大学ラクロス

立教女子ラクロス、232人みんなが主役

試合中、絶え間なく聞こえてくる応援歌が選手たちの背中を押していた

関東学生リーグ女子1部Aブロック

9月8日@国際基督教大学グラウンド
立教大 10-3 法政大

部員が200人以上もいるラクロスチームって、どんな組織なんだろう? 女子の立教の様子をいろいろと想像しながら、彼女たちの試合会場に向かった。

自分もこの輪の中に入りたい

女子ラクロスは1チーム12人制。立教の女子は部員が232人だ。交代要員を含めたって、晴れ舞台に立てる人は1割にも満たない。なのに毎年部員数が増え、退部者も少ないという。約200人の控え選手のモチベーションは何なんだろう? 試合を見れば分かる。選手も本気、応援も本気。彼女たちは誰もが、それぞれに”日の当たる場所”に立っているのだ。

いまでこそ立教は国内最大のラクロス女子部だが、DFの松浦夏乃(4年)が入部したころは約100人だったという。その後、新歓に力を入れるようになり、今年は50人の1年生が入った。ただ入部を勧めるのではなく、4年間を楽しめる選択ができるよう、一人ひとりに寄り添うことでラクロスライフのビジョンを描かせる。「ユニフォームがかわいい」「新しいことにチャレンジしたい」など、ほかの大学と同じような入部理由の人ももちろんいるが、「自分もこの輪の中に入りたいと感じた」いう人が立教の女子には多いそうだ。

選手は1年生を除いて「トップ選手(約30人)」「サテライト選手(約60人)」「選手(約60人)」の3枠に分かれている。佐藤壮ヘッドコーチ(HC)が指導するトップとサテライトの入れ替えは、HCが定めた条件も踏まえて決定される。その条件がおもしろい。1000mのタイムなんかは分かりやすいが、「ジャグリング」というラクロスにはおよそ縁遠い条件もある。「実力だけでなく、トップに挑戦したいという気持ちを買ってくれてるんだと思います」と、松浦は言う。

試合の状況で臨機応変に応援歌は変わっていく

係活動を通じて全員が支え合う

そして応援の最前線には「集客係」がいる。ほかに「備品係」や「カメラ係」、昨年新設された「SNS係」など約20もの係がある。中でも集客係は入学早々に募集する。毎年更新される応援歌は、誰でも馴染みのある曲をベースにし、練習を重ねる。試合展開によって変わる応援歌は、試合前からハーフタイムも含め、どのシーンでも途切れることなく選手たちの背中を後押しする。係活動には部員全員が携わっており、全員が支え合うことで団結力やモチベーションを一人ひとりに還元する。

応援時のスタイルは、昨年、スーツからオリジナルTシャツに変わった。従来は雨だとスーツからそれぞれ別のものに着替えたり、ヒールNGの会場では運動靴に履き替えたりと、統一感に欠ける状況だったという。しかし、だからTシャツに統一したというだけの話ではない。「確かに私たちは日本一のチームを目指してます。でも、ただ日本一になればいいというわけではないんです。私たちが日本一になったときに、その姿を目にして、『あの輪に交じりたい、立教みたいなラクロス部になれたら素敵だよね』と思ってもらえるようなチームでありたいと願っています」と松浦は話してくれた。

試合終了後、選手も応援組も肩を組みながらの校歌斉唱

主将でゴーリーの葛西眞珠(4年)に立教の強みを聞いたところ、「枠にはまらないリベラルなチームというところです。ただひとりのエースではなく、一人ひとりがそれぞれ魅力や強みをもっていて、それがチームの中でうまく機能しています」という回答だった。実際、佐藤HCも「彼女たちはまとまろうなんて思っていない。色々な人がいて、みな自分をもっている。確かに、立教はなかなかベスト4の壁を越えられてないですけど、ただ言われるがまま勝つか負けるかの勝負にこだわる以上に、大切なものがあると僕は思ってます」と話していた。

試合後にいろいろ話を聞いて、この部の持つ「吸引力」を強く強く感じた。