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特集:ウインターカップ2022

しのぎ削る福岡第一と福岡大大濠 「両雄」の決着はウインター決勝か

福岡大大濠の湧川颯斗(撮影・金子淳)

 バスケットボールの第75回全国高校選手権「ソフトバンク ウインターカップ2022」(特別協力・朝日新聞社など)は12月23~29日、東京体育館と大田区総合体育館で開催される。男女各60校がトーナメントで高校日本一を競う。男子は、福岡の2校と選手に注目が集まっている。

ウインターカップ出場の前橋育英 「U18日清食品トップリーグ」でチーム力を底上げ

 福岡勢2校による決勝での対決はなるか。今年のウインターカップの大きな見どころだ。

 前年大会覇者、福岡大大濠はスタメン5人の平均身長が190センチを超える。一方で、今夏の全国高校総体を制した福岡第一はスピードが持ち味。チームカラーが百八十度異なる両校は、互いを強く意識しながら力を高めてきた。

■福岡第一の轟 スピードとアジリティで福岡大大濠を翻弄

 11月3日にあったウインターカップ福岡県予選の最終戦で際だったのは福岡第一のガード、168センチの轟琉維(とどろきるい)の速さとシュートの正確さ。福岡大大濠の高さを打ち砕く26得点の活躍を見せて、83―76で快勝した。

 ただ、開始直後に、福岡第一の井手口孝監督は面食らったという。「まったく予想外だった」。福岡大大濠が「1―3―1」の陣形でゾーンディフェンスを仕掛けてきたからだ。

 204センチの渡辺伶音(れおん)(1年)、18歳以下(U18)日本代表の2人、川島悠翔(2年)は200センチ、ポイントガードの湧川颯斗(はやと)(3年)も194センチ。「大学やBリーグでも、ここまで大きいチームはなかなかない。あれだけの長身選手に腕を広げて守られると、ちょっと怖い」と井手口監督。

 しかし、司令塔の轟はひるまなかった。

 「最初のプレーがその後に響くと思ったので、自分が強気で攻めようと思った」。開始20秒で3点シュートを成功。ゴール下へのドリブルもさえ、前半だけで16得点。第3クオーター(Q)に一度、逆転されたが、途中から投入した210センチのセネガル人留学生、ムスタファ・ンバアイ(2年)がゴール下でパスを受けて豪快なダンクを決めるなどして、第4Qで突き放した。

 井手口監督は「ポイントガードの力です。轟にお任せです。何とかしてくれる。立派なガードになりつつありますね」とゲーム主将に全幅の信頼を寄せる。

 両校は11月26日、全国上位8校が出場する新設の「U18日清食品トップリーグ」でも優勝を争い、福岡第一が76―70で競り勝っている。

■手の内は明かさない、決着はウインターカップの決勝で

 この試合で福岡大大濠はウインターカップ県予選から一転、一般的なマンツーマンディフェンスを採用。井手口監督は「ウインターカップ決勝(での再戦)を見すえて、戦術は特になしという戦い方をしてきた」と見る。

 一方の福岡第一もこの試合、轟を1試合通じてあえてほぼ出ずっぱりにさせた。「最後で堅守速攻ができなかった。もう一回体力を見直したい」と轟。おそらく、本番で使う戦術を隠しつつ、最後の大会に向けた3年生の責任感を引き出そうとしていたのだろう。今季の対戦成績は、福岡第一の4勝1敗になった。

 轟はウインターカップを見据えて「決勝は福岡大大濠とやりたい」と語った。卒業生で日本代表のガード、河村勇輝(横浜BC)を目標に、背番号「8」を引き継いだスピードスター。河村同様、高校最後の舞台での優勝を目指す。

=朝日新聞デジタル2022年12月05日掲載

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