大学ラグビー

立教が「4度目の正直」で成蹊を下し、5年ぶりのA復帰 関東大学対抗戦入れ替え戦

Aグループ復帰を決め、喜ぶ立教大の面々。最前列でビブスをつけているのが主将の津田(すべて撮影・斉藤健仁)

関東大学対抗戦 入れ替え戦

12月7日@埼玉県立熊谷
立教大(Bグループ1位)23-21 成蹊大(A8位)

関東大学ラグビー対抗戦のABグループ入れ替え戦の2試合があった。1試合目は青山学院大(A7位)が明治学院大(B2位)を54-33で下し、A残留を決めた。2試合目は成蹊大(A8位)と立教大(B1位)が対戦。後半40分、立教がFWの連続攻撃からトライを挙げて21-21と追いつく。WTB藤原大晃(4年、桐蔭学園)がゴールを決め、23-21と“逆転サヨナラ”で勝った。立教は来シーズン、5年ぶりにAグループで戦う。 

西田HCがフルタイム指導、あらゆる面で改善

 入れ替え戦で5年連続となったこのカード。2015年、立教は成蹊に敗れてBグループに降格した。そしてその後、立教は3年連続で成蹊の壁にAグループ復帰を阻まれてきた。 

今年はOBで元NECの西田創ヘッドコーチ(HC)が勤務先の配慮もあり、働きながらもフルタイムでチームに関われるようになった。チームは「REMAKE」をスローガンに掲げた。 

立教はラグビーに取り組む姿勢、私生活、食事の摂取、フィジカルトレーニングなど、それぞれの改善を一から徹底して取り組んだという。その結果、Bグループで全勝優勝して入れ替え戦に進み、4年連続で成蹊に挑戦することになった。 

この試合の立教のテーマは「圧倒・成蹊」だった。前半12分、成蹊のLO荒川紘章(2年、佐野日大)に先制トライを決められたが、立教は相手のミスやペナルティーで敵陣に入り、徐々にペースをつかんでいく。 

大活躍の立教大のWTB藤原は、桐蔭学園高校の藤原秀之監督の息子だ

26分にWTB藤原がPGを決めて3-7とすると、31分にはゲームキャプテンのFB床田聖悟(4年、桐蔭学園)のキックパスをWTB藤原がキャッチ。そのままインゴールに飛び込んで8-7と逆転に成功する。 

「両WTBにスピードがあるので、生かそうと思いました」と床田。床田自身のランも光り、再び相手陣深くに攻め込む。前半のロスタイムに再びWTB藤原がトライ。13-7とリードして試合を折り返した。

ゲームキャプテンとして立教大を引っ張った副将の床田(中央15番)

 劇的な“逆転サヨナラ”勝ち

 後半に入ると成蹊も意地を見せる。徹底してFWで攻め、LO荒川が4分、15分にトライを挙げてハットトリック。SO川本憲人(4年、東福岡)もゴールを決め、13-21と試合をひっくり返した。 

成蹊に疲れが見え始めると、立教が敵陣でプレーする時間が長くなる。26分にWTB藤原がPGを決めて16-21。残りは10分と少し。同点で終わると規定により成蹊がAグループに残留するため、立教が昇格するには中央付近にトライして追いつき、ゴールもしっかり決める必要があった。 

立教は相手のラインアウトのミスから敵陣に入り、FWを中心にボールを継続。40分、この1年で体重が10kg増えて85kgになったFL金子裕二朗(3年、桐蔭学園)がゴール中央にねじ込んで21-21と追いつく。「FWが頑張ってつないで、自分が最終的に取りましたが、チーム全員のトライでした」と金子。

 「真ん中だったから緊張しなかった」という藤原が時間を確認しつつ、中央からのコンバージョンを沈めて23-21と勝ち越し、歓喜のノーサイドを迎えた。立教が4度目の挑戦で5シーズンぶりの対抗戦Aグループ復帰を決めた。

入れ替え戦には出られなかったが、2019年の立教を支えてきた主将の津田

 主将の津田「最後まで勝てると信じてた」

 立教の福田明久監督は「感無量です。主将の津田(祥平)が引っ張り、学生たちが頑張ってくれました。ディフェンスをしっかりやれたのがよかった」と言えば、西田HCは「4年生がうまくチームをまとめてくれました。当たり前のことをしっかりやるという習慣ができて、最後は我慢強くなりました。将来的に大学選手権を狙えるチームにしたいです」と、気持ちを新たにしていた。 

この試合はメンバー外となりウォーターボーイを務めたキャプテンのWTB津田祥平(4年、東海大仰星)は「正直、悔しかったですが、最後の1分まで勝てると信じてました。4年生のバックスリー(WTBFB)がやってくれると思ってました。プレー面は副キャプテンの床田に任せた部分もあったんですけど、チームの和や規律という面ではいろいろ言ってきました。僕がちょっと火をつけるだけで、みんながついてきてくれました」と、満面の笑みで話した。

成蹊大の主将でCTBの甲山は、ボールを持って体を張り、前に出続けた

 成蹊のキャプテンでCTBの甲山大悟(4年、桐蔭学園)は、目を赤くして言った。「接点や1対1は絶対負けちゃいけないと思ってたし、自信は持ってました。入りはよかったんですが、自分たちのミスや反則で流れが狂ってしまった。最悪の結果になって申し訳ない気持ちでいっぱいですが、来年、後輩たちにこの反省を生かしてほしいです」