青山学院大3年ぶりの往路V ルーキー起用ズバリ、「やっぱり大作戦」完遂なるか
第96回箱根駅伝 往路
1月2日@大手町~箱根の5区間107.5km
1位 青山学院大 5:21:16
2位 国学院大 5:22:49
3位 東京国際大 5:24:33
4位 東海大 5:24:38
5位 明治大 5:27:11
6位 帝京大 5:27:15
7位 創価大 5:27:34
8位 駒澤大 5:27:41
9位 早稲田大 5:28:48
10位 拓殖大 5:29:8
11位 東洋大 5:29:15
12位 中央学院大 5:29:17
13位 中央大 5:31:40
14位 順天堂大 5:31:52
15位 日本大 5:32:53
16位 法政大 5:33:0
17位 神奈川大 5:34:11
18位 日本体育大 5:34:35
19位 筑波大 5:37:53
20位 国士舘大 5:38:37
(参考記録)関東学生連合 5:34:54
4位まで往路新記録
箱根駅伝の往路があり、青山学院大が3年ぶり4度目の往路優勝を飾った。5時間21分16秒の往路新記録での優勝だった。2~5区で8人が区間新記録をマークする高速駅伝で、4位の東海大までが往路新記録となった。2位は國學院大で1分33秒差。3位に予選会トップ通過の東京国際大が入り、総合2連覇を狙う東海大は4位だった。前回まで往路2連覇中だった東洋大は11位と大きく出遅れた。
4年生で初の箱根、吉田祐也が快走
当日のメンバー変更で、エース吉田圭太(3年、世羅)を1区に持ってきた。吉田は残り3km付近で先頭集団から離れたが、トップに18秒差の5位で襷(たすき)リレー。就任16年目の原晋監督は初めて2区に1年生を起用した。岸本大紀(三条)がその信頼に見事に応えた。残り1kmで4人の先頭集団から抜け出し、トップで3区へ。主将の鈴木塁人(4年、流通経大柏)が飛ばす。一時は3位に落ちたが、4年生の意地で國學院大を抜き返し、2位で4区の吉田祐也(4年、東農大三)へ。この駅伝で10年間の陸上人生を終える覚悟の男は強かった。初めての箱根駅伝で、区間新記録での区間賞。5区の飯田貴之(2年、八千代松陰)が快調に登り、区間新記録。派手なガッツポーズで往路優勝のゴールテープを切った。
原晋監督の話
「新体制になったときに、このチームではシード権も厳しいんじゃないかと思って、4年生に対しては厳しく接してきました。その厳しさから逃げずに取り組んだ結果の往路優勝です。4年生にまず『ありがとう』と言いたいです。でも総合優勝して初めて『やっぱり大作戦』は成功裏に終わりますので、気を引き締めて明日も頑張っていきたいです。1区にエースの吉田圭太を起用したことで、攻めのレースをするという私自身の意志が、学生たちにも伝わったと思います。岸本は12月21日にけがをして、3日間ノーランニングでした。例年だとこのケーススだと2区には使いませんが、岸本は1年を通じてトレーニングできてたし、潜在能力の高さがあると踏んでいたので、あえて2区で勝負させました。その期待に応えてくれたのが、非常に大きかった。3区は鈴木塁人がキャプテン最後の意地の走り。4区の吉田祐也は前々回、前回と次点で箱根を走れませんでした。それでも腐らず4年間やってきた。その成果が箱根の舞台でいい形で現れてよかったです。5区の飯田はチーム1、2の練習量を誇る選手です。その成果が出ました。選手に意識づけをしっかりしてあげれば成長するんだなと感じた往路でした」
1区・吉田圭太の話
「12月に入ってから『1区はどうか?』という話があって、正直びっくりしました。高校駅伝の1区で失敗したこともあって、不安がありました。最後に離れてしまったのは悔しいですけど、みんなが頑張ってくれて往路優勝できたのは、ほんとにうれしいです」
2区・岸本大紀の話
「圭太さんから前の見えるいい位置で渡していただいて、終盤まで余裕を持って走れました。20km過ぎの坂でペースが上がったんですけど、それもしっかり対応できて、残り1kmで仕掛けられました。往路優勝への流れを作れてよかったです」
3区・鈴木塁人の話
「ライバルの東海大さんだけには負けたくないという思いだけを持って、先頭でつなごうと思いました。1年間一つも結果が出せてない中で、キャプテンとして後輩たちに少しでも何かが残せたらなと思って走ってたので、最後に抜き返して少しでもいい形で渡せてよかったと思います」
4区・吉田祐也の話
「10年間、このたった1時間のために努力してきました。その成果がようやく出て、うれしく思います。4年生は1年間、監督からずっと怒られ、『なにくそ』と見返す気持ちでやってきました。復路のメンバーも力をつけてきた選手たちなので、信じて大手町で待ちます」
5区・飯田貴之の話
「2位と1分以上の差をつけてきてくれたので、余裕を持ってスタートできたし、しっかりと抑えて入れました。区間新記録は塗り替えましたけど、欲を言えば区間賞がほしかった。途中で西田さん、浦野さんとの秒差を教えてくれてたんですけど、縮まらなくて元気づけられました」