サッカー

明治大FW太田龍之介 得点力でチームを引っ張る「紫紺の龍」が見据える未来

第3節の筑波大戦では終了間際に同点弾を挙げた

桜舞う4月、西が丘で行われた関東大学1部リーグ開幕戦。3連覇を目指す明治大学は、1年で1部の舞台へと返り咲き、J1内定選手を複数擁するなど、注目を一身に集める流通経済大学と激突した。1点リードで迎えた48分、FW太田龍之介(2年、ファジアーノ岡山U-18)が見せた。

得点力でチームをけん引

右サイドでボールを受けたDF岡庭愁人副将(4年、FC東京U-18)の滞空時間の長いクロスに、中央で太田が合わせたボールはゴール右へと吸い込まれ追加点。「普段から意識して練習している」。ホットラインから得点を挙げ、チームの勝利に貢献した。

開幕戦でのゴールを祝われる太田(中央)

太田はその後もゴールネットを揺らし続け、第5節終了時点で4得点。得点ランキングでは2位タイにつけるなど、チームをその得点力でけん引している。また、2トップの一角としてもハイプレスをコンセプトとする明治大のファーストディフェンダーとして守備にも奔走。185センチの長身と巧みな体の使い方を生かし、前線で攻撃の起点にもなるなど、攻守において最強明治に欠かせない存在となっている。

ルーキーイヤーに感じた自身の弱み

「ある程度出場機会はもらえたが悔しい思いが多かった」と振り返る昨季。開幕戦でデビューを果たすと、第2節では振り向きざまの強烈なミドルシュートから鮮烈な初ゴールを挙げるなど、前期だけで主に途中出場から4得点を挙げた。しかしスタメン出場した試合では結果を残せず、リーグ戦後期から徐々に出場機会を減らすと、1月の#atarimaeni CUPではベンチ外に。悔しさの残る1年となった。

昨季は開幕戦でデビューを果たした

如実に感じたのはスタミナ不足。中学からの度重なるけがの影響から、体力面での不安を抱えていた太田。「疲れてくると自分のプレーができない」。前線の選手にも運動量が求められる明治大のスタイルの中でスタミナの強化は必須だった。そこで取り組んだのが低圧、低酸素の高地を想定し、血液に負担をかける低酸素トレーニングだった。

「かなり効果は感じてます」と語る通り、スタミナは飛躍的に上昇。90分間相手のゴールを脅かすFWへと進化を遂げた。第3節筑波大戦において、終了間際にDF石井優輝主将(4年、昌平)のロングボールに抜け出して決めたゴールはその象徴と言えるだろう。

大学での活躍、そしてその先を見据えて

太田は5月7〜9日にかけて行われた関東選抜トレーニングキャンプにも参加。「選抜のキャンプは代表のスタッフの方たちへのアピールの場になると思いますし、いずれはA代表にも入りたいです」と意気込みを語る。U-18代表候補との練習試合では、しなやかなボールコントロールから得点を記録するなど、一つの目標として掲げるA代表入りへ向け、第一歩となるアピールに成功した。

前線での潰れ役として攻撃の起点にもなる太田

「まずは今年、リーグ戦で得点王をとって、3・4年次では5冠も目指したいです。卒業後は即戦力としてJリーグに行って、海外で活躍できたらなとも思います」。目標を追う中でも道標となっているのが、昨季紫紺のストライカーの座に君臨した佐藤凌我(現東京ヴェルディ)だ。「プレースタイルも自分と似ていて、そういう選手がJで活躍しているのは刺激にもなりますし、そのレベルに到達すればと考えると自信にもなります」

ルーキーながらJの舞台でスタメンの座をつかんだ佐藤や、J1開幕戦で2アシストを記録した小柏剛(現北海道コンサドーレ札幌)。最強明治の一翼を担った先輩たちを越えた先にある舞台へ、太田は歩みを止めない。

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