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特集:東京六大学 2020真夏の春リーグ

「学生スポーツ界にいい流れが来るリーグ戦にしたい」慶應義塾大学・瀬戸西純主将

東京六大学 2020真夏の春リーグ
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堅実な守備でレギュラーに定着している瀬戸西は、今年のドラフト候補でもある(写真提供:すべて慶應義塾大学野球部)

8月10日開幕予定の東京六大学野球春季リーグ戦に各大学はどう臨むのか。主将に意気込みを聞く2校目は、昨秋大学日本一に輝いた慶応義塾大学です。瀬戸西純主将(4年、慶応義塾高)にオンライン取材で連覇にかける思いを聞きました。

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縦割り班ミーティングで相互理解が深まる

真夏に開催される春のリーグ戦。瀬戸西は「必ず優勝して、連覇を達成したい」と言葉のトーンを強める。“戦い方”にもこだわる。昨年は大学選手権で明治大が優勝し、神宮大会は慶應大が制覇と、ともに東京六大学のチームが頂点に立った。だからこそ大学トップレベルのリーグにふさわしい試合をしなければと思っている。昨秋日本一になった自負もある。神宮大会では打率5割6打点と活躍し、19年ぶり4度目の栄冠に貢献した瀬戸西は「去年は去年、今年は今年ですが、大学日本一になれたのは、チームにとっても僕にとっても大きな財産になっています」と話す。

6月8日に部の活動が再開されるまで約3カ月間、チーム練習は休止となった。瀬戸西は基本的に合宿所で生活を続け、オンライン授業を受けながら自主練習に励んだ。だが緊急事態宣言に伴う自粛期間中は、施設の使用にも制限がかかり、十分な練習はできなかった。それでも自分の技術を見つめ直す上ではいい時間になったという。

「(2月23日から3月11日までの)アメリカ遠征や、オープン戦を通して明確になった強みと弱みにしっかり向き合えたと思っています」

またオンラインミーティングを通して、チーム内の風通しも良くなった。部員数は昨年の164人を上回る174人。大所帯とあって、普段は全員が集まるのはなかなか難しい中、オンライン上ではあるが、一堂に会する機会が作れた。

真夏のリーグ戦を見越して、グラウンドで汗を流す瀬戸西

一方でレギュラーもベンチ外の選手も混じった10人ほどの縦割り班を作り、オンラインでのグループディスカッションも計5回行った。テーマは「監督は絶対か?」「過程と結果はどうか?」「チームの決め事が徹底されていないのはなぜか?」など。堀井哲也監督から出されたこれらのお題に対して、率直な意見をぶつけ合ったという。

「日頃からできるだけ多くの部員と話をするように心がけてはいるのですが、どうしても話す人は限られてきます。グループディスカッションでは、あまり会話をしたことがない部員ともコミュニケーションが取れ、それぞれの立場からの考えを聞くことができました」

中途半端なプレーはできない使命もある

学校の許可を得てチーム練習が再開された6月8日時点では、春のリーグ戦がどうなるか発表されていなかった。先が見えない状況ではあったが、瀬戸西は主将として「自分たちがコントロールできることに集中しよう」と声をかけたという。

学生最後となる春のリーグ戦が4月に開幕されないと知った時はショックだった。仕方がないと言い聞かせても、割り切れない気持ちだった。当然のことだろう。周りを見る余裕もなかった。結果的に、春と夏に予定されていたアマチュア野球の大会や公式戦は、各カテゴリーとも軒並み中止を余儀なくされた。その中で東京六大学の春のリーグ戦が開催される。あれから約4カ月。瀬戸西は今、こう考えている。

「春のリーグ戦ができるのは東京六大学だけですから。他のリーグの選手に対しても、世の中に対しても、中途半端なプレーはできない使命もあると思っています」

瀬戸西は守備力を買われ、下級生の頃からリーグ戦に出場しており、昨秋まで通算で50試合に出場。今年のドラフト候補でもある。1試合総当たり形式で実施される春のリーグ戦でも、定評ある堅実な守りと、勝負強い打撃でチームをけん引していくつもりだ。コンディション面の準備にも怠りがない。試合が夏の盛りの日中に人工芝の神宮で行われるのを踏まえ、疲労をためない体作りもしているという。いち選手として、主将として臨むラストイヤーへの備えは万全だ。

「アマチュア野球界に、そして学生スポーツ界にいい流れが来るリーグ戦にしたいです」

 

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