サッカー

特集:第67回全日本大学サッカー選手権

たたき上げの主将「どうしても日本一」 関学・藤原樹

藤原は確かな得点力でチームを導く

関学の「熱き主将」FW藤原樹(ふじはら・たつき、4年、市西宮)の存在は、187人の部員全員の原動力だ。体を張ったプレーで、ゴールでチームに貢献。リーグ戦後期の初戦で2得点し、関学にいい流れをもたらした。関西2位でインカレ出場が確定。2018年の関学として念願の初タイトルへ、最後のチャンスだ。15日、初戦となる2回戦で初出場の東洋大(関東地区第7代表)と戦う。

Cチームからの出発

いまやチームをまとめる大黒柱の藤原だが、どん底からスタートした。高校で全国大会に縁がなく、一般入試で関学へ。「高いレベルの中で戦ってみたい」と、サッカー部の門をたたいた。A~Cまである中で、最初はC2チーム。スポーツ推薦で入った同期との力の差は歴然としていた。それでも藤原は「周りの選手に食らいついていこう」と前を向いた。

少しずつ、はい上がった。3回生の春、ついにAチームでスタメンの座をつかむ。前期第2節の大経大戦で、DFとして初めてフル出場。「自分の頑張りが誰かへ、その誰かの頑張りが次の人へつながっていく」。そう信じた。

DFからFWへの転向

大学サッカー最後のシーズンが始まった今春、藤原は大きなかけに出た。今年の関学はDFの層が厚い。チームのバランスを考慮し、 FWへの転向を申し出た。前期のスタメン出場は3試合のみ。それでも後輩のFW林部晃己(2年、セレッソ大阪ユース)からもアドバイスを受け、ひたすらにFWとしての技術を磨き続けた。

ガンバ大阪を撃破して迎えた、天皇杯3回戦の東京ヴェルディ戦。藤原にまたとないチャンスが訪れた。1点を追う後半28分から出場。プレーごとに歓声が沸くスタジアム。初めて出場したプロとの試合に、藤原は圧倒された。「勝負がかかった試合の楽しさを知りました」と藤原。0-1で負けたものの、プロとの一戦が藤原の確かな力となった。

チームのためにFWへ

そして後期はスタメンに定着。「僕がいい結果を残せれば、どんな状況でも本気でやればできるってことをみんなに示せる」。後期の初戦で2得点を挙げ、この誓いを体現した。

ともに戦う人の原動力であり続ける。藤原は今年掲げた部の目標を、誰よりも先に、誰よりも強く行動に移してきた。インカレを前に「結果でしか伝えられないことを追い求めたい。どうしても日本一になりたい」と意気込む。最後に結果で関学の強さを証明するために。はい上がってきた主将のゴールで、関学が日本一をとる。