野球

特集:第50回明治神宮野球大会

慶應が4年生の活躍で完勝し、2000年以来のV 関大は47年ぶりの優勝ならず

19年ぶりの秋の大学日本一に輝き、喜ぶ慶應の選手たち(すべて撮影・佐伯航平)

第50回明治神宮大会

11月20日@神宮球場
決勝 慶應義塾大(東京六)8ー0 関西大(関西)

野球の第50回記念明治神宮大会最終日、大学の部決勝は慶應義塾大(東京六大学連盟代表)が関西大(関西五連盟第一代表)を80で破り、2000年の第31回大会以来19年ぶり4度目の優勝を飾った。

優勝を決めた直後、マウンド上で抱き合う慶應の郡司(左)と髙橋

郡司の2ランで先制、髙橋は7回までパーフェクト

東西対決となった決勝は慶應の完勝だった。左のエースと4番が活躍し、今シーズン限りで退任する大久保秀昭監督の花道を大学日本一で飾った。

1回、慶應は関大の先発、左の森翔平(4年、鳥取商)を攻めた。1死から2番下山悠介(1年、慶應)がセンター前ヒットで出塁。2死一塁となって、主将で4番の郡司裕也(中日4位、4年、仙台育英)がレフトへ2ランを放ち、先制に成功した。

スタンドの仲間に手を振る郡司(中央)

その後は森、慶應の髙橋佑樹(4年、川越東)の両先発投手が好投し、6回まで両チームともにヒットが出ず、ゼロが並んだ。とくに髙橋は絶好調で、7回までパーフェクトピッチング。8回に慶應は4安打を集めて4点。6-0とした。

神宮球場に完全試合への期待が高まる。8回の先頭で打席に入った関大の野口智哉(2年、鳴門渦潮)が、髙橋の85球目をレフト前に弾き返した。ため息と歓声が神宮を包む。大記録はなくなったが、髙橋は動じることなく9回を投げきり、被安打3の完封勝利。胴上げ投手となり、有終の美を飾った。昨秋の早慶3回戦で負けて優勝を逃し、涙を流した「ボンバー」は
「大学生活の中で最高のピッチングができました」と、満面の笑みで話した

学ラン姿も勇ましい慶應の応援
関大の袴(はかま)軍団

エース山口高志を擁して優勝した1972年の第3回大会以来の決勝となった関大は、自慢の打線が髙橋の前に沈黙。8回に2安打、9回に1安打を放ったが、得点には至らなかった。先発の森は1回に2失点したあとは立ち直り、2回から6回までは慶應打線をノーヒットに抑えたが、8回に力尽き、2番手の肥後皓介(4年、広陵)、3番手の高野脩汰(3年,出雲商)も流れを食い止められなかった。

監督として最後の公式戦で頂点に立ち、感極まる慶應の大久保監督

最高のギフトをもらった

 今シーズン限りで退任する慶應義塾大・大久保秀昭監督の話
「感謝の気持ちだけです。今日は試合前に、1年間で最高の試合をしようと選手たちに言いました。本当に最高の試合をやってくれました。郡司のホームランで先制して、髙橋がいいピッチングをして、4年生の活躍が光りました。最高のギフトをもらったと思います」

優勝に一歩届かなかった関大の面々