カーリング

特集:北京冬季オリンピック・パラリンピック

カーリング、日本決勝へ スイスを破って「銀」以上確定 相手は英国

スイスに勝利して決勝進出を決め、喜ぶ(左上から時計回りに)吉田夕梨花、吉田知那美、鈴木夕湖、藤沢五月(撮影・瀬戸口翼)

 北京五輪のカーリング女子は18日夜、準決勝を迎え、1次リーグを4位で勝ち抜けた日本(ロコ・ソラーレ)はスイス(1次リーグ1位)を8―6で下した。20日に行われる決勝への進出を決めると同時に、銀メダル以上を確定させた。

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 決勝の相手は英国に決まった。英国は準決勝でスウェーデンを延長エンドの末に12―11で破った。日本―英国は、前回2018年平昌五輪の3位決定戦と同じ顔合わせだ。

 1次リーグを上位通過したスイスが、第1エンドで有利な後攻の攻撃権を持ち、試合は始まった。だが立ち上がりのスイスは無理に攻めてこない。石を多くためないクリーンな展開が続き、スイスはブランクエンド(両チームとも無得点)にした。

 第2エンドもスイスが後攻。今度は一転、ハウスの中に両チームの石が多くたまる難しい展開に。スイスはフォースのペッツがラストショットで日本の石を押して2点を取りに来たが、わずかに弱く、1点にとどまった。

 日本が初めて後攻の攻撃権を持った第3エンドはスチールされそうな展開だったが、藤沢五月が難しいヒット&ロールを決めてなんとか1点。

 続く第4エンド。後攻のスイスは複数得点の好機をつくれず1点止まり。日本1―2スイス。両チームとも主導権を取り切れない。

 第5エンドに大きな展開が待っていた。藤沢のラストショットの時、日本の赤い石が三つでスイスの黄色の石が二つ。藤沢がスイスの石を二つともはじき出して自分は残り、一挙に4点。ビッグエンドを作って、前半を折り返した。日本5―2スイス。

 第6エンドでも日本は流れを渡さない。先攻だったが石をハウス内に多くため、相手に重圧をかける。スイスのペッツが最後、難しいショットを強いられてミス。日本が1点をスチールして点差を広げた。

 だが、世界選手権2連覇中のスイスも強い。第7エンドで逆に一挙3点のビッグエンドを作り、1点差に。続く第8エンドは日本が藤沢のナイスドローショットで確実に1点を加えて7―5となった。

 スイスは後攻の第9エンドで2点以上取らないと勝ち目が薄くなるので、攻めに来る。日本がどう封じるか。終盤の攻防が続く。

 日本は大量失点のピンチの局面もあったが、藤沢がダブルテイクアウトで、かつ自分の石をガードの後ろに隠すスーパーショットを決めて、しのいだ。スイスの得点を1点にとどめ、7―6のリードを保ったまま、後攻の攻撃権を持って最終第10エンドを迎えた。

 日本はスチールを避けるため確実に石の数を減らす展開に持ち込んだ。最後は藤沢がドローショットを中心部に決めて逃げ切った。

 日本は17日の1次リーグ最終戦でスイスとあたり、4―8でコンシード負けしたばかり。わずか1日でどこまで気持ちや技術の面で切り替えられるか、にも注目が集まった。

 前回2018年平昌五輪で銅メダルを取った日本。リード吉田夕梨花、セカンド鈴木夕湖、サード吉田知那美(夕梨花の姉)、スキップ藤沢五月の4人は平昌五輪と同じメンバーだ。

 フィフス(補欠)には平昌五輪の本橋麻里に代わり、今大会では石崎琴美が名を連ねている。

 日本と英国の決勝は、20日午前10時5分(日本時間)に始まる。

=朝日新聞デジタル2022年02月18日掲載

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