大学サッカー

法政大・関口正大 継承者に向け、熱き主将の背中を見せ続ける

残り少ない時間を主将として最後までトップで走り続ける関口

春の陽気はとうに過ぎ、まとわりつく湿気とともに夏の訪れを感じ始めた7月。関東大学サッカーリーグは3カ月遅い開幕を迎えた。少しずつこれまでの日常とは違う形ながらも、選手たちはピッチの上で戦う毎日が帰ってきたことを喜んでいるようだった。

新たなユニホームに身を包んだ法政大は、初戦に早稲田大を相手に迎えた。開始6分で平山駿(4年、三菱養和SCユース)のシュートがゴールネットを揺らし先制に成功する。しかし、セットプレーからオウンゴールで同点に追いつかれると、後半にも隙を突かれ失点を許す。開幕戦は1-2で落とす結果となった。

生粋のチームリーダー

Jリーグに内定した関口は常にチームのリーダーであり続けた

攻守ともにうまくかみ合わなかったチームでひときわ声を張り上げ、チームを鼓舞していたのが、主将の関口正大(4年、新潟明訓)だ。J2ヴァンフォーレ甲府に加入が内定している彼は、小学校のころから全てのカテゴリーで主将を務めた生粋のチームリーダーである。しかし、はじめは自分からすすんで主将になったわけではなかったという。

「自分でなろうと思ってなったものではなかったんです。上級生と試合に出ることが多くて、立場が同学年の中で上がっていって、周りの影響で、いつの間にかキャプテンになっていました」と当時を振り返る。

真のチームリーダーの背中

月日は過ぎ、新潟明訓高校に進学した関口は、大きな出会いを果たす。一つ上の主将であり、ゆくゆくは筑波大で主将を務めた加藤潤との出会いだ。加藤について関口は「人を選ばずに、先輩に対しても、誰が相手でも強く言える人でした。サッカーのことだけではなくて、人間性や人との接し方の部分を学びました」と言葉を続ける。

当時の監督である田中健二監督にも加藤の姿勢は大きく評価され、「加藤の背中を見ておけ」と言われていたという。サッカーだけをやっていればいいと思っていた関口の主将像は、加藤との出会いで大きく変化した。

大学に進学し、関口が法大の欠かせない主力として出場を重ねはじめたころ、筑波大で主将に就任した加藤は、度重なるけがによって、満足のいく出場機会を得られているとは言いがたかった。ベンチを温めることや、メンバー外としてスタンドから応援することもあった。しかし、外側から見たかつての主将の姿は、惨めなものでは決してなかった。

高校時代に出会った主将の背中が、関口の主将像を大きく変えた

「率先して応援をすることやチームのために自分が中心になって取り組めるキャプテンには、今まで出会ったことがありませんでした。けがで満足にプレーができない立場にありながら、キャプテンとしてできることをやり続けていたのはすごいことだと思います」。加藤の奮起する背中は、またも関口に新たなチームリーダーのあり方を見せていたのだった。

継承者に見せ続ける熱き主将の背中

Jリーグ内定選手として、また大学サッカーの選手としての二つの顔を持つ今季。来たるプロの世界で活躍するために、今はできることを増やすことを重視しているという。しかし、主将として、チームのために走って戦うことや、後輩に何を残すかといった部分についても片時も忘れたことはない、と思いを口にする。

誰かの背中を追いかけて、多くのことをその背中から学んできた。最高学年となったいま、残り少ない時間で、どれだけのことをチームの仲間に伝えられるか。熱き主将の背中から、誰かが思いを引き継ぐその日まで、関口はチームのトップで走り続ける。