナメント戦が主流だったが、「U18日清食品リーグ」の誕生により、リーグ戦方式での真剣勝負の場が増えた。リーグ戦文化で生まれる高校生世代の育成・強化の充実を目的にしたこの大会は、大会名にある日清食品株式会社が特別協賛(後援:公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団)を行っている。

企業がスポーツの大会やアスリートのスポンサーになるのはマーケティング的な側面も大きいが、「弊社の場合は、マーケティングの側面よりも、スポーツの発展と、高校生世代が世界に羽ばたく挑戦を心からサポートすることに価値を感じています」と話すのは、日清食品ホールディングスの米山慎一郎さん(執行役員・宣伝部長)。

「U18日清食品リーグ」への思いを語る米山さん

日清食品の創業者・安藤百福が設立した公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団(以下、「安藤財団」)では「食とスポーツは健康を支える両輪である」という理念を掲げている。日清食品は、「安藤財団」の理念に賛同し、ともに陸上競技やテニス、バスケなど幅広くスポーツ支援を行い、これまでにもジュニア世代のスポーツ支援に多くの力を注いできた。

バスケにおいては以前から商品の協賛などを行っていたが、より深く関わるようになったきっかけは八村塁選手(ワシントン・ウィザーズ)だ。2019年、八村選手が日本人として初めてNBAのドラフトで指名されたタイミングで、グローバルパートナーとしての契約を結んだ。

八村選手は2019年に日清食品のグローバルパートナーに(提供・日清食品ホールディングス)

「もともと頑張っている方々を応援するのが好きな会社なので、スポーツにおいても世界にチャレンジする選手を応援したい気持ちがあります。だからこそ八村選手とパートナーになったのですが、それは弊社の姿勢でもある『グローバルで勝つ』ともリンクするからなんです」

もちろん企業である以上、マーケティング戦略も考えなければ成り立たない。「弊社の商品は『カップヌードル』をはじめ若い方から愛されている商品も多いので、若いアスリートを応援してブランドに触れる機会を作り、末永くファンになってくれたら嬉しいと思っています。チキンラーメンは今年で64年目、カップヌードルは51年目ですが、ともに100年ブランドにしたい、という思いもあります」

日清食品 東京本社に飾られている「カップヌードル」のイラストの前で 日清食品東京本社に飾られている「カップヌードル」のイラストの前で

「モップヌードル」をはじめ、思いやりのつまったサポート

これらの思いのもと、2019年から高校バスケ界の最高峰の大会「ウインターカップ」のサポートをはじめた。米山さんは「スポーツでも、勉学でも、趣味でも、何かに夢中になって取り組んでいる時にそばに寄り添う商品やブランドは、そこから先も親近感があるものになりますからね」と話す。

これは米山さん自身も経験したことだ。高校時代、進路で悩んでいた時に夜中に自動販売機で買って食べたカップヌードル、青春時代に砂浜で食べたカップヌードル、その味と記憶はいまでも深く心に残っている。

未来をつくる子どもたち、世界を目指す子どもたちのための日清食品のサポートには、思いやりも多く詰まっている。2020年の「ウインターカップ」ではコロナ禍の影響で欠場・棄権したチームに対して少しでも寄り添えたらと、効率よくシュート練習ができるシューティングマシンを株式会社ジャパネットホールディングスおよび株式会社モルテンと共同で寄贈した。

また昨年の「ウインターカップ」では、汗で滑りやすくなるバスケコートを安全に保つための必需品であるモップに工夫を加えた「モップヌードル」というユニークなアイテムを提供し、子どもたちに笑顔を届けた。床面に触れる糸をカップヌードルからこぼれ落ちる麺と具でデザインしたモップは大きな話題になり、会場だけでなく、SNSを中心にネット上でも大きな反響を呼び、大会自体も大きく注目された。

昨年の「ウインターカップ」で話題になったモップヌードル SNSを中心にネット上でも大きな反響を呼んだ「モップヌードル」 ©︎JBA

米山さんは「バスケはNBAがそうであるように、エンターテインメント性が高いスポーツですからね。毎年、スポンサーである以上、昨年よりみなさんに喜んでもらいたい、楽しんでもらいたい、驚かせたいという思いがあります」と話す。

