アメフト

特集:第74回甲子園ボウル

初の頂点狙う早稲田「先行逃げ切りを狙う」 15日に関学と甲子園ボウル

甲子園での練習でハドルを組み、早稲田の主将でLBの池田(中央88番)は仲間たちに語りかけた(すべて撮影・北川直樹)

アメフト全日本大学選手権決勝・甲子園ボウル

1215日@阪神甲子園球場
関西学院大(西日本代表、関西2位)vs 早稲田大(東日本代表、関東)

アメフトの学生日本一を決める甲子園ボウルが1215日にキックオフを迎える。2年連続で関西学院大と早稲田大の顔合わせ。関学は2年連続30度目の優勝を、早稲田は6回目の舞台で初の頂点を狙う。14日は早稲田の選手たちが甲子園球場で練習し、高岡勝監督(51)と5人の選手が記者会見に臨んだ。 

高岡監督も甲子園ボウル出場記念のパーカーで会見に臨んだ

何も隠してませんよ

高岡勝監督の話
「関学はここ一番の試合には必ず勝つという印象があります。とくに最初のオフェンスシリーズが怖い。これまでもリーグ戦と西日本トーナメントではまったく違ったゲームをしていたので、今回も違ったプランを用意してくると思う。本当に隙がないチームです。先行逃げ切りでやりたいです。関学の最初のオフェンスで攻撃権を更新されないのが絶対的に大事になる。関学のゲームプランを少しでも狂わせて、崩すような展開に持っていきたいです。ウチが甲子園ボウルに向けて何か隠せるほど関東のリーグ戦も甘くなかったので、そういったことは一切ありません。秘密兵器はあるかもしれませんが(笑)。気持ちの面で関学にリベンジしたいという気持ちはもちろんありますけど、1年かけて用意するというような余裕は、正直言ってありませんでした。明日の試合では、結果がどうなるか分かりませんが、全員が迷わずに一歩を出してやりきり、思いきりプレーできるといいなと思ってます」

主将のLB池田直人(4年、早大学院)の話
「あしたは、準備してきたことを信じて出しきるだけです。自分は関西学院さんに高校から4度も負けているので、ここで勝って日本一になりたいという思いが強いです。春のシーズンからずっと基礎を固めることにこだわって、チーム全体として成長できたと思います。下半身のトレーニングに力を入れてきて、第4クオーターまで走り負けない体をつくってきました。食事の部分でもラーメンや揚げ物を食べないと決めて、全員が我慢してきました。奥野選手は逃げても投げるのがうまいので、2人で止めるというのを意識したいです」

副将のDL二村(ふたむら)康介(4年、獨協)の話
「やっとこの場にきて、甲子園で戦う実感が湧いてきました。関学は一つのプレーをいろんな見せ方でやってますけど、『通したいプレーは通す』という芯があると思ってます。そこをどう止めるか、だと思います。関学のOLはブロッキング、とくに体の入れ方がうまいです。今年から加わってくれた伊藤及普彦コーチに教わり、スタートからフィニッシュまで激しくやりきることを徹底して練習してきました。早稲田のDLは圧倒的にうまい選手はいませんが、最後までやりきる気持ちの強い選手が多いことが誇りです。個人的には活躍したいですし、ビッグプレーでチームにモメンタムを持ってきたいと思ってます」

談笑しながら防具を着ける早稲田のDL二村

副将のQB柴崎哲平(4年、早大学院)の話
「この場にやっと帰ってきました。ここで勝たないといけないという思いが強いです。ようやく万全の状態に持ってこられました。関学相手となると注意しないといけないポイントが多くて、精神的にしんどいです。去年はファーストシリーズでタッチダウン(TD)が取れましたが、普通の試合の半分以上の集中力のすり減りがありました。相当、気持ちの面でドッときましたね。明日もタフな試合になると思います。オフェンスで5本(のTD=35点)は取りたいですね。監督とは、小学生のフラッグフットボールチームのころから14年の付き合いになります。胴上げしてあげたいですし、早稲田で初の日本一の監督にしてあげたいです」

関学相手にQB柴崎のパスがさく裂するか

WRブレナン翼(4年、ユニバーシティラボラトリースクール)の話
「今はワクワクしてます。過去1度も甲子園ボウルでTDできてないので、決められたらいいなと思います。(甲子園の日差しは)かなりまぶしくて、普段の練習でもあそこまでのはない感じでした。やりづらかったですけど、捕るしかないですね。僕の強みはボールへの執着心です。『捕ってやる』というメンタルで毎プレーやってます。今年の関学のDBは、去年と比べるとレベルが下がってる印象があります。関学のフロントは強いので、フロント戦によってパスも左右されてくると思います」

甲子園での練習で得意のワンハンドキャッチを披露するブレナン

キッカー髙坂(こうさか)將太(3年、国立)の話
「去年の甲子園ボウルで悔いとして残っているのは、パントブロックをされたことです。今年はキックでチームを勝たせるという思いでやってきました。ここで借りを返せたらと思います。自分としてもパントブロックをされたのが初めてで、初めての感覚でした。何が起こったのか分からなくて、リカバーした選手を無心でタックルしにいっていました。『これが甲子園ボウルなんだ』と思った。僕のストロングポイントはフィールドゴール(FG)です。きょうの練習でも55ydのFGを決めましたし、58ydを決める準備もできてます」

甲子園の芝の上で、早稲田のキッカー髙坂が右足を振る
74回目の甲子園ボウルは、どんな結末が待っているだろうか