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特集:第73回ライスボウル

関学ファイターズ「歴史を変えてやる」1月3日、富士通フロンティアーズに挑戦

第73回ライスボウル
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関学のDB松本(左)はOLの選手にタックルの練習台になってもらってきた(すべて撮影・安本夏望)

アメフト日本選手権・第73回ライスボウル

1月3日@東京ドーム
関西学院大(学生)vs 富士通(社会人Xリーグ)

アメフトの日本一を決めるライスボウルが新年1月3日にキックオフを迎える。2シーズン連続で関西学院大ファイターズと富士通フロンティアーズの顔合わせ。過去10シーズン連続で社会人が勝っていて、富士通には4連覇がかかる。12月27日は関学側の合同取材日で、これがラストゲームとなる関学の鳥内秀晃監督(61)と6人の選手たちが記者会見に臨んだ。 

東京まで負けに行くわけちゃうからね

鳥内秀晃監督の話
「まだまだやね。僕の見てる限り、2回目の立命戦前のチーム状態にはほど遠い。富士通はオールスターチーム。それも分かった上でやりますけどね。こっちがミスすれば負ける。一発ロングゲインは避けんと。QBの奥野には相手のプレッシャーをかいくぐってパスを投げてほしいわな。これが僕の最後の試合やからどうこういうのは、ありませんわ。東京まで負けに行くわけちゃうからね。向こうのQBは慶應の高木君ですか。彼にプレッシャーをかけられれば、我々にもチャンスあると思います。向こうのOLはホールディングがえげつない。それは試合前に言いますけどね。展開としては第4クオーターまで持ちこたえてやりたい。どないかして、食らいついてやりたい。今年みたいに試合が前半で決まってしまうのは避けたいわな。初めて出る1年もおる。富士通には外国人選手もおるし、みんなデカい。けがだけはせんといてほしい」

賢く囲んでサマジーを止める

主将のDL寺岡芳樹(4年、関西学院)の話
「絶対に勝ちにいく気持ちでいます。ライスボウルで勝ったことはファイターズの歴史で1回しかないので、歴史を変えてやるつもりでいます。相手のRBサマジー・グラント選手がすごいことは分かるんですけど、向こうのベストOL陣をDLが止めないと勝利は見えてこないです。しっかり走路を塞いでいきたいですね。パシュートの寄りの速さは、僕たちの方が勝っていると思います。サマジーを賢く囲んで止めたいです。個人的には、これまでけがもあってライスボウルに初めて出るので、未知の領域ではあります。前回はコテンパンにされましたけど、戦える部分もあったので、そういう手がかりを大切にしていきたい」

監督に教えてもらったこと、ぶつける

副将のLB大竹泰生(4年、関西学院)の話
「ライスボウルの舞台は楽しみではありますが、どの相手よりも強いので恐怖心も入り混じってます。必死でサマジー選手を追いかけて、2対1や3対1の状況をつくり、数的有利で止めるしかないです。前回はアメフト人生で一番コテンパンに負けて、試合に出てた僕らが先輩たちを負けさせてしまった。その申し訳なさと悔しさで泣きました。ライスボウルで勝つことは学生の夢ですし、関学にとっては歴史を変えること。それを本気で達成したいですし、全力でやるだけです。監督のラストイヤーのライスボウルで勝つ。こんなにいいことはないです。監督に教えてもらったことを、最高の晴れ舞台で思いっきりぶつけます」

ビビらずタックルにいく

DB松本紘輔(4年、関西学院)の話
「いままでと違う数段も格上の相手と対戦することを考えれば、不安の方が大きいです。ここ数年、Xリーグは外国人選手にすばらしい選手が多いと言われてますが、富士通オフェンスは日本人選手も能力が高く、外国人選手にひけをとらない選手が多いです。サマジー選手は普通のRBがしない動きでロングゲインしてます。飛び込むタックルではかわされるので、足をつけて全員で囲んで止める練習をしています。ずっとOLの選手を相手にタックルの自主練習をしてきたので、どんな相手がきてもビビらずタックルにいけるのが僕の長所です。「いける」と思ったときは迷わずいくことを心がけてますけど、富士通に対してはいつもとは違う攻め方をしないといけない。これまで戦ってきた富士通とは違って、今回はQBが日本の選手なので、ここに一番付け入るスキがあると思ってます」

東京ドームはゾワッとする場所

副将のWR阿部拓朗(4年、池田)の話
「富士通のパスカバーは単純といえば単純なんですけど、個人の能力が長(た)けてるので、そこは警戒してます。4年間関学でやってきて、細かいところを詰めてきました。残りの日数でさらに具体的に詰めていきます。チャンスがすごい少ない中で、奥野ともしっかりコミュニケーションをとって打開したいと思います。奥野は逃げながら投げるのもうまいので、僕は最後まであきらめず、フリーになれるように走ります。今年の1月に経験した東京ドームは、いままで経験したことのないフィールドでした。ゾワッとしました。観客が多くて緊張したんですけど、そのお客さんたちを沸かせられるポジションがレシーバーだと思います。パスを捕る、ブロックをすることだけじゃなくて、僕がおとりになって鈴木と糸川へのパスを通して進めるのも大事になります」

しんどい展開でも、QBとして雰囲気を上げる

QB奥野耕世(3年、関西学院)の話
「富士通のディフェンスは、一人ひとりが普通に守っててもむちゃくちゃ強い。パスプロはもたないと思ってるので、崩れてからのプレーが重要になります。崩れたときはレシーバーがフリーになるためにどう動けるかが大事。前回のライスボウルは試合前の練習で外国人選手のサイズ感に萎縮してしまって、自分の中のテンポが崩れてしまった。徐々に慣れていって、自分の中でも『緊張してやっても何もない』と思って、途中で吹っ切れました。去年の4回生でQBだった西野さんに『オフェンスのメンバーはみんなQBを見てる。QBがしんどい展開のときにしんどい顔したら、チームの雰囲気が落ちる』って言われたのをよく覚えてて、ライスでは自分でオフェンスの雰囲気を上げて、いつも通りにやります」

関学のOLの誇りを胸に

OL森田陸斗(4年、関西学院)の話
「正直、めちゃくちゃ楽しみですね。自分たちより強い相手と戦えるので、思いきりプレーしたいです。富士通のDLで意識するのは立命出身の神山さんと南さん、日大出身の山崎さんです。2年前の甲子園ボウルで山崎さんがキャプテンだった日大に負けてるので、やり返したいです。今シーズン序盤は「負けたらダメ」「やられたらダメ」っていう気持ちがあって、OLが後手後手に回ってランが出てませんでした。立命に負けてから、攻めたプレーを意識し始めました。LBをブロックできないとRBがタックルされてしまうので、とれる1対1をどう作るか、コーチとも研究してます。ライスボウルでは学生らしくフィニッシュを大切にして、いいプレーが出たら喜ぶ。相手に『嫌やなコイツら』って思われたい。関学のOLとして10年やってきて、ステップの細かさや戦術の深さが違うと思ってます。そこを誇ってやっていきたい」

今シーズンの最終決戦はすぐそこに