サッカー

近大ALMA遠藤誠也 最後と決めたフットサル大会で輝き、手にした初優勝とMVP

延長の末に近畿大学ALMA が初優勝をつかみ、チームを盛り上げてきた遠藤がMVPに選ばれた(すべて撮影・河合拓)

アイデムカップ2019FINAL 決勝

12月21日@東京・エスフォルタアリーナ八王子
近畿大学ALMA  2(延長)1  國學院大學7渡しFC

全国の509チームが参加した日本最大の大学生フットサル大会「アイデムカップ2019」がついにファイナルの日を迎えた。昨年12月21日に開催され、近畿大学ALMAが初優勝を飾った。表彰式では海外サッカー中継の実況でもおなじみの中村義昭さんが「近畿大学ALMA、背番号6、遠藤誠也選手」と大会MVPを発表。会場からは一際大きな歓声が挙がった。試合の実況を務めていた元フットサル日本代表FP北原亘さんは「近畿大学のポジティブないい雰囲気を作り出したのは、6番のエンちゃん」と、授賞理由を語った。遠藤の存在感は、日本一に輝いたチームの中でも光っていた。

大学生フットサル「アイデムカップ」 延長を制して近畿大ALMAが初V

準々決勝でゴール「俺の波が来た!」

近大ALMAは予選にあたる関西セントラルで敗退したが、5チーム限定の「アイデムセレクト」というワイルドカードでファイナルに進んだ。

遠藤はこれまで、対人の強さと巧みなカバーリングで、チームを守備面で助けてきた。それがファイナルでは攻撃面でも光った。準々決勝の駒澤大学FC AZULとの一戦では、前半終了間際に遠藤がゴールネットを揺らした。結局、このゴールが決勝点となり、準決勝に進んだ。

予選にあたる関西セントラルでも、遠藤(右端)は守備で活躍していた

1-1でPK戦にもつれた準決勝の京都産業大学ONZE戦では、最初のキッカーを務めた。「準々決勝でゴールを決めて、自分の波が来てるなって思ってました。だから『一番に蹴らせてくれ』と話してたんです」と明かす。そのPKを確実に決めると、直後のキックを相手が決められず、またもチームを勝利に導いた。

そして決勝の國學院大學7渡しFC戦では、高い位置でボールを奪い、ラストパス。先制ゴールをアシストし、チームを勢いづけた。

先輩たちが応援してくれて、みんな活躍できた

MVPの遠藤は言った。「前回大会は先輩たちがベスト4で負けてしまったんです。その歴史を塗り替えたいという思いがありました」。そのOBたちは大阪からも駆けつけ、東京の会場を近大のホームのような雰囲気にしてくれた。

「大阪からあれだけ多くの人たちが来てくれたので、いい思いをさせてあげたかった。そういう思いで、選手全員がそれぞれどこかの場面で活躍できました。その積み重ねが優勝につながったと思います。誰か個人の活躍というより、いろんな人が活躍したことで優勝できました」と遠藤。笑顔で先輩たちのサポートに感謝した。

先輩たちが作ってくれたうちわを手に、仲間たちと優勝の喜びをかみしめた

遠藤はこれでフットサルをやめると決めていた。「サークル活動として4年間やってきましたけど、この大会はほかと比べようのないほど最高の思い出になりました。うちわまで作って応援してくださって、『ありがとう』という言葉しかありません。いい区切りになりました」

春からは東京でアパレル関係の企業に就職する。「最後に日本一になれて、一生自慢できます」と、満面の笑みで話した。「チームには下級生もたくさんいますし、来年は僕たちも応援に駆けつけようと思います。後輩にはファイナルまで勝ち上がってもらわないと!」。後輩たちの応援ができることを、いまから楽しみにしている。