田中希実が快挙、1500メートル決勝へ 自身の日本記録をまた更新
朝日新聞社
2021/08/04
(最終更新:)
女子1500メートル準決勝で力走する田中希実(中央)。決勝進出を決めた=2021年8月4日、国立競技場、池田良撮影
女子1500メートル準決勝で決勝進出を決め、関係者と談笑する田中希実=2021年8月4日、国立競技場、池田良撮影
女子1500メートル準決勝で力走する田中希実(右から2人目)。決勝進出を決めた=2021年8月4日、国立競技場、池田良撮影
女子1500メートル準決勝のレース後に「ありがとうございました」と声を出す、決勝進出を決めた田中希実=2021年8月4日、国立競技場、池田良撮影
女子1500メートル準決勝を終え、決勝進出が決まり笑顔を見せる田中希実=2021年8月4日、国立競技場、池田良撮影
東京オリンピック(五輪)陸上女子1500メートルは、田中希実が日本選手として初めて五輪に出場するどころか、13選手が出場する決勝にまでたどり着いた。
「4分切り」
これが決勝に進むため、田中が自らに課した条件だった。
決して簡単な目標ではない。なぜなら、この時点の自己記録は、予選で出した日本記録の4分2秒33。それを2秒以上も更新しなければならない。それでも「自己ベストが出そうな感覚があった」という。
スタート直後から頭の中は冷静だった。
1レーンが空いていると見るや、するすると2番手へ。田中は「接触するくらいなら、ハイペースの自分のリズムでいこう」と割り切った。
2周目から先頭で引っ張った。これにも狙いがあった。予選で「2周目は休む選手が多い」と感じていた。あえてペースを落とさず、後続の選手に力をためる隙をあたえなかった。
残り500メートル付近で5番手まで順位を下げたが、ここから粘った。3分59秒19で5着。着順で決勝にいける順位に滑り込んだ。
昨年から短い距離を走り込むスピードに特化した練習がいきた形だ。
いつもは険しい表情の田中が、珍しく「ふわふわしている」とマスク越しでもわかる笑顔だった。そして、続けた。「理想のレースができた」
21歳は日々進化中。6日の決勝でも再び成長した姿を見せる。
(辻隆徳)
=朝日新聞デジタル2021年08月04日掲載