ラクロス

明治大ラクロス部主将・佐藤啓 個人個人が強さを発揮するチームに

今年度も攻撃の要としてチームを支える佐藤

関東学生ラクロス2020特別大会 Bブロック

9月13日@埼玉・大宮けんぽグラウンド
明治大 11-5 東京農大

新型コロナウイルス感染拡大により中止となった関東リーグ戦の代替として、9月12日から関東学生特別大会が開催された。明治大は初戦の東京農大戦で序盤こそ流れがつかめず苦しんだが、第2Q以降は順当に得点を重ねていき、2桁得点での白星。今年も持ち前の攻撃力を遺憾なく発揮した。

その中心にいるのが今年度主将としてチームを牽引するMF佐藤啓(4年、星稜)だ。2年次よりレギュラーとして活躍していた佐藤。日本一という目標を目指すことができない異例のラストイヤーとなったが「やることは変わらない」とその視線は前だけを向いていた。

スローガン「active」に込められた思い

明大ラクロス部の今年度のスローガンは「active」。決まったきっかけは昨年度関東リーグ戦ファイナル・立教大戦での敗戦からだ。

相手選手にプレッシャーをかける佐藤

「何が負けているんだろうと考えたときに、個人個人の強さだったり、積極性が足りていなかった」。新チームが始まってから練習内外問わず、「自分がやる」という積極的な意識をチームメイトに求め続けた。そんな佐藤の最初の「active」は主将に立候補することだった。

「周りを見るということができていなかったので、そういうところに気を使えることができれば、もっとactiveになれると考えた」。チームの成長を第一に考えて、自らがチームの火付け役になることを選んだのだ。

自粛期間中での成長

今年3月にはコロナの影響でラクロス部も活動自粛となった。グラウンドに集まって練習ができない日々が続いたが、「個人が成長する1番のいい機会だと思った」と現状を前向きに捉えた。

「対面ではないけど、できることはたくさんあった」。YouTubeでラクロスのプレーを確認し、その後ビデオ通話で戦術についてチームメイトと何度も話し合った。その期間に戦術を固められたおかげで自粛期間が明けたあと、練習ですぐに実践することができたという。

また、週に5回、朝7時半から8時半の間にオンラインでのトレーニングを実施。対面練習ができない分、その時間を活用しほぼ毎日のビデオミーティングとオンライントレーニングでカバーした。「集まらなくても個人個人がつながることができていた」。活動自粛期間ながらも、チームの連帯感は確実に培われていった。

目標は一つ、立大へのリベンジ

今年度は全国大会が中止となったため、日本一になるという具体的な実績を残すことはできなくなった。しかし、明大ラクロス部の目標にブレは一切ない。「立教大学に勝ちたい、というのはずっと変わっていない」。

昨年度、ファイナルで立大に敗れてうなだれる佐藤(手前)

今年度の4年生は新人戦を含めて立大に対して全て敗北をしている。さらに立大は昨年度の学生王者。特別大会では予選を勝ち抜き、本戦の決勝まで進めば立大と当たる可能性がある。リベンジするにはこれ以上ない機会だ。

佐藤の初戦の自己評価は「25点」とかなり控えめ。「特別大会の優勝に向けて120、150点と上げていきたい」。目指す目標はただ一つ。立大を打倒して関東王者になること。明大ラクロス部の挑戦はコロナ渦でも明確なものだ。