同志社・日本拳法部のエース佐竹京介、相手が強いほどかき立てられる闘志
同志社大学日本拳法部の佐竹京介(4年、清風)は6月16日の全国大学選抜選手権でエースとしてチームを全国4位に導き、同23日の西日本学生個人選手権では参段以上の部で準優勝。輝かしい成績で春のシーズンを終えた。シーズンの始まりは苦悩の日々だった。
春先の大苦戦が彼らを強くした
4月の西日本選手権(団体)には優勝を狙って臨んだが、厳しい現実を突きつけられた。予選リーグで関大と大阪市大に負け、まさかの予選敗退。試合後に佐竹は「最低な結果です」と、悔しさをあらわにした。チームとして相手を分析し、万全の状態で臨んだが、昨年1度も負けなかった相手に敗れた。日本一を目指す佐竹たちにとって到底受け入れがたい現実だった。苦悩の日々はさらに続いた。西日本での敗戦から約3週間後にあった京都府民大会でも、4チーム中4位に終わった。
この逆境は佐竹たちを強くした。6月の全国大学選抜選手権。西日本の猛者はもちろん、関東の強豪も集まる舞台だ。ここまでのふがいなさを晴らすべく臨んだ全国の舞台で躍進した。1回戦の東洋大戦、2回戦の近大戦と相手を圧倒し、準々決勝へと進んだ。
準々決勝の相手は早大。昨年の準々決勝で敗れた相手だ。しかし今年の同志社は一味違った。先鋒の三輪功祐(4年、京都すばる)が引き分けに持ち込むと、次鋒の原仁志(4年、清風南海)が貴重な1勝を挙げた。互いに1勝1敗3分けで勝負は代表戦にもつれこむ。エース佐竹と早大の森川晋平(3年、青翔)との対戦となった。なかなか決定打の出ない中、残り時間がわずかに。相手に焦りが見えたところを、佐竹は逃さなかった。すかさず面突きで一本。エースの活躍で同志社は早大に昨年のリベンジを果たし、ベスト4入りを果たした。佐竹はさらに西日本個人選手権でも準優勝した。
思い出した「楽しむ」気持ち
春先の佐竹は、エースとして「絶対に勝たなければならない」という重責を背負い込み、本来の戦いができずにいた。「勝ちにこだわりすぎてました。拳法を楽しむことが大事なのに」。どんな状況でも、佐竹から闘志が消えることはない。むしろ相手が強ければ強いほど佐竹の闘争心はかきたてられる。
気持ちが変わると、チームメイトへかける言葉も変わってきた。すると、仲間たちは追い詰められた状況でものびのびと戦えるようになった。
結果として、チームとしての団結力はより強まった。個人としても、団体としても結果を残した春シーズン。それでも満足はしていない。
目標である「日本一」を果たすべく闘志に燃える男から、目が離せない。