卓球

専大卓球5シーズンぶりV 三部航平、シングルス7戦全勝で大貢献

リーグ戦のシングルス7戦全勝でチームを引っ張った三部(すべて撮影・マンティー・チダ)

卓球の秋季関東学生リーグは9月13日に最終日を迎え、男子は専修大が5シーズンぶり30度目の優勝を飾った。2位には春の覇者である明治大、3位には早稲田大が入った。

及川瑞基、意地でエース対決制す

専大は春のリーグ戦で早大と明大に負けて3位に終わった。しかし、秋は初戦の法大戦に4-0で勝って好スタートを切ると、第4戦の日体大戦まで勝利を重ね、明大・早大とともに全勝をキープ。そして続く早大戦に4-0と完勝し、第6戦が優勝をかけた明大との大一番になった。

1番は専大が及川瑞基(4年、青森山田)と明大が龍崎東寅(3年、帝京)というエース対決。及川は昨秋のリーグ戦のシングルスで龍崎にストレート勝ちしていたが、今年の春は龍崎とダブルスで顔を合わせ、壮絶な戦いの末に敗れていた。その試合後に及川は「悔しい。優勝を目指していた中で3位は信じられない」と、悔しさを露わにしていた。

春リーグの悔しさを晴らし、5シーズンぶりの優勝

第1ゲームは及川、第2ゲームは龍崎がものにした。ここから及川が意地を見せ、2ゲーム連続で奪ってエース対決を制した。その後、専大は星翔太(1年、鶴岡東)、上村太陽(同、大阪桐蔭)、及川/吉田海斗(2年、希望が丘)のダブルスで敗れたが、続くシングルスで吉田、三部(さんべ)航平(4年、青森山田)と続けて勝ち、最後は蛭田龍(2年、希望が丘)が明大の菅沼湧輝(2年、大阪桐蔭)とのフルゲームの末、10-10のジュースから17-15で制し、大逆転に成功。マッチカウント4-3で勝ち、最終の第7戦を待たずに5シーズンぶりの優勝を決めた。

三部、シングルス7戦全勝で殊勲賞

最上級生として、三部航平はエースの及川とともにチームを引っ張ってきた。全選手の中でただ一人シングルス出場7戦全勝を達成し、殊勲賞を受けた。「めっちゃうれしい。最後に優勝できてうれしいです」。三部は声を弾ませた。「昨日(第5戦、第6戦のあったリーグ戦4日目)は、本当に勝負だと思ってました。気合も入れてて、それで勝てました。僕の中で明大戦というのはずっと、勝率がよくないイメージがあった。最後で相手の2番手の沼村斉弥(2年、野田学園)を倒せたのがよかったです」

三部をダブルスからシングルスに“転向”させる「前向きな変更」が功を奏した

三部は2年生の秋のリーグ戦で酒井明日翔(当時・明大)に敗れて以来、リーグ戦のシングルスでは明大の選手に4連敗中だった。さらに大学に入ってから初めてというシングルス7戦全勝を達成。「いつも1敗してるので、最後、一番うれしかったですね」。まっすぐに喜びを表現した。

最後の秋はダブルスを外れ、シングルスで勝負

三部はこれまでのリーグ戦では主にダブルスに出場し、シングルスでは後半に出場する機会が多かった。だがこの秋はダブルスには出場せず、シングルス3番手までの出場がメインとなった。「監督の戦略です。僕と及川のダブルスが悪かったわけじゃないんですけど、『前向きに変更したい』と言われたんです」

シングルスで勝ち、喜ぶ三部

「8月はけがや体調不良で1カ月近く休んでました。ほとんど練習できず、リーグ戦前も3日間しか練習してなかったので、正直勝てると思ってなかったです。コンディションがあまりよくない状態でも必死にやっていくうちに、運もありつつ勝ちを重ねられました」

8月末から開幕したTリーグに、三部は岡山リベッツの一員として参戦している。「(Tリーグでの)経験は、生きてないですね(笑)。試合にほとんど出てないので。でもリベッツにいくと意識は上がります。みんなプロで強い人たちなので、一緒に生活をしてるだけでも意識は変わります。いい刺激になってると思います」。プレー面はともかく、心の成長にはつながっている。

リーグ戦優勝の達成感を胸に、次へ向かっていく

「苦しかったけど、最後にうれしい思いもできて楽しかった」と、三部は学生生活最後のリーグ戦を振り返った。この先、全日本大学総合選手権・個人の部、Tリーグでの活躍を楽しみに待ちたい。