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特集:第96回箱根駅伝

東海大・小松陽平 前回のMVP男は最後の箱根で10区を希望「楽しみでしかたない」

第96回箱根駅伝
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好きなポーズで、とのリクエストに、乃木坂46の「マネキンポーズ」で応えてくれた(撮影・藤井みさ)

箱根駅伝に向けた東海大の合同取材が12月18日にあり、初優勝からの連覇を目指す注目校とあって、約80人の報道陣が湘南キャンパスに集まった。前回の8区で22年ぶりに区間記録を更新してMVPの金栗四三杯を獲得した小松陽平(4年、東海大四)は、ワクワク感を全身からにじみ出させていた。

自分もポスターになりたい

どの区間を走りたいですかと聞かれ、「10区です」と答えた小松。「去年郡司(陽大、4年、那須拓陽)がゴールテープを切って、箱根駅伝っていうとその写真ばっかり出てくるので、うらやましいなって。新聞も全部郡司で! 1度ぐらいは雑誌の表紙になりたいです」と、屈託のない笑顔でまくし立てた。

小松は前回の箱根駅伝までは、決して注目されるような成績を残していたわけではなかった。2年生のときは箱根のメンバー入りすらできなかった。昨シーズンは夏にけがをして、出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに走れなかった。それが箱根駅伝の区間新記録で「初優勝の立役者」とも呼ばれ、一気に有名になった。

前回の箱根駅伝で「最古の区間記録」を更新したのが小松だった(撮影・松永早弥香)

「自分自身は全然変わってないです」と小松。「でも、声をかけられたり、応援されたりすることが増えて、それはうれしいなって思います」。乃木坂46の生田絵梨花さんのファンであることを公言しており、アイドルファンからの認知も高い。「駅伝に詳しすぎるアイドル」として有名なNGT48の西村菜那子さんの握手会に行った時は、ほかのファンから「試合見ました」と言われたりもしたという。優勝したらまた西村さんに報告に行きたい、共演できたらいいな、と言って笑う。

「いつもどおり、成長してます」

今年1月の箱根駅伝で輝かしい成績を残した小松だが、その後のトラックシーズンは華々しくはなかった。関東インカレ1部の10000mは30分31秒59で33位、全日本インカレの5000mは14分25秒27で23位。だが小松は言う。「箱根駅伝の成績から考えたら物足りない感じがありますけど、いつもどおりです。5000mの自己ベストも更新してますし(7月のホクレンディスタンスチャレンジ千歳大会で13分57秒46)、成長してます」

出雲駅伝を走れなかった悔しさをバネに、全日本大学駅伝ではいい走りを披露した(撮影・藤井みさ)

出雲駅伝ではエントリーメンバーに入りながら走れず、その日にあった「もう一つの出雲駅伝」と呼ばれる5000mの記録会で13分59秒49を出し、全選手の中でトップになった。「走りたくて走りたくて、でもメンバーから外されて。僕が走ったら優勝できたんじゃないか? 僕を外したことを後悔させてやる、って思ってました。あの悔しさがあったからこそ、全日本はうまく走れたと思います」と、負けず嫌いな一面ものぞかせた。

「黄金世代」のおかげで成長できた

今年は大きなけがもせず、1年間順調に練習を積めているのが大きい。自分の強みは「どこの区間でもいけること」だ。「前日に『いけ』と言われたらいけます」と頼もしい。山もいけますか?「下りがうまいねって言われたことがあるので、6区もあるかもしれない。でも中島(怜利、4年、倉敷)ほどうまくは走れないですね……」。前回の6区を走り、58分6秒で区間2位になったチームメイトを引き合いに出した。

「両角(速)監督は7区から9区、復路での逆転優勝を考えているようですよ」と水を向けられると、「またおいしいところを持っていくのもどうですかね(笑)」。昨年はトップと4秒差で襷(たすき)をもらって逆転したことを踏まえ、「理想は10区で5秒差で来てくれることです(笑)」と、また笑わせる。「去年は自分のところまでの7人が最後の最後まで力を出しきってくれたからこそ、僕のところにいい状態で渡してくれたので、『チーム駅伝』で東海は勝っていきたいと思います」

名だたるチームメイトに成長させてもらったと感謝する小松。最後の箱根が楽しみだ(撮影・藤井みさ)

4年間を振り返ってどうですか?「簡単に言っちゃえば楽しかった、充実してたなーって思います。高校のときは、いま同期の鬼塚(翔太、大牟田)、關(颯人、佐久長聖)、阪口(竜平、洛南)、館澤(亨次、埼玉栄)はあこがれの選手だったんです。それが『ライバル』と言えるまで成長できました。僕がここまで成長できたのも彼らのおかげ、本当に『黄金世代』に成長させてもらいました」

最後に「楽しみにしてます」と伝えると、「僕も楽しみです」と返してくれた小松。いまは絶好調で、早く箱根の本番を迎えたいという。優勝のゴールテープを切るときは「(全日本大学駅伝と)2冠だから、ダブルピースでゴールしようかな」と考えている。はたして彼のシナリオは現実のものとなるだろうか。

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