東京女子体育大・菊池日菜（下）卓球選手としては大学で一区切り、違う形で魅力を発信

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東京女子体育大学卓球部の菊池日菜さん（3年、五所川原商業）はSNSがきっかけでタレントの道を志した。インタビュー後編では、自分なりの形で卓球の魅力を伝えられる喜びを語ってくれた。

高校と比べて、大学卓球は「自由」

――青森の強豪高校から、関東学生リーグ2部に所属する東京女子体育大にスポーツ推薦で進みました。
「卓球部は高校より自由です。部員がいま5人。監督がいなくて、自分たちでアドバイスし合いながら練習しています。毎年全国大会に出場しています」

――大学卓球の魅力は？
「高校と違って、自分たちで考えて卓球をするのが大学なので。本当に自由ですね。高校のときは『勝たなきゃ、勝たなきゃ』という思いでやっていたんですけど、今は楽しみながら卓球ができていると思います」

――練習メニューも自分たちで決めているのですか？
「そうですね。毎日、自分たちで組み立てて。『じゃあ、誰と練習する』みたいな感じ。戦型によって変えたり、試合が近くなったら、自分が当たる戦型の子と練習したり。いろいろ工夫してやっています」

Tリーグでの画像が話題になり、フォロワーが3万人に

――大学入学後、Tリーグの試合で競技ボールを回収する「ボールパーソン」を経験したそうですね？
「中学の時に行っていた卓球クラブの方が、Tリーグの仕事をしていました。『やってみない？』と言われ、2回、お手伝いしました」

――そのときの写真が、SNSで話題になった？
「たまたま会場で応援しに来ていた方が撮影してくださって、私がその時の写真をSNSにあげました。私の方は全くバズらなかったのですが、他の方があげたその写真がバズりました。その画像が話題になると、私のXのフォロワーが3日で3万人くらい増えました。もともと2千人くらいだったのが、3日間で3万人になって驚いています」

――写真が話題になっていることは、自分で気づいたのですか？
「友達から送られてきたんです。『なんかバズっているよ』って」

――どんな気分でしたか？
「最初は驚きました。高校のときはSNSが禁止で。インスタグラムとかXとかTikTokとかも一切やっていなかったので、初めての感覚で。高校の時ではいまを想像できなかったです」

――芸能活動を意識したのは、SNSで話題になったのがきっかけですか？
「そうですね。最初は卓球の偏見ではないけど、そういうのを変えたくて（SNSで）発信していたんですけど。今所属している事務所から声をかけていただき、お話しをし、とても理解をしていただきました。信頼もできてこの方たちと夢をかなえていきたいなと思いました。卓球の活動の幅を広げることもできるし、新しいことにも挑戦したかったので事務所に所属させていただきました」

――今季のTリーグ開幕記者会見でMCの仕事もしました。
「うれしかったです。私はプロの選手ではないので、試合では貢献できないんですけど、やっぱり、司会だったり、Tリーグのボールガールもできたら、本当にうれしいです」

大学ではコーチングを専攻

――菊池さんにとって、卓球の魅力は何ですか？
「ラケットとかラバーとか戦型によって（結果が）全然変わってくる。中学から卓球を始めた私が、小学校から始めている子を戦型で倒したこともあります。それが面白いなって」

――選手としてのキャリアはどう考えていますか？
「選手としては、大学で一区切り。大学を卒業すると実業団かプロのどちらかしかないので、そうなると私の実力では難しい。卓球は続けるんですけど、芸能活動をメインにして、いろんなお仕事ができたらいいなと思います」

――選手としてではなくても、卓球界に貢献はできますね。
「早田ひな選手とか、平野美宇選手とか、伊藤美誠選手みたいな実力はないんですけど、私は違う面で。プレー以外で、SNSで発信したり、Tリーグのお仕事をしたりして、卓球の魅力を知ってもらうきっかけを作れたらいいなと思っています」

――東京女子体育大学では何を専攻していますか？
「体育学部でコーチングを専攻しています。競技をするだけじゃなくて、実際に自分が教えることやスポーツの歴史、戦術の深さを知る勉強をしています」

――卒論はどうしますか？
「これから準備をします。ゼミの先生がちょうど卓球部の顧問の方で、卓球について研究したいと思っています。例えば左打ちと右打ち、ラケットや戦型によって戦い方がどう変わるか。（戦型による）相性や勝率を調査して書きたいなと思っています」

――選手としての卓球はあと少し。勝ってみたい相手はいますか？
「私たちがいま関東学生リーグ2部のチームなので、一度、1部のチームの子に勝ってみたいなっていう目標はあります。1部にはTリーグの選手もたくさんいて、だいぶ差がありますけど、大学4年生までには1度勝ってみたいなという気持ちはあります」