立命館大バレー部副主将・真柄拓実 チームを支えた1年、最後のインカレを終えて
11月30~12月5日にかけて行われた全日本バレー大学選手権(インカレ)に立命館大バレーボール部は関西代表として出場した。春季リーグの代わりに行われたセイバー・オードリンカップでは優勝、秋季リーグでは近畿大学に1歩及ばず準優勝の結果を残し、実力を発揮してきた。昨年とは違いチームの調子も準備も万端な状況で全日本インカレに臨んだ。
足がつってもコートに立ち、サービスエースを決める
初戦の相手は国士舘大学。第1セットから立命館大のペースで相手を圧倒し、一気にセットカウント2-0に持ち込む。しかし、相手も関東の強豪校。粘りを見せ、第3セットをもぎ取り、第4セットも30点近くまで続いた長いラリーに打ち勝ちセットカウントを2-2にし、振り出しに戻した。このセットカウント2-2という数字は、立命館大を秋季リーグで苦しめてきた。セイバー・オードリンカップから負けなしであった立命館大にとって2セット先取した後にフルセットまで持ち込まれ、その末に敗北した2戦は大きな経験となった。
「セイバー・オードリンカップまではフルセットになっても勝っていたため、チームとして実力を過信してしまっているところがあった」と真柄拓実(4年、崇徳)は振り返る。秋季リーグでの悔しい思いを再びしないために最終セットに向けてチーム内の空気は自然と引き締まったという。
チームが再び団結し、いざ勝負という直前に真柄自身に異変が起きていた。第4セットでプレーをしている際に足をつってしまい、なかなか思うようにスパイクが打てなくなっていた。「ジャンプをするたびに足をつってしまう状態で、サーブでしかチームに貢献できないと悟った」という。チームの得点源となるウィングスパイカーのポジションを担う真柄のアクシデントをチームがカバーし、最終セットも相手と互角に渡り合い、試合は再びデュースに持ち込まれた。
最後の1点で勝利という時、真柄にサーブが回ってきた。得意なストレートに放ったサーブは相手コートのラインぎりぎりに落ち、サービスエースで試合を締めくくった。「決まった瞬間は本当に達成感がすごかった。足がつっていても試合に出続けてよかったと思った」と笑顔で試合を振り返った。最後のインカレにして、全国の厚い壁を破り、初めて初戦を突破できた。第2戦の相手は筑波大学。関東の強豪校であったがチームとして強いサーブを警戒しつつも積極的な攻撃は心掛けていた。「結果としては3-0のストレート負けだったけど、終始笑顔があふれ、楽しんでバレーができた」と最後の試合を満足して終えられたことを語った。
バレーでかけがえのない仲間と出会えた
真柄自身、大学4年間で1番意識が変わった時期は新型コロナで思うように部活ができなかった時期だった。2、3年の時にはなかった「次は自分がエースだ」という高い意識を持つようになり自分の考えを大切にできるようになったという。また、4年間で1番感謝したい人は主将の平尾歩夢(4年、清風)だという。
「監督やコーチとのコミュニケーションはもちろん、チームへの声掛けなど積極的にしてくれた。副主将としても頼りになる主将でした」と感謝の気持ちを述べた。陸上や水泳などといった数多くのスポーツを経験してきた真柄にとってバレーをしていて良かったことは、かけがえのない仲間に出会えたことや、みんなで何かを成し遂げる達成感を感じられたことだという。バレーで得た経験を生かし、これからも歩んでいく。