アメフト

特集:関学アメフト・鳥内監督ラストイヤー

関学・鳥内秀晃監督退任に寄せて 長男の貴央さん「お母さんとゆっくり過ごして」

鳥内監督の還暦祝いでの記念写真(左端が貴央さん、本人提供)

アメフトの日本一を決めるライスボウルが13日にあり、学生代表の関西学院大は14-38で社会人Xリーグ代表の富士通に敗れました、今シーズン限りでの退任を表明していた関学の鳥内秀晃監督(61)にとって、ラストゲームとなりました。監督生活は1992年の就任から28シーズン。関学の監督としては異例の長さでした。その間、3人の息子たちはみな、父のもとでアメフトに取り組み、卒業していきました。4years.は三兄弟と妻の美香さんに、監督退任に寄せた手記をお願いしました。まず長男の貴央さん(29)の手記を紹介します。

結婚式で「この人でも泣くんや」と思った

お父さんへ 

正直、いつやめてもおかしくないやろな、と思ってました。俺が4回生のときに「あと何年かやから」って言うてたぐらいやし。それを思うと少し長くなったとは思うけど、おととしの暮れに酒の席でボソッと「やめる」って言うてたな。終わりはあると思ってたけど、やっぱり最後の日が近づくにつれて寂しさは感じました。 

お父さんに似て俺も口下手やと思う。でも、去年の結婚式だけは違ったかな。お父さんの両家代表のあいさつが「短っ」って思ったんもあるけどな。 

ライスボウルで負けたあと、選手たちに語りかける鳥内監督(撮影・安本夏望)

俺は、昔に関学の監督やってたおじいちゃんに勧められて、お父さんが監督をするファイターズでアメフトを始めることにした。そのおじいちゃんが高3の大みそかに亡くなった。「ほんまはアメフトしてるとこ見てほしかったし、この場にいてほしかった」。俺が披露宴でそう話したら、横で泣いてたな。「この人でも泣くんや」って思ったし、「やっぱり家族やな」って思いました。これから俺に子どもができて、おじいちゃんになったら、どんな顔するんか楽しみです。 

「社会に出てからも、誰に対しても、ものを言える人になれ」。お父さんのイズムの大切さを、最近実感することが多いです。ファイターズという組織にいたことは、僕にとって財産になってます。お父さんがこんなに長い間監督をしてたと思うと、改めてすごいな。俺ら3兄弟はみんな「監督の息子」という目で見られてきた。それは、鳥内家に生まれた宿命やった。それは社会に出てからも変わらんかった。自分は自分や、ってことを出したいし、いまはお父さんを超えることが目標になってる。超えることが使命やと思ってます。

貴央さん(中央)の結婚式で集まった鳥内三兄弟(左が次男の將希さん、右が三男の裕之さん、写真は貴央さん提供)

 これからは家族の時間が増えると思います。そのときはお母さんへの感謝を忘れないでくださいね。お父さんの横でずっと支えてきたのは、お母さんやと思います。二人でリラックスした生活を送ってほしいです。いまからの時間を大切にしてください。

                                     鳥内貴央

とりうち・たかお 鳥内家の長男。経験スポーツは野球とアメフト。関学ファイターズではディフェンスのLB(ラインバッカー)として2度の学生日本一を経験。現在は大手電機メーカー勤務。