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マンダム冷感研究員に聞く!真夏でも涼しく過ごすクールハック

目次

• 冷たく濡らしたタオルで首を冷やすべし
• メントールで清涼感を実感すべし
• フェイシャルペーパーは冷蔵庫で冷やすべし

「暑い!」と言ったら余計に暑く感じるのに、ついつい言ってしまう近年の猛暑。あまりに暑すぎて、仕事だけでなくプライベートまで、やる気を奪われてしまいそう……。だからといって対策を考えず、暑さに屈するのも悔しいですよね。

まずは頭をクールダウンさせて、自分なりのクールハック(涼しくなる方法)を考えてみませんか? 小中学校で習った理科の知識を思い出すだけでも、快適な迎えるためのヒントを見つけることができるはずです。

清涼感をスコアで評価する方法を確立

涼しさの秘けつは、冷感や爽快感を日々研究している「清涼感のプロ」に聞くのが一番!

ということでお話を伺ったのは、マンダムの技術開発研究所で、ボディケア製品などの開発を担当している研究員の澤田真希さん。取材陣がつい熱くなって空回りした質問にも、クールな笑顔で優しく答えてくれました。

澤田さんが行っている化粧品の清涼感を評価する研究は、大きく分けて2つです。細胞を使った実験による評価と、実際にヒトに判定してもらう「官能評価」です。この2つを使って、清涼感の持続や快適さを研究してきました。涼しさの感じ方には個人差がありますが、マンダムは清涼感を数値で評価する方法を確立したそうです。体の中でも、耳のすぐ下の首の部分が清涼感の強弱を敏感に感じ取ることを明らかにし、その部分を使って、0から5までの「清涼感スコア」で評価を行うことで、さまざまなことがわかってきました。

たとえば、「同じ清涼感のものでも、女性の方が清涼感スコアを高くつけ、男性の方が清涼感スコアを低くつける傾向があります」と澤田さん。夏場の職場や家庭では、エアコンの設定温度をどうするかで対立することがよくありますが、「温度を上げたい女性」VS「下げたい男性」の図式が多い気がするのには、それなりの理由があるのです。

冷たく濡らしたタオルで首を冷やすべし

清涼感と10年以上向き合い続けてきた澤田さんがオススメしてくれた、手軽に涼しさを感じるクールハックとは?

濡らしたタオルや、保冷剤で冷やしたタオルなどで首を冷やすのが良いと言われています

首を冷やすという方法は一般的ではありますが、非常に効果的なクールハックとのこと。

「首回りには、太い血管が体表付近に出ているため、体全体を効率的に冷やすことができます。わきの下や足の付け根なども有効です。また、私たちの研究では首は冷感に敏感であることがわかっており、冷たさを感じやすいと思われます」

肌に濡れタオルを当てることによって肌の温度を下げるメカニズムは、主に「熱交換」による効果が非常に大きく、さらに「気化熱」の効果もあります。

「熱交換は、熱が温度の高いものから低いものへと移動することです。肌よりも温度の低いものに接触すると、どんどん熱を奪ってくれるのです」
そういえば、中学校の時に理科の授業で、熱交換で熱が温度の低い所へと伝わる方法として、「熱伝導」などを学習しました。「熱交換」という単純なメカニズムを理解していれば、体を冷やすためのものを探すという判断が素早くできるわけです。

濡れタオルは、触れた肌の熱が移動する「熱交換」に加えて、タオルを離した後に残った水分が蒸発して肌の熱を奪うことによる「気化熱」による効果ももたらします。
「気化熱とは、液体が蒸発していくときに奪われる熱。熱交換と気化熱を利用すると効果的にクールダウン出来ます。例えば、タオルで首を濡らした後に扇風機の風を使うと、より清涼感を感じられますね」
確かに、風呂上がりにタオルで身体をすぐに拭かずに、少し濡れたまま風を浴びると涼しいのは、多くの人が経験しているはず。小中学校の理科では「気化熱」または「蒸発熱」として習いますが、これも納得できる根拠です。

「熱交換」と「気化熱」をうまく組み合わせることを意識すれば、暑さ対策もスムーズに考えられるはずです。「熱交換」は液体だけでなく、風でも起こります。たとえば、服は風を通しやすく、乾きやすい素材のものを選ぶと、汗が蒸発しやすくなって涼しさを感じられます。昔から夏物衣類で使われる麻や、最近では通気性と速乾性に優れた化学繊維も多く、おすすめです。

