陸上・駅伝

特集:第95回箱根駅伝

駒大「男だろ」堂々と箱根駅伝へ復活!

箱根駅伝の予選会終了後、笑顔が絶えなかった大八木監督

箱根駅伝予選会

10月13日@昭和記念公園

選手層の厚さを見せつける駒澤大学

駒澤大にとって9年ぶりの予選会だったが、余裕のトップ通過で格の違いを見せつけた。10000mで28分38秒70とチームトップの片西景(4年、昭和第一学園)は序盤から抜け出し、順天堂大の塩尻和也(4年、伊勢崎清明)らとともに2位集団を形成。最後は日本人トップとなった塩尻に突き放されたが、32秒差の1時間1分50秒でゴール。日本人2位に食い込んでみせた。その後、駒大勢は伊勢翔吾(4年、市立船橋)や山下一貴(3年、瓊浦)らが続いた。記録をカウントする最下位にあたる10番目の選手でも全体の29位だから、強かった。

日本人2位の力走を見せた片西

今回、大八木弘明監督は調子のいい片西、山下、加藤淳(2年、西脇工)を自分のペースで走らせ、残りの選手たちは主将の堀合大輔(4年、青森山田)や白頭徹也(4年、豊川工)らにペースを作らせ、集団走で臨んだ。その中からも伊勢がペースを上げて全体の11位に入った。まさに駒大の選手層の厚さが際立った。

8~9月にかけての3週間にわたる夏合宿が自信につながったそうだ。「4年生が引っ張って、2、3年生がものすごくいい形で合宿を終えました。これだったら何とかいけるかなという感じはしました」と大八木監督。マラソンの元日本記録保持者である藤田敦史ヘッドコーチも、「夏に充実の21日間を過ごすことができたのが、選手の底上げにつながりました」と語った。

予選会の20日後には全日本大学駅伝が控える。そのため例年よりも練習にメリハリをつけるのを意識したという。例年だと3部練習を重ねる日でも、あえて2部練習に。疲労がたまりすぎないよう、細心の注意を払ってきた。
それでも9年ぶりの舞台は緊張したそうだ。大八木監督は「何が起きるか分からないので、スタートまではピリピリした状態でした。でも、子どもたちは明るい表情をしてました」と言って笑った。「登録した14人、誰を走らせても大丈夫だった」。言葉通りの層の厚さを示した予選会だった。

「箱根駅伝で3番以内」を目指す

箱根駅伝の目標を聞かれた大八木監督は「常々、駒澤は本戦で3番以内というのを目標に掲げてやってきてます」と語り、青山、東洋、東海の大学名が記者からあがると、質問をさえぎるように、「そのどこかを崩したい」と力強く言いきった。

選手たちを「子ども」と表現する大八木監督。「男だろ」を信念とする監督の柔和な表情と、「子どもたち」が予選会を終えて見せた心からの笑顔が印象的だった。

自身の代名詞「男だろ!!」が書かれた団扇にサインする大八木監督