全国男子駅伝 長野が3年ぶり8度目V、アクシデント乗り越え去年のリベンジ!
1月19日に広島であった第25回全国都道府県対抗男子駅伝(7区間48km)で、長野が3年ぶり8度目の優勝を飾った。総合記録の2時間17分11秒は大会新記録。アンカーの中谷(なかや)雄飛(佐久長聖高~早稲田大2年)はトップでゴールすると、何度も力強いガッツポーズを繰り返した。
6区でトップに立ち、中谷が逃げ切った
曇り空が広がり、時折雨も落ちてくる中、午後0時30分に47チームがスタートした。1区(7km)は高校生。区間新記録ペースでレースが進み、ラスト300mで宮城の吉居大和(仙台育英高3年)がスパート。区間記録を5秒短縮する19分46秒で襷(たすき)リレー。区間6位までが新記録をマークするハイペースだった。2区(3km)の中学生区間は目まぐるしく順位が変わり、佐賀と茨城が抜け出す。佐賀がトップでつないだ
3区(8.5km)の一般区間には、今年の箱根駅伝で活躍した選手も多くエントリーした。広島の吉田圭太(青山学院大3年)が首位佐賀の古賀淳紫(安川電機)に食らいつくが離され、4区への襷リレーも佐賀がトップ。4区(5km)では埼玉の唐澤拓海(花咲徳栄高3年)が8位からグングンと追い上げ、2.7kmでトップに立った。
5区(8.5km)の高校生最長区間には、各チームの高校生エースが集まった。ここでも埼玉がトップを守り、6区(3km)の中学生へ。3位だった長野の吉岡大翔(川中島中3年)が16秒あった差を逆転。2位の兵庫に9秒差をつけ、トップでアンカーの中谷につなぐ。中谷は13kmの間、何度も後ろを振り返ったが、1度もトップを譲ることなくゴールに飛び込んだ。
高見澤監督「まさか優勝するとは」
長野チームはレース直前に高校生区間の主力を担うはずだった鈴木芽吹と伊藤大志(ともに佐久長聖)が足の痛みを訴え、エントリーを外れるアクシデントがあった。その中でつかんだ大会新記録での優勝に、高見澤勝監督(佐久長聖)は「率直にうれしい。選手がよくやってくれたと思います」と語った。「いろんなアクシデントがあって、まさか優勝するとは。選手が頑張ってくれました」
牛山通高コーチ(高社中)は「去年は納得できない結果に終わった選手、補欠で走れなかった選手。そういった選手たちが自分へのリベンジという形で、精神的な強さが出たと思う」。帯刀秀幸コーチも「選手変更のアクシデントはありましたけど、代わりに出た選手がチャンスをつかみ、優勝したい気持ちが結果に表れたと思います」と、選手たちをたたえた。
リベンジのため、アンカーを志願した中谷
ここからは優勝チームの記者会見で選手たちが語ったコメントを紹介します。
1区 越陽汰(佐久長聖高2年)の話
「高校生の主力となる2人が抜けて自分が入って、プレッシャーがありました。しっかりとプレッシャーに打ち勝ち、自分の走りができたと思います」
2区 小田切幹太(宮田中3年)の話
「優勝メンバーに入れてとてもうれしいです。個人では長野県最高記録の8分33秒を2秒更新できましたが、最低限の走りになってしまい、とりたかった区間賞はダメでした。来年リベンジできればと思います」
3区 春日千速(ヤクルト)の話
「中高生が頑張ってくれました。自分の走りには納得できなかったんですが、みんなに助けてもらったのが正直な感想です。大会記録を出したチームのキャプテンをつとめさせていただき光栄です」
4区 木村暁仁(佐久長聖高3年)の話
「中学3年のときは補欠で参加していたのですが、自分の中ではこの大会はとても大きい意味を持っているので、リベンジという形で、この優勝チームの一員になれたのがすごくうれしいです」
5区 宇津野篤(佐久長聖高3年)の話
「中学時代は補欠の補欠で広島に来れませんでした。今回始めて広島に来て、高校生として最初で最後の都道府県駅伝を走りました。スタートから思い切って入って、ラストで切り替える理想のレース運びができたのでよかったです」
6区 吉岡大翔(川中島中3年)の話
「自分の役割として後ろのチームとの差を広げるため、襷をもらった位置でほかの選手を引っ張って、ということを考えて走りました。結果的に区間記録も更新できたのでよかったですが、目標タイムには2秒届かなかったので、また高校、一般とこの大会を走って優勝を味わいたいと思います」
7区 中谷雄飛(早稲田大2年)の話
「去年も7区のアンカーを走りましたが、僕のところで順位を上げられずに3位で非常に悔しく、今年は絶対にそのリベンジを果たしたいと思ってアンカーを志願しました。区間順位もある程度納得できる結果で、こうして優勝のゴールテープを切れたことは感無量です。本当にたくさんの方々、ここにいるスタッフ、先生方、長野県民のみなさんのおかげでこの結果が残せたと思います」