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ウインターカップの大会アンバサダーを務める ©B.LEAGUE

ウインターカップ開幕へ 大会アンバサダー河村勇輝「1試合1試合が熱い戦いになる」

2022.12.20

高校バスケットボール界の最高峰の戦い、第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」(特別協力・朝日新聞社など)が23日、東京で開幕する。大会アンバサダーを務める横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝に大会の見どころを聞いた。

感情を揺さぶられるようなプレー

河村は2017年、福岡第一高校1年時のウインターカップで4位に入り、2、3年時は2連覇を果たした。

「ウインターカップは3年間の集大成の大会。1試合1試合が熱い戦いになる。見ている人も本当に感情を揺さぶられるようなプレーが見られると思います。選手も本当にプレーひとつひとつ、1秒1秒を、限りなく頑張っている」と大会の魅力を語る。

出場する選手たちへ「全力を尽くしてプレーしている姿を見せることが一番いろんな人の心に響く」とエールを送る。

世界に勝つ姿を見せる

年々、注目度が上がっているウインターカップ。さらに関心を集めるために必要なことを聞くと、「ウインターカップのみならず、バスケットボール自体の知名度が上がらないといけない。今の自分であったり、上の世代が担っていかないといけない責任だと思っています」ときっぱり。

先日閉幕したサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会では、日本代表が強豪国を次々と破り、日本中を感動と興奮の渦に巻き込んだ。河村は同じように、世界に勝つ姿を見せることが、バスケ以外のファンに見てもらったり、国民的な注目を集めたりするために必要だと力説する。

「世界に勝つ姿を見せることができれば期待をしてくれると思いますし、それが相乗効果となり、バスケットボールをする人が増えて人気が出ていく。そこでウインターカップや下のカテゴリーにも注目が集まっていくと思います」

来年は「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」が沖縄県で開催される。今回は史上初の3カ国共同開催で、フィリピン、インドネシアも開催地となっている。

河村は今シーズン、Bリーグで躍動し、目標だった日本代表デビューも果たした。「僕は一試合一試合、プレーで結果を残していくことしかできないですけど、ワールドカップが日本開催となれば、おのずとバスケットボールのファンだけじゃない人にも目につく大会になってくると思います。そこでどう結果が残せるかというのが、大事になってくる」ウインターカップに出場した選手の中から将来の日本代表候補が生まれる。次世代の選手のためにも、プロ選手が道を示していかなければならないと、河村は考えている。

ウインターカップの経験がプロの戦いに生きている ©B.LEAGUE

福岡第一に期待「組織力も個々の能力もある」

ウインターカップには全国から男女各60チームが参加し、トーナメント方式で優勝を争う。河村に注目する高校や選手を挙げてもらった。

男子では河村の母校である福岡第一、そして昨年のウインターカップ覇者の福岡大大濠が優勝候補の筆頭だ。

福岡第一はウインターカップ福岡県予選、今夏の全国総体(インターハイ)を制覇。今年新設された「U18日清食品トップリーグ」はウインターカップ前哨(ぜんしょう)戦ともいえる様相で、両校が全勝で勝ち上がり、直接対決となった決勝戦で福岡第一が勝利した。

河村は「福岡第一は本当に素晴らしいチームだと思う。井手口孝先生がしっかり作り上げて、組織力もあれば、個々の能力もある。手のつけられないチームだなと思っている。自分の時になかった日清トップリーグも全勝優勝した。高校生ながらイレギュラーな日程でしっかりと結果を残すことができたのは本物の力だと思います」と評価する。

チームのポイントガードで、河村に憧れているのが轟琉維(とどろき・るい、3年)。河村と同じ背番号8をつけ、容姿やプレースタイルも似ていると話題だ。「ゲームを支配できる選手だと思いますし、スコアもできればアシストもできるディフェンスもできるオールマイティに何でもこなせる選択肢の幅が広い選手だと思います。インターハイやリーグ戦で結果を残しているのは、ポイントカードがしっかりしているからだと思うので、自信を持ってほしいと思います」と活躍を期待する。

ライバルの福岡大大濠についても、「大濠さんの存在がなければ、自分も成長できなかった。お互いに切磋琢磨(せっさたくま)して福岡県のバスケットのレベルが上がっている。本当にリスペクトしているチームです。決勝で当たることになれば、いい戦いが見られると思います」。とくにU18日本代表トリオの湧川颯斗、副島成翔(いずれも3年)、川島悠翔(2年)は気になるプレーヤーだ。

女子は河村と同じポジションであるポイントガードの2人の名前を挙げた。一人はインターハイで準優勝した大阪薫英女学院の都野七海(3年)。U18日本代表の司令塔で卓越したスピードとテクニックを持つ。「地元が山口県で一緒です。素晴らしいポイントカードだと思う」。もう一人はインターハイを制した京都精華学園の堀内桜花(2年)。昨シーズンは1年生ながらスタメンでインターハイベスト4とウインターカップ準優勝に貢献した。「ノールックパスとかもすごく面白い。SNSでよく見ている。発想力持ってプレーしているのが面白い」と話した。

2019年のウインターカップで優勝した福岡第一の河村勇輝(8番、撮影・杉本康弘)

バスケットボール自体を楽しんで

高校生たちの熱いドラマがまもなく開幕する。河村は1年時のウインターカップで福岡大大濠に負けた悔しさが、その後の成長の原動力になった。最後のウインターカップでライバルを破って連覇を成し遂げた時は「3年生の集大成という場で借りを返せたのは本当に気持ちよかった瞬間」と振り返る。

「勝ち負けはあるけれど、僕のウインターカップの一番の思い出というのは、優勝したこと以上に、チームメートと一緒に楽しんでバスケットをして大会を終えられたことです。本気でやったからこそ楽しさがついてくる。バスケット自体を楽しんでほしいと思います。それを一番、伝えたいです」(文・浅野有美)

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