大学サッカー

特集:第68回全日本大学サッカー選手権

明治大が悲願のインカレV 初戦敗退に終わった1年前、王者の貫禄で3冠達成

明治大は10年ぶりのインカレ制覇にし、関東大学勢初の3冠を達成した

サッカー第68回全日本大学選手権 決勝

12月22日@埼玉・浦和駒場スタジアム
明治大 3-1(延長) 桐蔭横浜大
明治大は10年ぶり3度目の優勝

昨季のインカレでは、明治大は初戦で敗退した。だが今季、誰が出ても勝てるサッカーを武器に勝ち進んできた。決勝は延長までもつれ込む死闘となったが、明治の底力を見せ、10年ぶり3度目の優勝を決めた。これでチームは関東大学勢初の3冠(総理大臣杯・リーグ戦・インカレ)をなしとげ、2019年シーズンを終えた。

明治大、悲願の三冠の前に立ちはだかる「インカレの壁」を超えてゆけ

決勝は関東リーグ1位、2位の頂上対決

絶対的エースで主将の佐藤亮(4年、FC東京U-18)を欠きながらも3点を奪って勝利した中京大戦。PKを献上するピンチを乗り越え、1点差で逃げ切った筑波大戦。そして、乱打戦となった関西学院大戦。決勝にたどり着くまでの道のりは、決して簡単ではなかった。

迎えた12月22日の決勝。初出場初優勝を狙う桐蔭横浜大とのリーグ戦1位、2位の対決は、前半から一進一退の攻防を繰り広げる展開となる。相手GKの好セーブにも阻まれ、1点が遠い。戦いは延長戦までもつれ込んだ。

試合が動いたのは、延長前半1分。揺れたのは明治のゴールネットだった。自陣PA(ペナルティエリア)内で右サイドからのグラウンダーのクロスを放られたところを、相手キャプテンに押し込まれ、ついに失点。だが「今年は先制されても逆転できる力がある」と瀬古樹(4年、三菱養和SCユース)。今季最後の大舞台でもその力を存分に発揮した。

鮮やかな逆転劇で10年ぶりの頂点に

まずは延長前半4分、小柏剛(3年、大宮アルディージャU-18)がPA内で倒され、PKを獲得。佐藤亮(4年、FC東京U-18)がGKと逆方向に決め、反撃ののろしをあげる。そして8分、蓮川壮大(3年、FC東京U-18)が左サイドでボールを受けるとPA内に侵入。ボールを運び、キーパーの左下に打ったシュートはネットに吸い込まれた。鮮やかな逆転劇だった。

逆転ゴールを決めた蓮川(右から2人目)に駆け寄る選手たち

勢いづいたチームは、延長後半にも森下龍矢(4年、ジュビロ磐田U-18)が倒れこみながらのボレーシュートを決め、2点差。この点差を最後まで守りきった。「試合よりもつらい練習をしてきた」と小野寺健也(4年、日大藤沢)。その成果が延長戦で如実に表れた。

2時間にわたる死闘を制した瞬間、両手を天に突き上げる者、うれし泣きで倒れこむ者、笑顔で仲間に駆け寄る者。そこには重圧から解放された王者の姿があった。

明大サッカー部を支えてきた4年生、今度は3年生へ

この一戦で4年生は大学での戦いに幕を閉じた。佐藤亮も「試合に出られないとき、どういう人間であるべきかを明治で学ばせてもらえた」と振り返る。メンバーに登録されるのは20人だけ。上級生なら誰しもが試合に出て、活躍できるわけではない。

ピッチに立つ選手のみならず、応援席から声を出す選手、マネジャー、監督。すべてで明治大学サッカー部を作り上げてきた。「これを継続できるように、今後どう進化させるか考えていきたい」と栗田大輔監督は言う。最高学年としての責任は4年生から3年生へ。MVPに選ばれた蓮川も「4年生になって、下級生に伝えられることは伝えていきたい」と覚悟を口にした。

2020年もまた挑み続ける。関東勢初の3冠を達成した先代をも、越えていけ。