明大が早大にリベンジ、22年ぶりVに王手
大学選手権準決勝
1月2日@東京・秩父宮
明治大(関東対抗戦3位タイ、4位扱い)31-27 早稲田大(関東対抗戦優勝、2位扱い)
12月の対抗戦「早明戦」は早稲田が31-27で勝ったが、準決勝では明治が逆に同じスコアの31-27でリベンジ。2年連続の決勝進出を果たし、22年ぶりの大学王者を狙う。
明治の強い当たり
前半1分、早くも試合が動く。明治のFB山沢京平(2年、深谷)の蹴ったボールを早稲田FB河瀬諒介(1年、東海大仰星)がチャージし、そのままインゴールにボールを押さえて0-7と先制した。
明治はディフェンスでしっかり体を当て、徐々にリズムをつかんでいく。互いにPGを決めあって迎えた23分、フェアキャッチ後のリスタートで明治のWTB高橋汰地(4年、常翔学園)が約80mのビッグゲイン。最後は外に展開してWTB山崎洋之(3年、筑紫)がトライを挙げて、ゴールも決まり10-10の同点に追いつく。
36分に早稲田もSH齋藤直人(3年、桐蔭学園)がPGを決めて10-13とリード。明治もすぐに反撃する。37分にキャプテンSH福田健太(4年、茗渓学園)の裏へのハイパントキックに、WTB高橋とFW3人が素早く反応し、ボールを乗り越えてターンオーバー。そのボールを右に展開し、縦に走り込んだCTB射場大輔(3年、常翔学園)が中央に飛び込んで17-13と逆転し、ハーフタイムを迎える。
後半の冒頭は一進一退の攻防を見せる。10分あたりから早稲田が35次攻撃を見せるが、明治が意地のディフェンスを見せて得点を許さず、18分には相手がゴール前で反則した後、PGを選択することもできたが、スクラムを選ぶ。その攻撃から明治は15次攻撃を重ね、最後は20分にHO武井日向(3年、国学院栃木)が押さえて24―13。主導権を握った。
23分、早稲田もすぐにCTB桑山淳生(3年、鹿児島実)が1本返し、24-20と再び4点差に迫る。だが、明治は持ち前のボールキープ力でアタックを継続。34次連続攻撃を見せ、最後はNo.8坂和樹(3年、明大中野八王子)がポール脇に押さえて31-20とリードを広げる。
逆転を狙った早稲田は38分にWTB佐々木尚(4年、桐蔭学園)がトライを挙げ、ゴールも決めて再び31-27と4点差に追い上げる。早稲田は準々決勝の慶應義塾戦同様にラストプレーに逆転をかけたが、明治の激しいディフェンスの前にラックからボールがこぼれる。そのボールを明治が蹴り出してノーサイド。
明治が対抗戦の借りをしっかり返して、2年連続となる決勝進出を決めた。早稲田は創部100周年のメモリアルイヤーで対抗戦こそ同時優勝を果たしたが、10シーズンぶりの大学選手権優勝には届かなかった。
明治・田中澄憲監督
本当に最後までどっちが勝つかわからない試合で、非常にタフだった。お互い持ち味を出して、準決勝にふさわしい試合ができました。今日、勝つことができて成長できた。目標の決勝戦があるので、ベストの準備をしていきたいです。
ディフェンスが一番大事と話してました。今週やってきたことが、それが今日の我慢強いディフェンスに出た。(大学選手権を経て)選手がたくましくなったと思います。ノーシードから勝ち上がったチームなので、厳しいトーナメントを勝ち抜いたことは成長につながったと思います。強い相手と一戦一戦試合をしたことで学び、八幡山で練習して成長できた。選手が相手をしっかりリスペクトして、相手から学んだことを自分たちの中で成長つなげていくということが一番だったんじゃないかなと思います。
早稲田・相良南海夫監督
非常に残念に思ってます。この大学選手権で正月を越えて、準決勝という舞台で明治と対戦できて、かつこれだけ超満員の中で早明戦らしい、最高の両校の意地と意地のぶつかり合いというような、最後まで勝敗がわからない試合をした両校のフィフティーンに、当然われわれ早稲田の選手はよく頑張ったと思いますが、両校の選手に感謝したいというか、いいゲームになってよかったという風に思います。
基本的にミスで終わるケース、ターンオーバーされるケースというのが非常に多かった。それは早稲田の選手が感じていたプレッシャーだったのが、客観的に見ると明治が今年は絶対に取るんだという意地というか、迫力を感じた。お互いに意地をぶつけあったところに去年のファイナリストである明治にわれわれが気圧されたという印象です。