陸上・駅伝

特集:第99回箱根駅伝

箱根駅伝 エントリー上位10人の10000m平均タイムは? トップは駒澤大学

10000m27分台の記録を持つ駒澤大の鈴木芽吹(手前、撮影・佐伯航平)

箱根駅伝まで10日を切った。ここでは12月10日に発表された16人のエントリーメンバーの資料から、各チーム上位10人の10000mの平均タイムを速い順に紹介する。

※チームエントリー16人中、5000mのタイムが記された選手は除き、10000mのタイムを持つ選手の平均となる。12月10日の記者会見時の各校主務による申告と異なるチームもある。()は前回大会のエントリー時の平均タイム。

10000m平均最速は駒澤大学

平均が28分30秒以下のチーム 
駒澤大学   28分24秒91 (28分24秒85)
青山学院大学 28分25秒11 (28分29秒07)
中央大学   28分27秒66 (28分37秒35)
創価大学   28分28秒52 (28分35秒81)※留学生はフィリップ・ムルワのみ

全21チーム中、10人の平均タイムが最速だったのは駒澤大学。エースの田澤廉(4年、青森山田)の27分23秒44、鈴木芽吹(3年、佐久長聖)の27分41秒68に続き、28分台以下のタイムを持っている選手は計9人いる。なお5000m13分22秒91のU20日本新記録を樹立したスーパールーキー佐藤圭汰(1年、洛南)は10000mの記録がないため含まれていない。

青山学院大学も、エントリーメンバー13人が28分台を持ち、層の厚さは驚異的。前回大会で樹立した10時間43分42秒の大会記録更新にも期待がかかる。チームトップはエースの近藤幸太郎(4年、豊川工)の28分10秒50、続いて目片将大(4年、須磨学園)の28分19秒53。MARCH対抗戦で高校以来、自己ベストを2分以上更新する28分33秒62を出した黒田朝日(1年、玉野光南)も楽しみな存在だ。

スピードランナーが揃(そろう)う中央大学も、28分00秒86の中野翔太(3年、世羅)、28分03秒90の吉居大和(3年、仙台育成)、28分06秒27の吉居駿恭(1年、仙台育英)など10人が28分台のタイムを持つ。前々回大会準優勝している創価大学は、フィリップ・ムルワ(4年、キテタボーイズ)の27分35秒29を筆頭に、エースの嶋津雄大(4年、若葉総合)の28分14秒23、葛西潤(4年、関西創価)の28分21秒72と続く。リーキー・カミナ(2年、チョメ)も含めれば計13人が28分台を持っている。

前回大会では平均28分30秒以下のチームは駒澤大と青学大のみだったが、今大会は2校増えており、駅伝の高速化が進んでいることがうかがえる。

全日本大学駅伝1区でロケットスタートした青山学院大の目片将大(撮影・福留庸友)

平均が28分31秒~59秒のチーム

明治大学   28分39秒06 (28分31秒18)
順天堂大学  28分40秒34 (28分37秒50)
東海大学   28分42秒71 (28分39秒88)
國學院大學  28分43秒70 (28分42秒34)
大東文化大学 28分45秒04 
東京国際大学 28分47秒85 (28分47秒73)※留学生はイェゴン・ヴィンセントのみ
東洋大学   28分49秒93 (28分59秒58)
日本体育大学 28分51秒58 (28分47秒96)
法政大学   28分52秒19 (29分05秒10)
山梨学院大学 28分55秒47 (28分56秒88)※留学生はボニフェス・ムルアのみ
城西大学   28分56秒59 
早稲田大学  28分56秒09 (28分43秒41)※10000mの記録がある8人の平均

平均が28分31秒~59秒のチームは12チームある。シード権奪還を狙う明治大学は、櫛田佳希(4年、学法石川)が28分19秒77でチーム内トップ。28分台が計10人もおり、実力者が揃(そろ)う。出雲駅伝、全日本大学駅伝で2位と躍進した國學院大學も侮れない。平林清澄(2年、美方)が28分12秒16、中西大翔(4年、金沢龍谷)が28分17秒84のタイムを持っている。

前回大会準優勝で、「令和のクインテット」を擁する順天堂大学は、28分06秒26の伊豫田達弥(4年、舟入)、28分19秒01の野村優作(4年、田辺工業)をはじめ、計9人が28分台。前回大会11位の東海大学は28分05秒91のタイムを持つエースの石原翔太郎(3年、倉敷)が復活し、計10人が28分台の記録を持っており、シード権奪還は現実味を帯びている。

4年ぶりに箱根路への切符をつかんだ大東文化大学は、全日本大学駅伝1区で区間新記録を更新し区間賞を獲得したピータ―・ワンジル (2年、 仙台育英)が28分25秒20のタイムを持つ。前回大会5位と健闘した東京国際大学は、27分24秒42のタイムを持つイェゴン・ヴィンセントの復調が鍵になる。前回大会4位の東洋大学はエースの松山和希(3年、学法石川)を欠くが、28分台の選手が8人エントリーされており、上位争いに食い込んでくるだろう。

日本インカレ男子5000mで2位に入った國學院大學の中西大翔(撮影・藤井みさ)

平均が29分台のチーム

立教大学   29分00秒75
帝京大学   29分09秒91 (28分53秒53)
専修大学   29分12秒04 (29分32秒84)
国士舘大学  29分14秒39 (29分03秒26)
関東学生連合 29分15秒13 (28分46秒62)

55年ぶりの箱根駅伝出場の立教大学は、MARCH対抗戦で関口絢太(3年、國學院久我山)が28分29秒24を出しチーム記録を更新した。前回大会9位の帝京大学は主力が卒業後、チームトップの28分43秒71の記録をもつ小林大晟(2年、鎮西学院)ら下級生の成長に期待がかかる。

前回大会総合9位に入り、シード権を死守した帝京大のアンカー西脇翔太(撮影・藤井みさ)

関東学生連合チームは、キャプテンを務める育英大学の新田颯(4年、千原台)をはじめ、箱根本戦に出場できなかった各大学のエース級の選手が集まっており、どんな戦いを仕掛けてくるか楽しみだ。

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