箱根駅伝往路は駒澤大学が19年ぶり優勝!3大駅伝「三冠」に近づく 2位に中央大学
第99回箱根駅伝 往路
1月2日@東京・大手町~箱根・芦ノ湖間の107.5km
1位 駒澤大 5時間23分10秒
2位 中央大 5時間23分40秒
3位 青山学院大 5時間25分13秒
4位 國學院大 5時間27分10秒
5位 早稲田大 5時間27分33秒
6位 順天堂大 5時間27分41秒
7位 東京国際大 5時間27分49秒
8位 法政大 5時間28分53秒
9位 城西大 5時間29分08秒
10位 創価大 5時間29分15秒
第99回箱根駅伝往路は、今シーズンの出雲駅伝と全日本大学駅伝を制した駒澤大学が、19年ぶりとなる優勝を飾り、目標とする学生3大駅伝の「三冠」に近づいた。5区の山登りで、全日本でも快走した山川拓馬(1年)が青山学院大学を突き放した。2位には往路優勝を目標に掲げた中央大学が入った。
関東学生連合の新田颯が攻めの走り
1区はスタート直後、オープン参加・関東学生連合の主将を務める育英大学の新田颯(4年)が飛び出した。一方で追いかける集団は序盤、1kmあたり3分を超えるスローペースに。残り3km手前の六郷橋付近で集団が縦長となり、明治大学の富田峻平(4年)がスパート。残り1kmを切ったところで新田をかわし、トップで襷(たすき)を渡した。次点には駒澤大学の円健介(4年)。
駒澤大の田澤廉(4年)、青山学院大学の近藤幸太郎(4年)、中央大学の吉居大和(3年)、順天堂大学の三浦龍司(3年)、法政大学の内田隼太(4年)と各大学のエースがそろった「花の2区」。前を行く明治大を最初にとらえたのは、中央大の吉居大和だった。最初の10kmを28分ちょうどで入り、自分のペースを刻む。しかし学生界を代表するランナー・駒澤大の田澤もひたひたと追いかけてきた。12km付近で吉居大和をとらえて先頭に。7位で襷を受けた青山学院大の近藤も3位に上がってきた。近藤と吉居大和が並走して、田澤を追う。最後のスパートを制したのは吉居大和。3秒差で駒澤大と青山学院大が追う展開となった。
中央大の3区は、10000mで吉居大和より速い28分00秒86の自己ベストを持つ中野翔太(3年)。「駅伝でも『エース』と言われるように、往路で他大のエースと勝負する」と事前に語っていた通りの力強い走りを見せ、後続との差を広げた。スタートから並走していた駒澤大と青山学院大は、18km手前で駒澤大の篠原倖太朗が前に出た。トップとは10差で駒澤大、36秒差で青山学院大と続いた。早稲田大学のエース井川龍人(4年)は14位で襷を受けたが、5位まで順位を押し上げた。
ヴィンセント、三つ目の区間記録
4区は今シーズンの出雲駅伝と全日本大学駅伝ともに出走しなかったイェゴン・ヴィンセント(4年)が、新たな金字塔を打ち立てた。20.9kmを1時間00分00秒で走りきり、区間記録を30秒更新。2区、3区に続いて、4区でも区間記録保持者となった。ヴィンセントの他にも、駒澤大の鈴木芽吹(3年)、中央大は吉居大和の弟でルーキーの吉居駿恭(1年)、創価大学の嶋津雄大(4年)と2区に引けを取らないランナーがそろった区間。鈴木と青山学院大の太田蒼生(2年)が1秒差で5区へ。往路優勝の行方は、山登りで決まることになった。
過去に数々の「山の神」を誕生させた5区は、ルーキーの力走が光った。昨年11月の全日本大学駅伝で4区区間賞の駒澤大・山川が青山学院大の脇田幸太朗(4年)、中央大の阿部陽樹(2年)との勝負を制し、トップで芦ノ湖へ。城西大学の山本唯翔(3年)が1時間10分04秒、順天堂大学の四釜峻佑(4年)1時間10分19秒をマークし、区間記録を更新した。
コロナから回復後、急ピッチで仕上げた田澤
大八木弘明監督の話
田澤がコロナにかかって、スピード練習がやれるようになったのは3週間前ぐらいです。急ピッチで作り上げました。2区は他にもやってもらいたい選手がいたんですけど、「うん」という返事をしてくれなくて。田澤でいくしかなかったです。田澤に負担をかけてしまいました。ただ今回もまとめてくれたので、往路優勝できたと思っています。(復路のポイントは)守りに入らず、ある程度攻めていかないといけない。
田澤廉の話
自分の中では練習期間が短く、一番きつい2区でどれだけいけるかという感じでした。これで終わりじゃないので、復路の選手に楽しく走ってもらえるように、声かけなどをしていきたいと思います。(他の選手からも目標とされ)目標にしてくれる選手が多くいるのもうれしいし、自分が体調不良になっても言い訳せず、自分のやるべきことをやらなきゃいけないと思いました。自分を成長させてくれた駅伝だと思います。最初は夢で箱根駅伝を走ると思ったけど、今は結果を残さなきゃいけない。