「高校から変わらないのはバスケ熱」河村勇輝がウインターカップ観戦

2022/12/27

（最終更新：2022/12/28）

　バスケットボールの高校日本一を決める「ソフトバンク　ウインターカップ2022」（第75回全国高校選手権）は、28日に女子決勝、29日に男子決勝を迎える。福岡第一出身で3大会前に優勝を果たし、現在は日本代表で活躍する河村勇輝=横浜ビー・コルセアーズ=が27日、東京体育館に登場し、大会アンバサダーとして母校の試合などを見守った。

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　――母校・福岡第一の戦いぶりを見て。

　「変わっていないな、と思いました。井手口孝先生が築き上げてきた、堅いディフェンスからファストブレーク（速攻）という形を、ぶれずにやっている。年々、福岡第一のレベルも上がっていると感じますね。3回戦・美濃加茂戦も、102―54で勝利。福岡第一らしいバスケットが40分間できていたと思います。流れを継続できる強さがありました」

　――3大会ぶりの高校バスケットの会場。時間の経過をどのように感じたか。

　「高校を卒業してもう3年も経ったのか、という感覚の方が強いです。（会場改修工事の影響で）自分は1年生の時にしか東京体育館を使えなかったので、『高校バスケットの聖地』と言われる東京体育館でプレーできる後輩たちをうらやましく思う部分もあります」

　――選手の時とは違う立場で見たウインターカップの印象は。

　「当時はもう、次の試合、次の試合って目の前のことに集中して、緊張感をもってこの場に立っていたんです。いまはリラックスした状況なので、すごくおもしろいというか、斬新でしたね」

　――高校生の試合を見て、刺激になった部分は。

　「高校生たちが全力で戦っている姿を見て、後輩たちが頑張っている姿を見て、自分も全力でプレーしたいなって思いました。次はOBである僕が頑張る姿を見せることで、後輩たちにもまた良い刺激を与えられたらいいなと思います」

　――自身は2、3年時にウインターカップ優勝を果たしている。決勝の舞台でつかんだものは。

　「自信と、チームメートと一緒に戦えたという誇りです」

　――ウインターカップを通して学んだことは。

　「経験したことすべてが学びになっています。バスケットのプレー経験も含め、チームメートとの友情だったり、保護者やスタッフの皆さん、応援してくださる方々への感謝の気持ちだったりなど、本当にすべてです」

　――高校卒業後、東海大やBリーグや日本代表でさまざまな経験をしている。高校生の頃と変わったモノと変わっていないモノは。

　「変わっていないモノは、バスケ熱です。バスケットが大好きなこと。高校卒業してからも東海大で本当にいろんな悔しい経験をしました。プロになってからも簡単には勝てない、悔しい経験をしました。けど、やっぱり根底にはバスケットが大好きだなっていう気持ちが、今も変わらずにあります」

　「変わったものは、なんだろう……。やはり経験値。本当にいろんな経験をさせてもらったので。まだまだ高みをめざしてマインドセットをしていきたいなって思っているので、心身共に成長していきたいと思っています」

　――ウインターカップの主役はスター選手だけじゃない。それぞれの選手にストーリーがある。今年の会場で、印象に残った場面はあったか。

　「福岡第一の3回戦の対戦相手だった美濃加茂の選手たちです。登録メンバー15人中7人が1年生と下級生が多く、今後が楽しみな選手がたくさんいるチームだなと思いました。3年生も、終盤どれだけ点差が開いても、必死にあきらめずにプレーしている姿を見せてくれて。本当に、このウインターカップって、どんなチーム、どんな選手がプレーしていても、心に残る大会だなって思いました」

　――改めて河村選手にとってウインターカップとは。

　「今の自分をつくってくれた場所。本当に、うれしい思い出もあり、悔しい思い出もあり。すべてが、僕を成長させてくれた大会だと思っています。大きな舞台で、もちろん勝ち負けという結果はあるんですけど、出場するすべての選手に、1分1秒を楽しんでプレーしていってほしいなと思います」

　――ウインターカップの舞台に届かなかった選手もたくさんいる。

　「ウインターカップは、目標にするには最高の舞台。それは間違いない。ただ、ウインターカップがすべてというわけでもありません。僕の周りの選手、Bリーガーでも、ウインターカップの出場経験がない選手はたくさんいます。一番大事なのは、やはり自分の目標を持つこと。その目標に向かって、どんな環境でも向上心を持ち、取り組んでいくことが大事になってくると思います。そういう視点からすれば、ウインターカップは、ひとつの大会にすぎない。ウインターカップ出場に届かなかったとしても、今後も自分の目標を持って、練習していってほしいなって思います」

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　大会決勝はテレビ朝日系列で生中継される。女子決勝は28日正午からBS朝日で。男子決勝は29日午後1時テレビ朝日系列地上波で放送される。

　朝日新聞では、大会を振り返るデジタルメモリアルブックを、大会後に発行する。無料。試合写真や全試合結果のほか、元AKB48の倉持明日香さんと、お笑い芸人の澤部佑さん（ハライチ）による、ウインターカップ決勝の観戦記を掲載する。申込者のなかから抽選で3人に、男子日本代表選手（ワールドカップアジア地区予選Window5時点）のサインボールが当たる。申し込みは〈https://que.digital.asahi.com/question/11009831〉。

◆朝日新聞のウインターカップ特集はこちらから