「モップヌードル」は、エッジの効いたマーケティング戦略を打ち出す日清食品ならではの発想だ。
「宣伝部の社員の発案だったんです。賛否両論があった中、部員が社長に話をしたところ『面白い! やりましょう!』と了承してくれました。とはいえ、ウインターカップは伝統のある大会ですのでモップヌードルは少しエッジが効きすぎかなという一抹の不安もありました(笑)。ただ大会が幕を開けてみると選手たちからも好評でしたし、『モップがけが楽しくできます』という声も高校生たちから多くもらえたので安心しました」

「U18日清食品リーグ」は今年、各地へ

昨年スタートした「U18日清食品リーグ」だが、2年目となる今年は、昨年度の「ウインターカップ」や「インターハイ」の成績をもとに推薦された男女各8チームが参加する「U18日清食品トップリーグ」(8月~11月に開催予定/男女各28試合)を新設。また「U18日清食品ブロックリーグ」(8月~12月に開催)は、関東ブロックに加え、東海、中国、四国の地域にも拡大し、計4ブロックで各都県から男女各1~2チームが参加し、計90試合が行われる予定だ。

昨年の「U18日清食品リーグ 関東ブロック」男子では千葉の日本体育大学柏高校(青)が優勝 昨年の「U18日清食品 関東ブロックリーグ」男子では、千葉の日本体育大学柏高校(青)が優勝 ©︎JBA

「関東ブロックからはじまったリーグが1年で各地に広がったことは本当に嬉しいです。リーグ戦なので一度負けても次があり、試合数が多くなるので真剣勝負の公式戦を多く経験できますし、選手たちの出場機会も増えます。バスケ界全体のレベルの底上げにもつながります。さらには選手だけでなく、試合数も多いため戦い方をより思考しなければいけませんので指導者の方の成長にもつながると思います」

高校生世代が成長する“場”を、世界に羽ばたくための“場”を整えることが日清食品の思いであり目標だ。「U18日清食品リーグ」でいえば、具体的には長距離の移動や宿泊が伴うチームが障壁なく参加できるように資金面でのサポートをしている他、商品の提供なども行っている。「参加チームからは『カップヌードルを美味しくいただきました』という写真をよく送ってもらっていますが、こちらもその言葉にパワーをもらっています」と米山さんも笑顔を見せる。

バスケの裾野を広げて、世界で戦う選手を増やしたい

「U18日清食品リーグ」では、日本各地の学校やバスケチームを盛り上げていきたいと考えている。「ブロック大会に出場できるように頑張る、そしてブロック大会で優勝を目指して、トップリーグに入る」といった夢をふくらませる高校生世代が増えることを願っている。

昨年の「U18日清食品リーグ 関東ブロック」女子では千葉の昭和学院が優勝 昨年の「U18日清食品 関東ブロックリーグ」女子では、千葉の昭和学院高校が優勝 ©︎JBA

日清食品は「モップヌードル」がそうであるように、スポンサーとして資金面で応援するだけではなく、「こうしたら高校生世代のバスケの注目度があがるのでは」「こうしたらバスケ界が盛り上がるのでは」という提案と実現を重視している。これから各地域に広がる「U18日清食品リーグ」では、「モップヌードル」に続く、そしてバスケをプレーする高校生世代が喜んでくれるような、オリジナリティ溢れるアイテムの提供も考案中だ。

そしてサポートの先にはバスケの発展や、多くのスポーツを頑張る子どもたちの未来をサポートしたい思いもある。

「一部のアスリートだけが強くなるだけではなく、裾野が広がっていくことで、バスケの価値がより高まると思います。そして、裾野を広げることはトップ層のレベルを高めることにもつながります。数年先の未来に、このリーグ戦で活躍した多くの選手がNBAやB.LEAGUEで羽ばたいていると思って応援しています」

日清食品のスポンサーのあり方は、ジュニア世代の育成と強化、そして若い世代の笑顔を支えるためのもので、それは日本のスポーツの発展を支えることにつながっている。昨年スタートしたばかりの「U18日清食品リーグ」をはじめ、これからの日清食品のスポーツ支援にも注目していきたい。


「U18日清食品リーグ」公式サイト