4years.
Presented by B.LEAGUE

Bリーグの中期経営計画を発表する島田慎二・チェアマン ©B.LEAGUE

「感動立国」Bリーグが描く、2050年の日本の未来と実現への覚悟

2024.06.28

2024年6月27日。Bリーグの2024~28年の中期経営計画発表会見で「47都道府県にBリーグクラブをつくります。バスケの枠を超えて地域社会や産業などを再設定、再定義するくらいの高い志で、バスケが日本の明るい未来の一助になるよう進めていきます」と新たにBリーグが目指す未来が島田慎二チェアマンから発表された。この宣言にいたる思いを、島田チェアマンと佐野正昭専務理事に聞いた。

Bリーグの未来への覚悟

「バスケ界の成長発展だけではなく、日本社会の発展にBリーグは社会の一員として貢献していきます。スポーツ産業自体が感動だけでやり過ごす時代ではもうありません。Bリーグはスポーツ界の枠を超えて日本社会に貢献し、もっともっと日本全体が良くなることに寄与していくという覚悟を持って、今回の発表をさせていただきました」

中期経営計画発表会の壇上に立つ島田チェアマンの覚悟をあらわした象徴的な言葉だ。

FIBA バスケットボールワールドカップ 2023での日本代表の躍動や48年ぶりに自力で獲得した男子日本代表のオリンピック出場権、連日メディアで取り上げられるスター選手の登場。「プロバスケリーグは日本で流行らない…」と言われながらも年間入場者数は2016-17シーズンに220万人だったのが現在では450万人を突破と倍増。Bリーグは発足以来いくつもの壁を突破し、アジアでトップクラスの事業規模のリーグに成長した。

傍から見ても順調に思えるが、島田チェアマンは気を緩めない。「他競技もそうだと思いますが、少しでも油断したらすぐに人気は落ちます。大事なのは持続可能性の高い状況を築き上げること。そのために徹底的にやるという覚悟の集積体が今回の中期経営計画です」

「改革は目指したい場所があるからするもの。そのビジョンと未来を据えることが必要です。関係者のあいだでもいろいろな意見が出ましたが、2050年をひとつのゴールに『そこに向かうために2028年までに何をすべきなのか』と考え、今回の中期経営計画のアクションプランを起草しました。そして、目指したい場所を表現するための言葉として、B.LEAGUE 2050 VISION 『感動立国』を掲げました」と島田チェアマンは話す。

Bリーグの島田慎二・チェアマン

その「感動立国」の実現に向けてBリーグでは、「バスケを愛するすべてのファン」「その時代を生きるすべての人」「Bクラブのあるすべての地域」「リーグを支えるすべての関係者」と、4つの視点から創出を目指す感動で、Bリーグ、スポーツ界のみならず日本を成長させていく、としている。

Bリーグは「B.革新」として、2026年から競技成績による昇降格をなくしエクスパンション型のリーグへ移行する計画を発表し改革を進めているが、この「B.革新」も通過点。制度改革である「B.革新」と、2023年に発表したビジネス改革「SOCIAL INNOVATION HUB構想」のさらに先に、「感動立国」のビジョンを見据えてBリーグの成長を加速させていく。

たとえば今回発表されたプランのひとつ「バスケを愛するすべてのファン」のために、コート上のパフォーマンスを進化させるべく、育成システムの拡張や国際化を狙う。これまでは18歳以下の育成に主眼を置いていたが、トップチームに所属する若手、さらには指導者の育成・国際化にも目を向けていく。

「『B.革新』の延長線を読むフォアキャスティングと、想像した2050年から逆算してすべきことを考えるバックキャスティングの合わせ技で、今後目指す未来のために修正すべき点が明確になりました」と話すのは、中期経営計画策定の実務を統括した佐野正昭専務理事。

