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特集:第74回全日本大学バスケ選手権

筑波大・朝比奈あずさ、大型新人が堂々のインカレデビュー 憧れの先輩に捧げる勝利

インカレデビュー戦を迎えた筑波大の朝比奈(すべて撮影・松本麻美)

第74回全日本大学バスケ選手権 女子決勝トーナメント2回戦

12月8日@ 駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場 (東京)
筑波大学 89ー57 立教大学

高校女子バスケットボール界の強豪といえば、愛知県の桜花学園だ。昨年の主将で、全国高校選手権(ウインターカップ)でチームを3連覇に導いた朝比奈あずさが、今年は筑波大学の「大型ルーキー」として、初のインカレに挑んだ。初戦となった8日の立教大学戦。朝比奈は先発の座を射止めると、試合開始早々に存在感を発揮した。

主将を務めるガード・池田沙紀(4年、岐阜女子)のパスに合わせてゴール下に飛び込み、筑波大のこの試合初得点を軽やかに奪取。直後にはオフェンスリバウンドをもぎ取り、ファウルを受けながら得点する「バスケット・カウント」を決めきってチームを勢いづけた。

「緊張はまったくしなかった」と朝比奈。その後もオールラウンドにコートを走り、チームで2番目に高い12得点を記録した。リバウンドは両チーム最多の9本を数え、筑波大の白星発進に貢献した。

先発出場し、チームの初得点も記録した

あえて進学、「プレーの幅を広げたい」

高卒で国内トップリーグであるWリーグに進む道もあった。だが、Wリーグに進めば、引退まで一つのチームだけで終える選手も少なくない。「もっともっといろんなバスケットを知って、プレーの幅を広げたいと思った」と朝比奈。筑波大を選んだ決め手は「留学生がいないなかで強豪に挑むスタイルが合うと思ったから」だという。

夏には日本代表合宿にも参加し、国際強化試合でデビュー。「世界の高さ」を目の当たりにした。朝比奈も185cmと日本国内なら「長身」と言われるが、世界の舞台ではそうはいかない。

「高校時代はインサイドプレーがメインだったけれど、今はアウトサイドのプレーも積極的にするようにしている」。この日放った3点シュートは1本。決めることこそできなかったが、「タイミングも思い切りもよく打てたので、感触としては悪くない」と手応えを語る。

国際舞台で得た経験は、筑波大にも還元している。「アウトプットには慣れていなかったけれど、先輩たちが学年に関係なく意見を聞いてくれるのでやりやすい」。パスの視野やディフェンスのカバーリングなど、細かいポイントも話すようにしているという。

4年生と「100%を出し切りたい」

朝比奈にとっては初のインカレだが、4年生にとっては最後の舞台。主将の池田は、高校バスケット界では桜花学園のライバルである岐阜女子高の出身だ。

筑波大の環境に「先輩たちが学年に関係なく意見を聞いてくれるのでやりやすい」と感謝している

年齢差が学年の入れ替わりにあたるため、高校時代に対戦することはなかったが、朝比奈にとっては「ずっとプレーを見ていて、一緒にやってみたいと思っていた一人」だった。「良いパスをくれるので、すごく楽しいんです」と笑みをこぼす。

共にプレーできるのは今年のインカレが最後。「勝利をプレゼントできるよう、私も100%を出し切りたい」

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