陸上・駅伝

東海大 コンディション整え臨む正月 「変わる勇気」説く両角速監督の思い

2011年から東海大を率いる両角速監督

学生3大駅伝の最終戦となる正月の駅伝目前。2019年に初の総合優勝を果たした東海大は、目標の「3位以内」に向け、体調管理にも気を配りながら懸命な練習を続けている。名将・両角速(もろずみ・はやし)監督に「正月」を戦う上でのポイントなどを話してもらうとともに、両角監督がキーパーソンに指名する本間敬大主将に意気込みを聞いた。

4年生には有終の美を飾ってほしい

「正月」のキーパーソンは誰か?

両角監督は少し考えてこう答えた。「やはり4年生ですね」。そして言葉をつないだ。

「主将の本間敬大(けいた、佐久長聖)、副将の長田駿佑(東海大札幌)、吉冨裕太(大牟田)といった4年生。正月の駅伝は、彼らがいかに有終の美を飾れるかにかかっていると思っています。中でもチームを引っ張ってきた本間に一番期待しています」

本間はもちろん、両角監督の期待に応えるつもりだ。3年時の全日本大学駅伝では5区を走って区間4位。正月の駅伝では7区6位と、まずまずの走りを見せた本間だが、ラストイヤーは納得のいく結果を残せていない。出雲駅伝では最終の6区を任されるも8位、全日本では7区で9位だった。

本間は表情を引き締めながら「これまでお世話になった人たちへの恩返しの走りをしたいです」と決意を口にする。正月に最終の10区を走りたい気持ちもあるが、自分の思いは封印。「任された区間でチームに貢献する走りをしたいです」

12位に終わった全日本の後はトラックレースには参加せず、一から練習メニューを見直したという。正月の駅伝で結果を出せるように、距離を踏む練習を中心に自らを追い込んでいる。

全日本大学駅伝の中継所で、入田優希選手からたすきを受ける7区走者の本間敬大主将

本間には“これが最後”という思いもある。実業団からの誘いもあった中、正月の駅伝で競技生活を終える。「少し前までは(厳しい練習の毎日の)競技生活から早く解放されたい気持ちもあったんですが、今はこれで終わりなのか、と寂しさも感じます。完全燃焼して終わりたいですね」

不本意な結果で終わった全日本後は、主将として選手間ミーティングの中心となった。翌年のシード権を落とし、チームの雰囲気はどんよりとしていたが、なぐさめ合うだけでは結果はついてこない。「正月の駅伝に向けて、変わらなければならないところは変わろうと言いました」

その日の課題を翌日に持ち越さない

本間が陸上競技を始めたのは小学3年の時。ハードな練習に明け暮れた名門の佐久長聖高時代を通じて、これまで大きなけがをしたことがないという。「体が丈夫なのは親に感謝ですね」と笑う。もちろん高校時代から、体調管理に人一倍気を遣ってきた。

本間がコンディショニングに役立ててきたのが、森永製菓の「inゼリー」だ。練習やレース前には「inゼリー エネルギー」、終わった後は「inゼリー プロテイン」を飲むのがお決まりになっている。

「合宿や日々の練習では、その日の課題を翌日に持ち越さないようにしています。『inゼリー』は高校時代も飲んでいましたが、大学に入って飲むのが習慣になってからは、次の日のコンディショニングがかなり楽になりました」

東海大の陸上競技場そばにも専用の冷蔵庫に「inゼリー」が常備されている

東海大の選手たちが良好なコンディションを保つために「inゼリー」はなくてはならない存在だ。両角監督も「うちは『inゼリー』ありきでやっています。みんなレースや練習の時は、始まる時間から逆算して『inゼリー エネルギー』を飲んでいます。ほとんどの部員が中学、高校時代から馴染みがあるので、安心感もあるようです」と話す。また「体に負担がかかるレース後や強度の高い練習をした後のコンディショニングには早めにたんぱく質を摂ることが大事なので、『inゼリー プロテイン』を活用しています」と信頼を寄せる。

自分を変えればチームも変わる

「3本柱」と呼ばれた、塩澤稀夕(きせき、現富士通)、名取燎太(現コニカミノルタ)、西田壮志(たけし、現トヨタ自動車)の3人が卒業していった2021年、両角監督はチームを「育成元年」と位置付けた。出雲の9位、全日本の12位という結果は大学駅伝ファンを心配させているが、両角監督は「現状では戦力的に優勝を狙うのは難しい」と率直だ。

その背景には、両角監督の「駅伝はあくまでも大学スポーツ」という考えがある。

インタビューに応じる東海大の両角速監督

「結果だけが問われるプロではないですからね。いい時もあれば、良くない結果の時もあります。選手たちは負けて悔しいだろうけれど、失ったシード権はまた取り返しにいけばいい。二つの駅伝で勝利に至らなかった過程を振り返り、個人としてもチームとしても学んで、前向きに取り組んでほしいと思っています」

一方で、監督自身の反省点があるという。それはエースの石原翔太郎(2年、倉敷)を中心に駅伝のチーム構成を考えていたことだ。石原はルーキーイヤーの昨シーズン、全日本(4区)、正月の駅伝(3区)と2大会連続で区間賞を獲得。今年に入ってからも好調を維持し、5月の関東インカレ男子1部10000mでは日本人トップ(2位)のタイムを記録した。

ところが、関東インカレの後に、頼りにしていた石原がけがをしてしまう。治療に時間も要した。ジョグができるまでに回復しているが、本格的な練習はできていない。

「2021年の正月の強烈な走りが印象に残っていましたから、石原頼みになっていた状況がありました。ほかの選手たちも、石原に主要区間を任せて自分はいかに脇を固めるか、と想定していたようです」

夕闇の中、トラック練習に励む本間主将(右から2人目)ら東海大の選手たち

チームの状況は厳しいが、両角監督は悲観していない。二つの駅伝での不本意な結果をバネに、結束も高まりつつある。「レギュラーではない選手や学生コーチも含めて、65人いる部員一人ひとりが自らを変えていく勇気を持てば、チームも変わるはずです」

来る正月の駅伝では“東海大のプライド”を胸に、「3位以内」という目標に向かってタスキをつないでいく。

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森永製菓株式会社