大学陸上・駅伝

八千代松陰高・佐藤一世 都大路1区で上野裕一郎超え、春から青学で箱根目指す

佐藤(12番)は序盤から積極的なレースを展開した(すべて撮影・松尾誠悟)

男子第70回全国高校駅伝

12月22日@たけびしスタジアム京都を発着点とする7区間42.195km 
1区(10km)1位 佐藤一世(八千代松陰高3年)28分48秒

京都の冬の風物詩である全国高校駅伝が12月22日に開催された。男子は仙台育英(宮城)が2時間1分32秒で12年ぶり8度目の優勝を果たし、2連覇を狙った倉敷(岡山)は3秒差の2位に終わった。倉敷は3区でフィレモン・キプラガット(3年)の激走で1位に立つと、6区までトップをキープ。仙台育英は6区ムチリ・ディラング(2年)が追い上げて5秒差に迫り、最終7区の吉居駿恭(しゅんすけ、1年)がトラックまでもつれ込んだ競り合いを制した。仙台育英は、この日先にあった女子に続く全国制覇で、史上3度目の男女同時優勝をなしとげた。

残り700mでのハプニングにも動じずスパート

各校のエースが走る「花の1区(10km)」は大混戦となった。3kmすぎで40校もがひしめき合う先頭集団が形成され、それが崩れたのは5kmすぎだった。八千代松陰(千葉)の佐藤一世(いっせい、3年)が引っ張る。佐藤が7kmをすぎたあたりからペースを上げると、トップ争いは10校ほどに絞られた。佐藤は残り700m付近でつまずきかけ、一時は九州学院の鶴川正也(2年)に並ばれたが、残り500mで再び前へ。そのまま1位で襷(たすき)をつないだ。

前回も1区を走った。そのときは悔しい結果になった

佐藤のタイム28分48秒。2003年に佐久長聖(長野)の上野裕一郎(現・立教大陸上部男子駅伝監督)がマークした1区の日本選手歴代最高の28分54秒を、16年ぶりに更新する快挙だった。「今年は去年に比べてハイレベルになると分かってましたけど、ここまでハイレベルになるとは……。正直、驚いてます」。7人もが28分台で走るという激戦を制した。

去年の悔しさがあったから

中継地点を目前につまずきそうになる場面があった。「後ろに勢いのある選手が来ていたので、もつれたらやられそうと思っていました。足をひねったわけでもなくて、『あっ』って思いましたが、冷静さは保てました」。ちょっとしたハプニングにも動じなかった。佐藤は前回大会でも1区を走った。1位と4秒差の区間2位で、悔しさが残ったという。「去年の経験がなかったら、先頭で走ろうと思わなかったと思います。きょうは前半から攻めたレースができました。区間賞で、日本人最高のタイムも出せたので、借りは返せたかなぁ」。18歳の少年はあどけない笑顔で言った。

春から青山学院大へ。いまから佐藤の4years.が楽しみだ

来春から青山学院大に進む。駅伝が大好きで幼いころから箱根駅伝を見てきた。青学が優勝するシーンを見て、「かっこいい」とあこがれた。「いままではテレビの向こう側の存在だったけど、来年は自分もあっち側の人になります。1年生から出て活躍できるように頑張りたいです」。八千代松陰の先輩である飯田貴之(2年)は、全日本大学駅伝で青学のアンカーを任された。あこがれのフレッシュグリーンのユニホームを着ることを心待ちにし、来たる箱根駅伝はいったん「最後」となるテレビ観戦で楽しむ。