大学ラグビー

関東学院大が逆転で拓殖大を下し、3年ぶりの1部復帰 関東大学リーグ戦入れ替え戦

3年ぶりの1部復帰を決め、だるまを囲んで喜ぶ関東学院大の選手たち(すべて撮影・斉藤健仁)

ラグビー関東大学リーグ戦 入れ替え戦

128日@埼玉県営熊谷
関東学院大(2部2位)31-28 拓殖大(17位)

 

128日、関東大学リーグ戦12部の入れ替え戦、2試合があった。中央大(18位)は序盤から立正大(21位)を相手にペースをつかみ、WTB竹ノ内建太(2年、國學院栃木)の2トライを初めとして計8トライ。52-24で勝って残留を決めた。もう1試合は拓殖大(17位)と、3シーズンぶりの1部復帰を目指す関東学院大(22位)が激突。点の取り合いとなり、拓殖大がFLアセリ・マシヴァウ(4年、NZ・ケルストンボーイズ)のハットトリックで17-28と逆転。だが試合残り10分を切って関東学院大がFB小出惇矢(4年、関東学院六浦)とWTB芳崎風太(2年、同)のトライで31-28と逆転し、逃げ切った。

 前評判は外国人留学生3人を擁する拓大「有利」

 拓殖大と関東学院大のゲームは、外国人留学生が3人メンバー入りしている拓殖大が有利と見られていた。関東学院大は、かつて大学選手権を6度制したスカイブルーと紺のジャージーでアップし、大学の教職員と硬式野球部員120人ほど、関東学院六浦中高のラグビー部の部員約100人、大学のある神奈川県金沢区から駆けつけたファンらの大応援を背に大一番に臨んだ。

 2週間前には拓殖大との戦いを想定して、23人のメンバー全員で摂南大に「出稽古」したり、セコムや立正大とも合同練習したりした。その成果も出て、序盤は関東学院大がペースをつかむ。

 前半4分、相手のキック処理のミスから生まれたチャンスを生かし、キャプテンのNo.8鈴木伊織(4年、関東学院六浦)が先制トライ、9分にもCTB芳崎風太(2年、同)がPGを決めて10-0とリードする。

 その後、拓殖大はLO武者要(2年、開志国際)とFLマシヴァウ、関東学院大はHO岡輝剛(3年、佐賀工)がトライ。前半は関東学院大が17-14とリードして終えた。

 後半に入ると拓殖大が意地を見せる。1分、5分とボールをつないでFLマシヴァウがトライ。ハットトリックを達成して、17-28と逆転した。

関東学院大の鈴木主将(左から2人目)が福士(右端)へオフロードパスを通す

絶体絶命のシンビン乗り越え、守り切った 

このまま終わるのかと思われた32分、スクラムで優勢となり、フィットネスも落ちなかった関東学院大がボールを動かし、最後はFB小出惇矢(4年、関東学院六浦)がトライ。24-28と追い上げる。さらに38分にはキャプテンのNo.8鈴木からオフロードパスを受けたWTB福士萌起(3年、佐賀工)が「キャプテンからもらったパスを全員の思いを背負って持っていく」という強い気持ちで左中間にトライ。ついに29-28と逆転し、CTB芳崎がゴールを決めて、31-28とした。 

後半38分、関東学院大のWTB福士が逆転トライ

ロスタイムは2分。関東学院大は蹴り出せば終わりという状況でターンオーバーを許してしまう。そこからボールを継続して仕掛ける拓殖大に、粘り強く守る関東学院大。引き分けの場合は規定により拓殖大が残留となるため、関東学院大はPGも与えられない状況だった。 

そんな中、49分にWTB福士が危険なタックルによりシンビン(10分間の一時的退場)となり数的不利に。それでも関東学院大学は粘りのディフェンスを続けた。激しいタックルを繰り返したLO川崎龍清(4年、盛岡工)は「(17-21で負けた)立正大戦で守備が崩れたんですけど、そこから早く起きてセットし前に出るという組織ディフェンスを徹底的にやってきました」と振り返った。 

最後は相手のノックオンを誘い、31-28でノーサイド。関東学院大は来シーズン、2017年以来で1部で戦うことになった。

劇的な勝利に喜びを爆発させる関東学院大の選手たち

板井監督「ここからがまた歴史の始まり」

 関東学院大のOBで、かつて関東学院六浦中高のラグビー部で指導していた板井良太監督は「波のあるチームでしたが、OBが何が足りないか具体的に落とし込んでくれたおかげで、最後は一つになってくれました」。元日本代表の榎本淳平ヘッドコーチや立川剛士BKコーチといったフルタイムのコーチ、さらにスポットで指導しにきてくれたOBたちに感謝した。

 また板井監督は「今日からがスタート、ここからがまた歴史の始まりだと思います。また強いチームを、上で戦えるチームを目指します」と、先を見すえていた。

 先制トライだけでなく、逆転トライにつながるオフロードパスを放ったキャプテンのNo8鈴木は「2年生のときに落ちた悔しさと、去年上がれなかった悔しさをぶつけて勝てて1部に上がれて、うれしいです。中学から10年間お世話になった板井監督をうれし泣きさせられてよかった。春からベンチプレスが100kgから120kgくらいに上がって、2年前から比べると体重が20kgくらい増えて100kgになりました。フィジカルを強化したことが勝ちにつながったと思います」と声を弾ませた。

ボールキャリアーのサポートに入る拓殖大キャプテンのPR河田(右後方)

 敗れた拓殖大のキャプテンでPRの河田和大(4年、深谷)は「ハーフタイムには原点に返ろうと話しました。やれることはやったと思いますが、最後、関東(学院大)さんの粘り強いアタックにやられてしまった。悔いの残る試合になってしまった。僕らはもう何もできないですが、甘かったことがあったと思うので、3年生以下には頑張って昇格してほしい」。嗚咽をもらしながらも、気丈に話した。