メントールで清涼感を実感すべし

次に澤田さんが挙げたのは、入浴時のクールハック。

浴槽にミントオイルを数滴入れると、含まれているメントールが清涼感を感じさせて、お風呂を上がった後も快適に過ごせます

夏向けのシャンプーやボディシャンプーの多くには、メントールが含まれています。なぜメントールは暑さを忘れさせてくれるのでしょうか。それにも科学的な裏付けがありました。
コンビニやドラッグストアには、澤田さんが開発に携わったものをはじめ、涼しさを感じるための数多くの商品があります。「氷冷」「氷撃」「絶叫クール」といったフレーズでアピールしており、メントール配合のフェイシャルペーパーやボディペーパー、デオドラントスプレー、ボディウォーターなど、タイプもさまざま。どう使い分ければいいのでしょうか?

「ヒトには温度を感じるセンサーがいくつかあります。その種類によって感じる温度帯は異なっていて、その中でも清涼感を感じるセンサーは『TRPM8』と呼ばれています。TRPM8が活性化するのは温度が25度から28度以下の時ですが、メントールなどの清涼成分によっても活性化されることがわかっています」

すなわち、メントールがセンサーを刺激することで、温度の低下と同じような清涼感を得られるそうです。「清涼成分」のメントールなどを活用することで、清涼感をうまくコントロールすることができます。

清涼感を感じるメカニズムをまとめると、「熱交換」と「気化熱」は肌の温度を下げ、センサーが反応します。「清涼成分」は、その成分がセンサーを刺激することによって、清涼感を感じさせます。これら3つをまとめて“清涼感の3要素”と呼んでみるのも良いかもしれません。

フェイシャルペーパーは冷蔵庫で冷やすべし

クール商品は種類も様々。上手に使い分けましょう。

フェイシャルペーパーなどは、冷蔵庫に入れておいたり、外出時は保冷剤と一緒にしておくと、使うときにより冷たく感じられます」と澤田さん。

これぞ、まさに「熱交換」を活用した方法。夏場に化粧水を冷蔵庫に入れて使う女性は昔から多いらしいのですが、男性にはなかなか思いつかないアイデアです。

他にも澤田さんは「ボディペーパーで身体を拭くときは、拭く面積は広いほど清涼感が感じられますが、特に首回りがオススメ」「顔の皮膚は敏感なので、刺激を抑えて不織布もソフトなフェイシャルペーパーを使った方がいい」といった、専門家ならではの情報を教えてくれました。

冷蔵庫で冷やすとひんやり感がアップ。顔用とからだ用は使い分けよう。

消費者のニーズは多様化しており、刺激的なくらいの清涼感のメントールがたっぷり入ったボディウォーターを好む人もいます。意外なところでは衣類用冷感スプレーが、服を着たままで清涼感を感じられるため、特にビジネスパーソンから支持を受けているとのことです。

メントール高配合のボディローションも人気。刺激的なクール感なので、刺激に弱い人は要注意
服の上から使える冷感スプレーは、スーツを着るビジネスマンにもおすすめ!

メントールが苦手な人、デオドラントで体臭を抑えたい人、より冷たさを求めたい人……。それぞれの目的や好み、利用シーンに応じて商品を使いこなすことが、クールハック上達者の近道になりそうです。

「熱交換」「気化熱」「清涼成分」で猛暑に負けるな!

最後に澤田さんは、本格的な夏に向けてのアドバイスをしてくれました。

「これらの方法はあくまでも涼しく過ごすための方法であり、水分補給などの基本的な熱中症対策をしっかり対策していただいたうえで、参考にしてください。熱交換や気化熱、清涼成分などのメカニズムを理解し、組み合わせて使っていただくと効果的に清涼感が得られると思います。ぜひうまく活用して、この夏は心も体も快適に過ごしてください。」

暑い日が続くと、ちょっとした外出も面倒になりがち。けれども、「熱交換」「気化熱」「清涼成分」などを駆使すれば、エアコンだけに頼らなくても、アクティブに涼しく生活することは可能です。2020年の夏をクールに満喫しましょう!

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