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サッカー 流経は先発に1年6人でも勝つ

この日、流経大の守護神は1年生の薄井(右端)だった

関東大学リーグ後期1部第13節

9月22日@神奈川県立保土ケ谷公園サッカー場
流通経済大(勝ち点20) 5-2 駒澤大(17)

流経大のスタメンを見て驚いた。レギュラーのFW高澤優也(4年、流通経大柏)もMF新垣貴之(同、同)もいない。そして1年生が6人もいる。外野から見れば、中野雄二監督の「大ばくち」。それでも駒大に快勝してみせた。

絶対的守護神もベンチ

この先上位を狙うためには大事な勝ち点17同士の勝負、流経大はこの試合前まで得点ランキング3位の高澤に、新垣、そしてジャカルタのアジア大会でも活躍した絶対的守護神のオビ・パウエル・オビンナ(3年、JFAアカデミー)もベンチスタート。GK薄井覇斗(1年、流通経大柏)やMF菊地泰智(同、同)らのスタメン起用は初めてではないものの、1年生を6人もスタメンにするのは、中野監督にとっても初の采配だ。対する駒大は、ほぼ不動のメンバーだ。試合前までアシストランキング2位のMF中原輝(4年、ルーテル学院)と、6得点のFW高橋潤哉(3年、山形Y)もピッチに立った。

高さで利のある駒大が空中戦を仕掛けてくるのに対し、流経大は地をはうパスをつなぐ。前半14分、流経大のFW満田誠(1年、広島Y)がPKで先取点。さらに22分にはFW奥田陽太(4年、大阪桐蔭)のゴールが決まり、2-0で折り返した。

後半3分には、FW佐藤響(1年、水戸哲明)の右からのパスをフリーで受けた菊地がループシュートを決める。22分には菊地に代わって出た新垣が中央突破から決め、4-0。30分と36分に失点はしたが、1年生GK薄井は後半11本放たれたシュートに対し、ファインセーブを連発。41分に新垣が決め、5-2で終了となった。

1年の仙波もアシストでチームの勝利に貢献した

流経の流儀

奇策が実ったとの見方もできなくはないが、流経大にとって奇策でも何でもない。

流経大には約200人が在籍しており、1、2年生だけのチームもいくつもつくっている。この1週間の練習でいいパフォーマンスを見せていたのが1、2年生チームだった。「一番いい状態の選手をトップの試合に出したい。それが1年だったというだけのことです。彼らは堂々としてますよ。小さくても身体の使い方がうまい」と中野監督は言う。

「オビより反応がいいんです。先週の桐蔭横浜大戦でPKを止めてノッてた」と中野監督が評する薄井は、2試合連続の公式戦フル出場となった。薄井も準備はしていた。「気遣いしなくていい」という先輩の言葉を意識するようにし、試合中は「もっと早く動いて」と先輩にも臆せず指示する。駒大は空中戦に出てくるというデータが頭に入っていた。「実際、相手は背が高い。手が使えるキーパーが前に出ないといけないという思いがあったので、積極的に前に出ようと構えてました」。薄井が振り返る。

攻められ続けていたとき、薄井に選手が駆け寄った。「落ち着いていこう、もっと近場でいいから」と声をかけられ、彼は冷静さを取り戻したという。「慌ててしまっていて、僕自身がボールを受けずに蹴るのが増えていました。それは課題ですね」と薄井は言う。

先輩が1年生GKのもとへ駆けつけ、互いの動きを確認するシーンも

勝った試合のメンバーは変更しないという考え方もあるが、中野監督は来週どうするかは分からないという。変わらず、この1週間に最もいい調整ができた選手を起用する。ミスが続けば、すぐに交代。これが流経大の流儀だ。誰も気が抜けない。「今回は応援に回った4年生も、負けたくないと思って頑張るわけですよ。今日のメンバーも、ポジションを奪われたくないから頑張る。そうしてみんなが伸びていくんです」。監督が誇らしげに話した。

関東リーグのあとには、昨年流経大が優勝したインカレが待つ。まずはインカレ出場圏の関東リーグ6位以上(すでに出場を決めている明大を除く)がターゲットだ。チーム内での勝負が激しい流経大。来週のスタメンが楽しみだ。

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