大学陸上・駅伝

特集:第96回箱根駅伝

出雲2位、全日本3位の駒澤大 駅伝主将の中村大聖「このチームで優勝しないと」

全日本大学駅伝後のミーティングで一つになれたと、中村大聖(左)は言う(撮影・藤井みさ)

駒澤大学玉川キャンパスで12月17日、箱根駅伝へ向けての合同取材があった。出雲駅伝で2位、全日本大学駅伝で3位と好成績を残している駒澤大。優勝の期待もかかるが、大八木弘明監督は「目標は3位以内」と語った。

前々回の箱根で12位となり、シード落ち。前回は予選会からのスタートとなり、総合4位でのフィニッシュとなった。大八木監督は「前回4位だったので、今年はそれよりも一つ上。三大駅伝すべてで3位以内を目標にしてきて、出雲は2位、全日本は3位。箱根も3位以内、今年はそれが大事」と慎重な口ぶり。一方で選手層が厚くなってきたという自信ものぞかせた。

「男だろ!」があまり出なくてもいいレース展開になってくれたら、と語る大八木監督(撮影・藤井みさ)

「出雲、全日本とミスもありましたが、トータルとしてはよくやったかな、というところもある。箱根はミスなく10区間を走らなければ、優勝争いはできない。けがもなく来ているので、このまま当日を迎えたいです」。トップ争いへの秘めた自信が、十分に伝わってきた。

中村大聖「ミスなくつなぐのが大事」

「目指すのは優勝です」と明言したのは、駅伝主将の中村大聖(4年、埼玉栄)だ。出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに優勝できるのでは、という気持ちで臨んだが、ミスがあって勝てなかったと受け止めている。「いい走り、というよりミスなくつなぐことが重要になると思います。やっぱりこのチームで優勝しないと、って思いました」

自身は駅伝シーズンに入ってから「やりきった」とは言えていない。出雲駅伝のときは腰に痛みがあり、アンカーで逆転された。全員が「自分の力を出しきれば、ほかの大学と戦える」という気持ちになっただけに、悔いが残った。全日本大学駅伝もエース区間の7区にエントリーされるはずだったが、万全の状態でないということで1区に回った。「自分がチームに迷惑をかけてしまったせいで3位になり、悔しい思いをする選手が出てしまいました。自分も自分自身のことでいっぱいになってしまって、ほかの選手に目を向けられなかったです」。だからこそ、箱根では駅伝主将の役割をまっとうしたいという。

出雲駅伝では「なかむらたいせい」リレーが実現。「周りの人はいろいろ言ってくれたけど、自分たちには悔しさが残った」(撮影・佐伯航平)

全日本が終わったあと、選手全員でミーティングをして、何が足りないのかを話し合った。そして日常の生活、練習態度から見直していこうということになった。具体的には、それ以前は練習の5分前に集合していればよかったが、15分から20分前には集まって、入念に体のケアをしたり、ストレッチをしたり。「忘れ物が多くて、用具を提供してくださっている方への感謝が足りないんじゃないかという声も出ました。そういうところからしっかり見直していこうと思いました」

逆に、緩みをなくして一人ひとりがいま1度しっかりと競技に向き合えば、箱根は勝てるという思いがチーム全体にあるという。「去年と比べて練習の質も上がったし、できる人数も増えてきました。誰がどこを走ってもしっかり戦えるんじゃないかなと思うので、チーム全体で勝負したいなと思います」

中村大成「全日本の負けで一つになれた」

もうひとりの「なかむらたいせい」である中村大成(4年、東北)もまた、こう口にした。「チーム全体として、いい形になってきました」。メンバーに入っていない下級生も、自己ベストを出していると教えてくれた。「全日本で優勝できるって言われてて、できなくて、メンバーとメンバー外の意識がちょっとずれてるのかなと思ったこともありました。(いまから考えると)全日本のときは、優勝するチームじゃなかったのかなと思います。あの負けがあったから、チームが一つになれたと思います」

自身は5000m、10000m、ハーフマラソンで自己ベストを更新し、4年間で最も充実した1年を過ごせているという。「4年生になってから、一つひとつのレースにより集中して取り組むようになりました。それから、いろんな人に応援してもらえていることに、改めて気づけたのも大きかったです」。シード権を落として、先輩たちにも「弱い」と言われてきて、でも最後に優勝争いができるチームになった。この4年間を「ジェットコースターみたい」と表現する。「ここまで来られたのが、とても誇らしいです。最後は箱根駅伝優勝、個人では区間賞。見ている人に何かを感じてもらえるような走りがしたいし、4年間の感謝を走りで伝えたいです」

山下一貴「優勝できる力はあるし、したい」

過去2大会連続で2区を走った山下一貴(4年、瓊浦)は「任された区間で駒大記録を超えられるように頑張りたい」と意気込んだ。もし2区を走るとしたら? と問われると「村山謙太(現・旭化成)さんの1時間7分46秒を抜きたいです」ときっぱり。前回の山下のタイムは1時間8分09秒だ。20秒以上の短縮が必要になるが「1年間練習してきてるんで、伸びてないと困ります(笑)」と、独特の言い回しで報道陣を笑わせた。

コンディションは?「普通です」。この返しが山下らしい(撮影・藤井みさ)

前回は1区の片西景(現・JR東日本)が中継所に到着したタイミングで山下が待機していないというハプニングがあった。「1年間ずーっと言われてきてるから、もう今年は大丈夫です(笑)」。走る前は緊張するが、走り出したら気にならないタイプだという。「だから前回も走り出したら全然平気でした」

4年生になったからといって、最後だからといって、個人的には何も変わらないとは言うが、チームへの思いは特別だ。「優勝できる力はあるし、したい気持ちがあります。優勝できるメンバーだと思いますので」

学年に関係なく、仲のよさが伝わってくる駒澤チーム。箱根駅伝が楽しみだ(撮影・藤井みさ)

中村大成は4年生はみんな仲がよくて、ケンカしたことがないと言った。スーパールーキーとしてチームの誰もが認める田澤廉(1年、青森山田)も「4年生の雰囲気がすごくよくて、とても過ごしやすいです」と口にする。その田澤は、往路の重要な区間に起用されることが濃厚で、本人もそのつもりで準備しているという。着実にチーム力は上がってきた。「強い駒澤」の完全復活はなるか? 箱根で真価が問われる。

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