現在も入場者数や事業規模の計画目標を大幅にクリアしているBリーグだが、「チャンスよりも危機感が強くあります。リーグ全体の入場者数と事業規模をより高く設定した修正目標を策定しましたが、このまま走っているだけでたどり着く数字だとは思っていません」と覚悟を語る。

Bリーグの佐野正昭・専務理事

リーグを支える関係者の幸せが、ファンへとつながる

今回の計画発表で、今までになかったひとつの変化がある。「リーグを支えるすべて関係者に感動を与える」という言葉が中期経営計画で出ている通り、リーグを支える仕事に携わる人々にも感動を与えるべく、まずはリーグ自体が「Dream Company, Dream Job」を目指す。

島田チェアマンは、「リーグから対外的に発信するメッセージは、『支えてくださる』『応援してくださる』方に向けたものばかりでした。ただそこに至るためには、Bリーグの根幹をつくるスタッフや関係者、クラブの選手も含め、仕事として選択する意味を感じてもらうことが大切です。夢の犠牲になってはいけません。まず身近なところから幸せにしていく覚悟がないといけませんから、そのために今回は対外的にもこのメッセージを発信しました」と意図を語る。

対外発表に先立ち、島田チェアマンはBリーグの全スタッフに今回の計画の概要と意義を伝えた。「現段階では壮大でイメージが湧きづらいかもしれませんが、『感動立国』という世界観をつくる軸をしっかりして、『B.革新』などを進めていくため、私は毎週のようにこの話をすると思います。『感動立国』といった社会的大義や高い志がなく、ただ『頑張ろう』と言われても疲れてしまいますから」とスタッフに向けて言葉を紡ぐ意図を述べる。

中期経営計画のスライドの一部。コンセプトは「感動立国」 ©B.LEAGUE

「社会への危機感もあるので、子どもたちが大人になった頃の未来がどうなっているかとても心配です。ただ、Bリーグは全国各地にクラブがあり、ホームとするアリーナがあり、スポーツを通じて地域も子どもたちも巻き込めます。そんなコンテンツに携わっているので『Bリーグが日本の未来をつくり出す!』くらいの迫力があった方がいいですよね。Bリーグでの女性活躍も、外国籍選手のプレー環境整備も、ダイバーシティやグローバル化など日本社会の問題解決につながります。Bリーグ全体を通して社会へメッセージを送っているつもりです」

その思いは「しっかりとスタッフに響いています」と佐野専務理事も話す。「『感動立国』という四文字のうち『立国』に込める思いがより強いんです。日本は50年前なら技術立国、最近ではIT革命を打ち出し、先人たちが頑張ってきました。私たちはバスケを通じてそういう起爆剤になりたいんです。ビジョンを決める際もいろいろな意見が出ましたが、立国という言葉が心にストンと落ちました」

Bリーグスタッフは一丸となって「感動立国」を目指す

リーグ設立時、現在のBリーグと日本バスケ界の姿を、誰も明確には想像していなかった。「ただ私たちは信じていましたし、つくりたいという思いがありました。失敗を恐れずにチャレンジし、たくさん失敗したからこそ学んでいる強みがあります。B3まで含めたクラブがある41都道府県、さらには全47都道府県で『感動立国』を叶えようという思いは、確実に実現できると思っています」と佐野専務理事は力を込める。

島田チェアマンが中期経営計画で発した力強い言葉がBリーグの未来をあらわしている。「我々はこれまでも果敢に挑戦して、さまざまな厳しい状況も突破してきました。心躍るような明るい未来を信じて進んでいきます。2050年には、世界でもっとも人気があるバスケリーグの一つがBリーグと言われるような状況をつくります」

Bリーグには島田チェアマンや佐野専務理事をはじめ、心に情熱を灯す人々が集まっている。彼らが目指す「感動立国」。ここには日本をバスケで変える力と思いが詰まっている。

■「感動立国」特設サイトはこちら

■B.LEAGUE、クラブの人材採用情報はこちら