大学野球

日本一の主将 慶應・郡司裕也が自ら導いた最高のフィナーレ

笑顔のチームメートに胴上げされる郡司主将

19年ぶりの日本一奪還を果たした慶應義塾大野球部を語る上で欠かせない人物がいる。主将・4番・捕手――。チームの、攻撃の中心として、そして守備の要(かなめ)とされるポジションを担っていた男。郡司裕也(4年、仙台育英)だ。

1年の秋から正捕手としてリーグ戦に出場し、優勝の喜びも、あと一歩届かなかった悔しさも味わってきた。慶大野球部「黄金世代」の筆頭に立ち、チームをけん引してきた郡司の最終学年。重要な場面で光ったのも、やはり主将・郡司の存在だった。

個人でもチームでも一番に

春季リーグは明治大に2連敗を喫し2位で終え、「最後こそは」と臨んだラストシーズン。慶應は開幕から破竹の8連勝で、あと1勝すれば優勝という状況の中、早慶戦1回戦を迎える。先制を許すも逆転し、初戦であっさりと優勝を決めた。

郡司は勝ち越しのソロホームランを含む2本塁打。その後、早稲田大に連敗し完全優勝とはならなかったが、打率.394、2本塁打、10打点で郡司は三冠王に輝いた。主将就任後、結果が求められる立場になったことで「数字的な意味でチームの中で一番高くありたい」と語った郡司は、その言葉通り自ら結果を残すと同時にチームを優勝に導いた。

最後まで主役だった主将

退任を発表した大久保秀昭監督に、野球の奥の深さや理想のキャッチャー像を教わった郡司は、「監督を日本一に」の思いで明治神宮野球大会を勝ち進んだ。そして決勝戦。試合を決めたのは、初回、郡司が放った2点本塁打だった。

決勝戦でも本塁打を放ち、好守で勝利に貢献した郡司

郡司はこの日8回にも適時打を放ち、4打点をあげる活躍を見せた。守備では、完封を飾ったエース・髙橋佑樹(4年、川越東)を完璧にリード。攻守でチームに貢献した郡司は、最後のアウトを取ると真っ先にマウンドに駆け寄った。悲願の日本一達成。慶大での4年間を最高の形で締めくくった。

「(秋季リーグ戦が始まる前は)口では日本一と言っていたけど、まさか自分たちが日本一になれるとは思ってなかった」と語った郡司。それでも主将として、言葉で、プレーでチームを鼓舞し、日本一までたどり着いた。その勇姿は多くのメンバーの心に残り続けるだろう。

卒業後はプロ野球の道へ進む。中日ドラゴンズで早くも存在感を放っている郡司。大学4年間を糧に新しいステージでの活躍も期待だ。